ブックキュレーターhonto編集員
思考の幅を広げよう。多様な価値観を知るために読んでおきたい人類学関係の本
属性や価値観に多様性があるほうが、新しい技術や発想が生まれ、社会が強くなると言われています。島国日本は文化の単一性が強く、諸外国と比べ同じ思考や価値観が求められることが多いようです。知らないうちに身についた固定観念を取り払い、さまざまな考えを受け入れられるよう頭をほぐす。そのために役立つであろう人類学の本を紹介します。
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マレーシアのボルネオ島に住む狩猟民族、プナン族に密着した人類学者のフィールドワークです。豊かな自然から紡ぎ出された個性的な神話、独特の時間感覚や死者をめぐる習俗をハードボイルドタッチで記録しています。要所に挿入される著者の青春時代の恋愛体験が、日本人とプナン族の感性の違いをクローズアップしています。
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アメリカのある小さな島では、20世紀初頭までの約200年間、250人ほどの住民全員が手話で会話をしていました。遺伝性のろう者が多い地域で、耳が聞こえる人もそうでない人も手話を使いこなし、差別や偏見もなく分け隔てなく暮らしていたそうです。多様性が叫ばれる今、ぜひ目を通しておきたい人類学の好著です。
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健康で長生きしたいというのは、多くの人の共通の願いです。しかし、人間はいつか病を患ったり、事故にあったりして命を失います。避けられない死と健康長寿という価値観の衝突にどのように折り合いをつけ、日常生活を営めばよいのかを考察します。医療人類学の視点から現代人に生き方のヒントを与えてくれる一冊です。
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たまふりの人類学
石井 美保(著)
アフリカのガーナや南インドでフィールドワークをした文化人類学者による随想集です。習慣やコミュニケーションの仕方の違いがもたらす戸惑いがある一方、ユニークな思考の連鎖が新鮮な驚きを与えてくれます。じっくり読むことで、日本文化から失われたものに出会ったような懐かしい雰囲気や異国時間を味わえます。
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小さき者たちの
松村 圭一郎(著)
ほとんどの人は歴史に名前を残すことなく、やがて忘れ去られていきます。しかし、そうした無名の人々の行いの積み重ねがあってこそ、歴史も文化も今日まで引き継がれてきたのです。熊本県の水俣で、小さな生を全うした名もなき人々の人類学的な記録と記憶が、物静かでありながら重厚な余韻を与えてくれます。
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