ブックキュレーターhonto編集員
絶望の中に差し込むひと筋の希望!読後も余韻に浸れるディストピア小説
ユートピアの対岸に位置するはずのディストピア。それなのに、なぜか人はディストピアを描いた物語に惹かれてしまうもの。それは、ディストピアの中にある種のユートピアが垣間見えるからかもしれません。「こんな世界線があってもおかしくない」と思わせる、圧倒的な世界観を持ち、一気読み必至のディストピア小説を紹介します。
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エヴァが目ざめるとき
ピーター・ディッキンソン(作) , 唐沢 則幸(訳)
人類は発展し尽くしてしまい、自然は破壊されて滅びに向かう近未来。交通事故に遭った少女は記憶の移植手術を受けて、チンパンジーとして目覚めます。人間としての記憶、野生の本能、人類からの期待を一身に背負った少女の物語は壮絶な決断の連続で、一度読むと忘れられないインパクトがあります。
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ギヴァー 記憶を注ぐ者
ロイス・ローリー(著) , 島津 やよい(訳)
平凡な家庭でやさしい両親と妹に囲まれ、何一つ不自由無く暮らす少年。12歳で迎える職業任命で「記憶を伝える者」となり、生々しい孤独、愛、痛み、自由を知ります。生死や感情まで作り込まれた究極の管理社会の描写は、空疎な人間関係を思うと妙にリアルで、ひょっとするとすでに・・・と感じさせる卓抜な物語です。
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蠅の王 新訳版
ウィリアム・ゴールディング(著) , 黒原 敏行(訳)
緑も食物も豊かな無人島に不時着した少年たちは、大人のいない桃源郷に沸き立ちます。集会を開いたり焚き火をしたり、自由で満ち足りた生活が、小さな不満や不安からおぞましい様相を呈していく描写に、閉塞感の強い教室を覗いているかのようなリアリティがあります。力の強い者に飲み込まれてしまう空気に鳥肌必至。
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