ブックキュレーターhonto編集員
怪奇幻想文学の源流をたどる。ゴシック・ロマンスの代表的な小説
ゴシック・ロマンスは、18世紀後期から19世紀前期にかけてヨーロッパで流行した超自然的現象、古い建築物、因習などをモチーフに恐怖を表現する小説形式です。その幻想的な作風は、やがて怪奇小説やSF小説に継がれていきました。ここでは、ゴシック・ロマンスの代表的な作品を紹介していきます。
- 38
- お気に入り
- 16492
- 閲覧数
-
ケイレブ・ウィリアムズ
ウィリアム・ゴドウィン(著) , 岡 照雄(訳)
イギリスの著作家、ウィリアム・ゴドウィンの代表作。主人公は大地主の秘書を務めますが、世間から全幅の信頼を寄せられる主人の隠された罪を知ったことが原因で犯罪者の烙印を押され、逃走の日々を送り始めます。理不尽な策謀の数々を通して支配階級の実態を暴き、政治小説としての一面も覗かせるサスペンス要素豊富な快作です。
-
都会の生活を嫌い、田舎の屋敷に住み始めたロックウッドは「嵐が丘」に住む偏屈な大家ヒースクリフに興味を抱き、素性を知る家政婦のネリーから彼の壮絶な過去を聞かされることになります。本作品は孤児であるヒースクリフと、屋敷の者達が繰り広げる背徳的な愛憎劇を描き出し、世界文学の最高峰として評価されています。
-
19世紀前半に書かれたゴシック・ロマンスの傑作です。北極を目指していた海洋冒険家ウォルトンは、漂流中の科学者フランケンシュタインを救出。その来歴は彼を驚愕させるのでした。探究心に敗れて死者達の器官で怪物を創造し、恐怖と後悔に苛まれてきた科学者の半生を、芸術的な入れ子構造の書簡体形式で物語る怪奇譚です。
-
吸血鬼ドラキュラ
ブラム・ストーカー(著) , 平井 呈一(訳)
トランシルヴァニアの山脈にある古城に住んでいて、獲物を求めてロンドンに目をつけた吸血鬼・ドラキュラ伯爵。彼の正体を見破ったヴァン・ヘルシング教授たちは、退治するために決死の戦いを挑むことに。フィクションでおなじみの「吸血鬼」「ドラキュラ」を生み出した、吸血鬼伝説の起源といえるゴシック・ロマンスの名作です。
-
ゴーレム伝説を素地とした小説で、ドイツにおけるゴシック・ロマンスの代表作です。宝石細工師である主人公は、奇妙な人物より書物の補修を依頼されます。後にその人物が33年ごとに出現するゴーレムらしいと知り、それを契機に彼の周辺で奇怪な出来事が起こり出します。神秘主義思想が随所に散りばめられた奇妙な物語です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です