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わたしを離さないで
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思い...
わたしを離さないで
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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
商品説明
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸
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紙の本
すごく久しぶりに長編小説を読む。
2024/02/04 06:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性の語りで至って読みやすい。
記憶をあちこち辿っていくので、そこで躓く人もいるかもしれないが、ジュブナイルが読める人なら問題ないと思う。
チラチラと、何かしらの不穏さを小出しにしつつ、百頁あたりから、不穏さの理由が明らかになってくる。
この時点で物語として本題に入るのだろう。
日常を重ねて違和感を、違和感の理由をふわっと浮上させるのは、多分小説が上手いんだろう。
一人の視点からなので、自然と見えない領域が広くなる。
とは言え、私たちは多分一人章でものを捉えているはずだから、主人公が当時知らなかったことなどへの、小説家の作為はそんなに気にならない、ただ、SFやミステリに接近しながらも、その手のジャンル小説ではないために、若干まどろっこしさも感じる。
ジュブナイル的ではあるが、児童向けではないっぽい。
どうも、アニメなどで時々ある日常回がずっと続いてる感じがする。
物語の大事な要素がさりげなく顔を覗かせるが、激しい展開に至ることはなく、表向き続いていく日常。
引き伸ばされた破局の前触れ。
脳裡に三原順の絵柄が浮かぶ。
しかしこのように、細部を緻密に書き連ねていく構成だと、もうちょっと全体の話を動かしてほしい気もする。
『調書』や『蜂工場』など、文学よりの作品で、ジャンル小説なら短編のアイディアを、長編に仕立ててあることに、もどかしさをおぼえたことがあるが、本書もそんな感じ、長編の一エピソードを肥大化させたような気がしてしまう。
紙の本
人が生きていくということは、
2023/03/26 15:58
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一体どういうことなのだろう。肉体的に健康であれば生きているのか。心はどこにどんな形で残されていくのか。美しいと感じること、嫉妬など心の痛み、身体的な苦しさ、肌で感じる温度。そんなものの全てが一人ひとりにあって、全然違う。違うことがわかるのは、私とあなたが存在しているからなのに。そういう奇跡を多くの人が奇跡と感じていないこの時代のことを表している小説なんだと思った。
紙の本
不思議な小説
2022/10/31 14:42
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投稿者:yomogi - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は読み進みにくい内容だけど読んでいくうちにそういうこと?!と少しずつ理解されていく感じ。とても不思議な小説。
電子書籍
彼らは可哀想な子か?
2022/07/30 23:09
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投稿者:悟り小僧 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「約束のネバーランド」に似た趣を感じる。
さて、この話の一般性は何だろうか。一つ挙げれば、自分たちに不都合な何かがあることを分かっていながら、無視しているような雰囲気というのは世の中にあるかもしれない。変え難い運命を、偽善を、矛盾を受け入れて諦めて生きていく。かわいそうな子を見ているようで、その眼差しは自分にも刺さっているのではないか。
紙の本
人間が生きていくとは
2022/04/22 16:36
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画「約束のネバーランド」が話題になった時に、すぐこの小説を思い出した。
人間の寿命が延びた遠い未来のかわいそうな子どもたちのSF、だと思っていたが、繰り返し読むと、カズオイシグロ氏は、さまざまな問題意識やテーマを埋め込んでいるように思う。人は何のために生まれ、生きるのか。人間の価値とは。
年齢を重ね、読むたびに考えが深まる。
紙の本
とても怖いお話
2021/12/09 18:06
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投稿者:mk - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと前にテレビドラマで見てから、原作を読んでみたいと思っていたのですが、やっと読むことができました。誰かの犠牲の上に成り立つ幸せってどうなんだろうと、いろいろと考えてしまいます。
紙の本
これこそ「文学作品」と思わされる
2021/01/21 17:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
皆様ご存知、H29年ノーベル文学賞受賞作家であるカズオ・イシグロ氏の著書、「クローン」を題材としたお話です。
ミステリー色もあり、性や生命についての「これぞ文学作品」という良く練られた描写もあり、そんな一冊でした。
私自身、小説を読むことが少ないせいもあるでしょうが、それらの本と比較しても読みごたえが凄まじく、いい意味での「通好み」な一冊という印象がありますね。
紙の本
子供達の話なのに、暗い。。。
2020/11/30 23:29
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し前に「約束のネバーランド」の劇場予告版を見て、この小説を思い出し、読みたくなり再読。子供達ばかりを収容した学校のような孤児院のようなところが舞台で、子供の話ながら終始暗い雰囲気が漂う物語。あまり救いがないお話ではあるものの、海外翻訳作としてはかなり読みやすいです。外国物で陥りがちな名前こんがらがりも少なめ。これはいつの時代設定なのでしょうか。昔のような今のような、未来のような…。ネタバレなしで感想を書くのが難しい物語。
紙の本
何度読んでも初読の記憶がよみがえる物語のチカラ
2020/10/19 14:36
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画化もされたし、日本でテレビドラマ化もされてどちらも観た。そもそも、本書も再読である。しかし、何度読んでもやはり読後感を言えば、衝撃を受けた...になる不思議。
主人公の子供時代の回想が淡々と語られる、前半部分は、何がどうってことのない話だというのに、もう、何かただならぬ展開が行間に漂い始めるのもその先の展開を知っているからだけではないと思う。
たった数ページの中に何度も登場する「提供者」というコトバの不可解さ。初読時点では、その意味を早く知りたいと思って読んだ記憶がよみがえる。
やがて明かされるその言葉の意味。登場人物たちの過酷な運命。今回もまた、生きると死ぬということの意味をそれぞれに考えながら答えのないままに読み終えることになった。
紙の本
静かな物語
2020/05/14 04:06
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投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体として、かなり抑揚をおさえた語り口調で進んでいくお話。
はじめは違和感のある表現などがあるけれども、話を読み進んで馴染んでいくうちに、世界観の深みを感じるようになる。
はじめの内から色々と謎は出てくるけれども、順を追って明らかにされていくので、その辺りの内容について書くのは差し控えようと思います。
電子書籍
ノーベル賞受賞で
2019/08/08 20:21
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題になり、映画は見た。ドラマは、初回を見て、そのまま辞めてしまっていたが、原作読後に是非見たい!フィクションだけど、実際にありそうな怖さや悲しさがある。
紙の本
わたしを離さないで
2019/06/17 08:00
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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前読んだ「日の名残り」はスーっと心に染み入るような文章だったという記憶がありましたが、この小説は違和感と疲労の連続でした。
普段読みなれないSFというジャンルだったからか、私自身がへこたれていた時期だったからか、読みながら頭に浮かぶ風景がいつも今にも雨が降りそうな空模様と暗く肌寒い季節だったからか・・・・・きっと原因は私自身にあったのでしょう。
読み終わってみて自分がヘトヘトになっていたのはきっと感情移入しすぎてしまったからだと思います。
ということは違和感ではなく、どうにも解決できないもどかしさというべきかもしれません。
紙の本
感動の大作
2019/06/11 23:46
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスの作家カズオ・イシグロの代表作の一つ。ラストも含めて、こんなに感動した作品は久しぶり。
作品の中の世界は核兵器の代わりに「提供」の技術が開発されているという設定だと何かで読んだ気がするが、作中に特に記述が無かった。私の勘違いだろうか。
紙の本
人の心って難しいなぁと思いました。
2019/05/03 19:40
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投稿者:トコトコくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半部分は、心理描写がとても秀逸だなぁと感じました。登場人物間で交わされるやりとり、そこから生まれる小さな感情の変化が、とても細かく表現されています。読んでいて似たような経験もあったかもしれません。
例えば、お互いをよく知っている親しく間柄の友人との会話で、なぜかうまくいかないこと。そんなつもりは全くなかったのに、なんとなく会話にトゲが出てきて、表情が硬くなったり。どうしてそうなっちゃったんだろうって戸惑い、気まずい思いをした経験があります。
そういう人の心の描写がとても良く描かれています。
後半は、とにかく読んでくださいって感じです。とてつもない物語なんですが、それが淡々と描写されています。ちょっと恐ろしいです。前半部分に(人間くさい)豊かな心理描写がされているのが、妙に繋がってきますよ。読了後は体力を奪われます。その日にやること全部終えた後で読んだ方がいいと思います。
紙の本
あっという間に読了
2019/04/27 18:09
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投稿者:sprout - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公たちが徐々に色んなことを理解しもがいていくのと同じように、
読み手も徐々に明らかになっていくストーリーの背景に飲まれて行く感じ。
出生前診断とか遺伝カウンセリングにも通ずるなぁと思った。