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良子の思い出
2002/07/10 06:48
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カレン - この投稿者のレビュー一覧を見る
数ある島田作品中で最も人気があるうちの一作。
かくいう私も大好きです。
何度読み返しても、主人公と若き日の御手洗とのやりとりに笑い、ふたりの心の交流には胸が震えるし、最後のシーンには顔が涙でぐしゃぐしゃになるくらい泣いてしまう。
なかでも好きなシーンは、良子が綱島の駅でじっと帰りを待っているところ。島田荘司は憐れみの伴った愛情を書かせると本当にうまい。とにかく感情がリアル。主人公は、良子の、ステレオの使い方がわからず、ずっとレコードをイヤホンで聞いているような不器用さに、つきあげてくるようないとおしさを感じる。こういう思いは誰でも一度は体験しているのではないだろうか。
そして、御手洗と主人公が、ビートルズが好きということがわかって、レコードをどんどん聴いていくところ。違う世界に属する人々の中にあって孤独だった主人公が体験する、わくわくするような胸のときめき。魂の交流。
このあとがきで、著者が若いころよく詩を書いていたことを知った。
それであんなに叙情的で美しい、市場あふれる作品が書けるのかと納得。
このあとがきは、それ自体ひとつの独立したエッセイとして秀逸なので、島田ファンには絶対に読んでほしい。
御手洗シリーズ第三作 原点たる傑作
2021/08/14 15:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
記憶喪失の青年は助けてくれた女性を愛するようになり、充実した生活を送っていた。だが、思い出せない過去が幸せに影を落とす。そこには犯罪の気配が……
名探偵・御手洗潔シリーズの第三長編。作中の時系列では占星術殺人事件より前の事件となり、また原型作品の執筆も『占星術殺人事件』以前のため、シリーズの原点といっていい作品。著者の作品の中でも特に人気の高い一編で、読者の人気投票で一位となったこともある名作です。御手洗の人となりを把握してから読んでほしいので『占星術殺人事件』(できれば『斜め屋敷の犯罪』も)を読了してから手に取ることを強くお勧めします。
哀切に満ちたラブストーリーであり、巻置く能わぬサスペンスであり、御手洗潔の奇人ぶりと明察を堪能できるミステリ―でもある本作、読み逃し厳禁です。
文庫版には、島田荘司のデビュー前の日々を回想するエッセイが付記。こちらも琴線に触れる名文です。
著者に『怒』
2018/03/04 12:04
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやぁすごかった!改訂前を知らず、どこが変わったかは分かりませんが、これを読めば御手洗がめっちゃ好きになります。シリーズ第1作とのことですが、主人公のことを考えると、逆に最初に読まなくて、何作か読んだ今で良かったと思いました。一方で良子が気の毒で、こんな結末にした島田さんに『怒』。みんな幸せにしてほしかったと思います。
好きです
2017/04/01 00:49
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投稿者:みっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的にとても好きです。事件は現実離れしてるかなと言うか、本当に現実だとできるのかなって感じですが、おもしろいです。そして話の中心にいる人が誰なのか、なんとなくわかっていても、最後に名前が出た瞬間ひゃー!と意味もなく舞い上がりました。そしてちょっぴり切ないです。
これを読まないと御手洗シリーズは語れない
2016/07/19 21:45
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投稿者:ありん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、他の御手洗シリーズを何冊か読んだあとに、ネタバレなど一切見ないで読むことをオススメします。
読んだあと、なんとも言えない感動で震えました。
最高だった
2016/05/26 14:17
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投稿者:まー - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても面白くて読むのがやめられずイッキ読みしてしまった!!ラストが切なくて泣きながら読破
最高だった!!
ネタバレしている人がいる
2014/07/10 13:18
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投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく大事なことをネタバレしている人がいるので、感想は読まない方がよいですよ。
ミステリだと思って読むと、実はラブ・ストーリーです。恋愛小説だから、細かいことは指摘してはだめです。
先に「占星術」か「斜め屋敷」を読むほうがいいのかも・・・。
本当は星3つ
センチメンタル全開なのがいい!
2002/07/29 00:36
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
御手洗潔最初の事件でもあります。オープニングは、
記憶喪失になってしまったらしい、男のモノローグから。
この辺の描写、すごく上手ですよね〜。もちろん、自分が実際に
記憶喪失になった事があるわけではないのですが、もし体験したら
こうなのかも…と、言う気がします。記憶を無くした男は、偶然
街で出逢った良子に拾われ、そのまま二人で暮らしはじめる。
ささやかな幸せを満喫する男は、失われた記憶を取り戻すために
動き出すが、そこには驚くべき過去が…。
最後の良子の手紙がメチャメチャいいですよね〜。
心に沁みます。そういう経験があったわりには、石岡さん、
色々な事に懲りていない気はしますが…(笑)
若き日の御手洗さんも素敵♪(と、書くとミーハーだなあ…(^^;)
貧しさから脱出しようとする人間の哀しさを描いた作品でも
あります。こういう風にセンチメンタルな作品好きだなあ…。
描かれた愛情がささやかで切ない。
2020/08/30 16:04
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飾り気がなくても、純情な愛情のこもった地味な生活は何より人間的に平和な営みであり、他の贅沢よりも尊いものである・・という事が痛い程沁みて解る作品です。
第一級のサスペンス
2022/03/22 17:41
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
記憶を失った男が衝撃の手記を見つけある決意に至るまでを終始謎めいた雰囲気と緊迫感を持たせ描いている。割と前半のほうで伏線というかヒントがあるのでなんとなく展開が想像できたし読みやすかった。島田荘司ファンなら必読すべき一冊
切ない
2018/09/24 05:13
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
陽のあたらないビルに囲まれた公園らしきところのベンチで目覚めた主人公が慌てて自分の車を探し、見つけられずに焦っているうちに自分が誰なのか昨日までの記憶がないことに気づくことで始まるストーリーは、サスペンスドラマではありますが、ミステリーとは言い難いような気がします。記憶がなくて途方に暮れているところに良子と出会い、彼女がしつこく付きまとう男から逃げ出すために引っ越したいから手伝えと言われて、手伝って、そのまま彼女との同棲生活を始め、しばらく延々と良子との幸せな背活が綴られます。しかし、彼は自分の過去のことが気にもなるので、電車から見えた「御手洗占星術教室」の看板に導かれて御手洗潔と出会います。それで二人は友人になります。
この作品では、主人公ー仮の名は石川啓介ーの周りに陰謀が張り巡らされており、ついに自分の過去を取り戻したら、ある男を殺さなければならないと思い詰めることになります。途中の良子の不可解な態度ー主人公の免許証にある住所に行くなと言ったり行けと言ったり、急に連日酔っぱらって帰宅するようになったり、他の男性と乱交に走ったりーや主人公の過去が解くべき謎だとすれば、確かにミステリーかもしれませんね。
御手洗の役割はここでは事件後のトリックを解決する探偵ではなく、事件を未然に防ぐ友人です。ネタバレになっちゃいますが、これが御手洗と石岡和己の出会いだったんですね。良子とは切ない結末になってしまう悲恋物語です。
なるほど
2015/11/29 22:23
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投稿者:ヴァン - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨匠島田荘司さんを代表する作品の一つ。以前から作成されていたものの長らく日の目を見なかった作品ということで読む前の期待は最大級でした。読後、なるほどがっかりしました。まあ、ミステリィではよくあることですが、自分の趣味と合わなかったんでしょう。ヒューマンドラマやどろどろしたのが苦手な方はいまいちと感じるかも。ただし、御手洗潔シリーズファンとしては重要な一部を構成する作品であるので、是非読んでみるといいかと思います。
どうにも極端
2018/05/19 18:28
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうも事件を起こした人たちの動機はわかるけど行動には納得いかない。そこまで極端な真似をしないでもやり方はあるんじゃないかと思ってしまう作品。
過去の記憶
2002/03/26 10:09
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
記憶喪失になってしまったある男が、一人の女と出会う。やがて恋におち、共に暮らすようになった二人。しかし幸せな生活は長くはつづかなかった。男が取り戻した記憶は、忌まわしき殺人の記憶だった…… とこう書くとまるで安っぽい恋愛ドラマみたいだけど、実際これは本格ミステリと恋愛モノを融合させた話で、島田荘司ファンにはいまだに根強い人気を誇っている作品だ。ミステリ好きの人はかなり読んでいると思うけど、この人の作品を読んだことがない人は、まずこれを読むべき。
天才御手洗の登場と平凡な石岡クンの出会い
2001/09/13 12:51
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちょこらんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく二人とも若い。記憶をなくした石岡が町で偶然見かけた「御手洗占星学教室」という看板。少しでも過去の記憶が呼び起こせればと、藁をも掴む思いで訪れたこの部屋で出会ったのが、若き日の御手洗であった。のっけから超ハイテンションな御手洗に圧倒される石岡。今後幾度とも繰り広げられる漫才のようなやり取りは、どうやら最初から変わらないようだ。石岡サイドから見ると、運命の糸は複雑に絡み合い、決して解けることはないように見えたのだが、御手洗の手にかかれば、いとも簡単に解いていく。この事件を解決した御手洗は、石岡にとって「白馬に乗った王子様」なのかもしれない。これで一生離れられなくなってしまったわけだ。