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「教授」が遺した旋律、そして言葉。音楽家・坂本龍一の生涯をたどる本
2023年、71年の生涯を終えた坂本龍一。世界中の人々の心を動かす音楽を生み出し続けた彼はまた、理想の社会についての啓蒙も晩年まで続けていました。世界の古典音楽を超え、自己表現を超え、新たな音が響き合う社会を求めて実践した道のり。これから坂本龍一に出会う方にもオススメの、彼の人生の足跡を追うことができる本をそろえました。
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2009年までの生い立ちをまとめた自叙伝です。ドビュッシーに熱狂するなど早熟な幼少期から、大きな転換点となった学生運動、YMOや映画音楽での成功と葛藤。己の強い興味や理念の赴くまま、自由に分裂し、移動し、動き続ける。深遠にしてエネルギッシュな「教授前」の半生を知ることができる一冊です。
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過去に刊行されたインタビュー本の合本です。坂本龍一と編集者・後藤繁雄が、音楽のみならず幅広いトピックについて語り合った、整理された対話ではなく、回想やふとしたつぶやきも含めた坂本の思考の断片が印象的な一冊。狂乱の20世紀末、そして9.11など、ゼロ年代初頭に彼が日々何を考えていたのかを知ることができます。
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東日本大震災の2011年から、初めてがんが発覚した2014年、トランプ政権誕生の裏でアルバム・ドキュメンタリー映画を発表した2017年まで、各所での発言から300以上の語彙を抜き出し、36のカテゴリーに分類&解説。世界のもろさが露呈した当時の事象を、より深く広く読み解くことができる「言葉辞典」です。
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坂本龍一は、伝説の編集者を父に持つ稀代の読書家でもありました。本書には、坂本が全36回にわたって自身の読書体験を記しています。音楽という言葉では表現し尽くせない芸術に身を置きつつ、その根底には読書によって研ぎ澄まされた思考や問題意識があったことを窺い知ることができる一冊です。
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『音楽は自由にする』以降の最晩年までを綴った自伝です。長い闘病、家族への想い、戦争や震災、神宮再開発。『尽きせぬ泉』に思えてしまう命、その終わりを悟りながら『だが人は、無限の機会があると思う』という。劇伴を担当した映画の一節を胸に、最期まで新たな音楽に命を捧げながら遺した言葉が響きわたっています。
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