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新たな革命
2024/01/14 02:28
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
運命に抗いひたすらに自由を求めるレーエンデ人の深い絆を描いた王道ファンタジー、第三弾。
一巻から二巻、三巻と約100年ずつ時が流れ、感情的な戦がメインだったこれまでとはがらりと角度を変え、文明的な「革命」にシフトされていて、その意外性がとても良かった。
何度潰えても「希望」を与え続ける英雄。不器用な双子が描く「劇」を通し、一巻のユリア達、二巻のテッサ達の想いを再度ゆっくりと噛み締める事が出来る構成がまた心に響いた。
変わらず続く迫害に苦しみながらも、知性と理性が加わった多角的なアプローチがゆっくりと芽吹く予感がし、四巻が待ち遠しい。
喝采も、沈黙も
2024/07/23 22:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
異色の流れ。これが伏線になってくるのかどうか。レーエンデ人に火がつくのか。
続けて読んで本当に良かった。第2作を読んだらすぐに読むべきか、または読み返しておくべき。
そして5部作なのか。。前情報を取らずに読み進めてしまったけれど、もう少し待てば一気に読めたのか。
次はどこまで時代が進んでるんだろう。
民族高揚の第三巻
2023/12/21 16:44
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻主人公たちの活躍が忘れ去られた時代が今度の舞台。蒸気機関が登場し、人の移動が活発になったことで芸術文化が華やいだレーエンデで、役者と脚本家の兄弟が、隠された歴史を蘇らせる。
もうこれだけで熱い筋書きだ。前巻の結末を知っている読者にとって、テッサたちの活躍と思いが舞台の上で復元され、後の時代に繋がっていく様子を追えるのは最高のご褒美だろう。
残りあと二巻。この土地の行く末が気になって仕方がない。
あと、このシリーズを読むのに「銀呪病視点で読む」態度を推奨したことがあるのだが、これ本当に銀呪病視点で進行しているかもしれない。
心からの喝采を
2024/04/20 15:39
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投稿者:のぶ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『レーエンデ国物語 3 喝采か沈黙か』読了。
「革命の話をしよう」……のわりに今回は革命要素が少なかった気がするのは気のせいだろうか。
レーエンデ地方を取り巻く新たな空気。アルベルトの後に即位した冷徹な法皇帝ルチアーノの治世は安定し、法皇庁のお膝元であるレーエンデも例外なく文化の花開く地となった。人々が求めるままに都会は熟れ、享楽と愉悦に満ちた時代がやってきた。そんな時勢の歓楽街に生まれた双子、アーロウとリーアン。戯曲の才に恵まれ、高名な演出家にも目を付けられるほどに神に愛された兄リーアン。早々に家族から離れて暮らし始めた彼に置いていかれ、数々の苦難を乗り越えながら甘い仮面をかぶって生きる凡人の弟アーロウ。2人の対比によって進む物語は、どこか計画的で、まるで一つの物語を読み聞かせられているようだった。いや、物語読んでるんだから当たり前なのだけど。
面白くなかったわけではないのです。表現が難しいのだけど、これまで以上に一人の人間の「人生」が頭に流れているようだった。それは間に挟まれた戯曲公演の描写のせいかもしれない。才能あふれるリーアンに憧憬と嫉妬を感じているアーロウに同情したからかもしれない。あえて一つの言葉でまとめるとしたら「読みごたえがあった」になるだろうか。
地方劇団の裏で行われる細々とした革命活動。それは本当にわずかな情報のみ受け継がれ、半ば忘れられた英雄の意志をよみがえらせるためのもの。一つのきっかけで2人は一大傑作を作るための旅に出て、法皇の目を盗んでくすぶる小さな革命の灯に瞠目する。その旅路を読んでいる間に呼び起こされるテッサ・ダールという女の子の一生。涙せずには読めません……。どんだけ泣かせに来るんですかねレーエンデの人たちは。それを知ったアーロウとリーアンの反応が非常に心に残っています。アーロウは初めて知る事実に驚き、英雄の旅路に胸を打たれ、必ず意志を継ごうと決心する。一方のリーアンは、リーアンだけが感じるレーエンデという土地の呪い、彼に授けられた神の愛という名の呪いに懊悩する。双子でありながら距離ができてしまった2人の対比が効果的。寄り添ってほしいのにままならない愛。捜索の世界でよくある形ながら、こんなに新鮮に感じるのはとても不思議。ある意味革命的かもしれない。
読書を通じた感想が個人個人で全く異なることはわかっているのだけど、今作を読んでの感想は個人的にとても新しいものに思えました。ここまでが神の仕込みでないのだとしたら、作者による読書体験の革命を疑ってしまう。かなりメタな感想ですけども。
読み終えてみれば、幕間の戯曲公演のシーンも伏線になっていたとわかる終幕。そしてこの終幕の描写こそが今回の革命だとわかる展開。ちゃんと革命の灯はあったのです。また一人、人生を賭した若者の生き様に喝采を。
演劇は大衆を導く力がある
2024/06/25 19:23
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
テッサの蜂起から約100年後。
今の政権から見て不都合な事実はなかったことにするのは、歴史の当たり前ということで、当然レーエンデ人ですらテッサのことを知る人は少なく、口にすることすらできない。
そんな中、わずかな手がかりを頼りに、かつてテッサがいた街を訪ね、密かにその人となりが語り継がれているのを知る双子の兄弟。
兄はこれらをもとに劇の脚本を書くが、依頼人の演出家が改竄して上演。
それを知った兄弟の取った行動が、物語の初めの兄弟の性格とは真逆に見える。
本当はそういう資質もあったのだろうけれど、お互い素直になれず、勇気が出なく、卑屈であり…、双子ならではの葛藤もあり、が重なり、いよいよのときになっての行動、お互いへのおもいやりが深すぎる。
それぞれが自分の役を果たしたとも言える。
にしても、相変わらず辛い現実の中で人は生きている。
演劇は文字を読める人が少なかった頃、絵と同じくらい人を導く力があったと思う。
感情は時代が変わっても不変のものだから、そこに訴える形で物語を構築すれば人を教育することだってできる。
「月と太陽」が人にどういう影響を与えていくことになったのかに興味がある。
次回作が楽しみ
2024/04/18 18:58
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「革命の話をしよう」
前作と同じ言葉で始まる今作は、
時代を経て前作を振り返る仕立てになっています。
歴史は為政者のものと言いますが、
ルーツを奪うことは尊厳を奪うことなどだと痛感。
ようやく次につながる展開で終わったので、
次回作が楽しみです。
百年たって
2024/08/03 23:05
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
又、百年ほど経った時代。今度は、全く違う性格と才能の双子が登場です。名前は、アーロウとリーアン。弟のアーロウは、凡人ですが、兄は戯曲の才能があり、高名な演出家にも将来を嘱望され…。ファンタジーですが、こういうのは、今もよくあるお話…
歴史を辿る
2025/04/14 16:42
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
記録を消された英雄の事績を辿り、戯曲を書き上げようとするレーエンデ人のリーアンとその双子の弟アーロン。口にするのも憚られる存在となったテッサ・ダールの姿を求めて旅をし、そして芸術家の業が作品を作り上げる。人々の記憶から消えかけた民族の誇りが芸術として呼び掛けはじめる。