騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)
著者 村上春樹
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受ける。だが、姿を消した少女の行方は……。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」...
騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)
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商品説明
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受ける。だが、姿を消した少女の行方は……。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」に肖像画の約束を迫られる画家。はたして古い祠から開いた異世界の輪は閉じられるのか。「君はそれを信じたほうがいい」――静かに魂を揺さぶる村上春樹の物語が、いま希望と恩寵の扉を開く。
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考察はやめて次を読む
2024/08/04 12:17
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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語自体が面白かった。
いちおう終焉だしクロージングさせてはいたけれど、巻末が「第2部終わり」となっているのはいつかのためかな。未完成のままにしておいたほうが良い、と主人公も言っていたし。
ところどころ、分人主義のことかと思ったり、朝比奈秋さん(とくに今回の芥川賞受賞作)をイメージしたりする箇所があった。
ただ、どう受け取っても良さそう。良い読書でした。
自身の中にあるレジリエンスを引き出す文化芸術の力。 春樹ワールドから帰ってきたら、少しだけ、何かが前に進んでいた。
2023/01/18 10:21
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの頃に慣れ親しんだ童話の世界のように。
仏典に説かれた時空を超えた説話のように。
物語に寄り添い、共に時を過ごす中で、これまで気が付かなかったものに気が付くことが出来る。
昨日の自分より今日の自分。
今日の自分より明日の自分。
先の見えない洞窟のなかにいるような苦難にあっても、それを乗り越える術は、自分自身の中にある。
全ての出来事には意味がある。
目の前に見えていても、見えていなくても、繋がっている。
自身の中にあるレジリエンスを引き出す文化芸術の力。
春樹ワールドから帰ってきたら、少しだけ、何かが前に進んでいた。
騎士団長殺し4
2019/05/20 22:02
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
秋川まりえも面色さんもゆずもおさまるところに収まった感じで爽やかなラストがよかったです。イデア、メタファー、二重メタファーなど時空を超えた世界が展開されて村上ワールドを満喫できたと思います。
村上春樹氏の独特のワールドの最終回です!
2019/04/22 08:57
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、独特の世界観を創造し、読者を魅了してきた村上春樹氏の『騎士団長殺し』文庫版の最終巻です。騎士団長は「私を殺せばよい」と言うが、その意味は、彼が犠牲を払い、主人公である「私」が試練を受けるということではなのだろうか。そして、姿を消した少女は一体どこに行ったのだろうか?また会えるのだろうか?この秘密の物語は希望を導いてくれるのだろうか?読者に読み進めないではいられない興奮渦の中に巻き込んでしまう一大巨編の最終回です!
もう40年の付き合い
2023/04/03 14:53
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹氏の作品を読み始めて(最初に読んだのは「風の歌を聴け」だった)はや40年、長い付き合いになってしまった、そして、まだ読んでいない作品もある、楽しみ、楽しみ
もっとつづきがある気がする
2020/01/21 08:49
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常の世界の、ありきたりにも見える生活から、
ある手順を経て、別世界に入ってしまう。
そのあたりは、春樹ワールドの面目躍如。
物語の世界を楽しみながら、できごとが収束していく。
ただ……
これで終わりなの?
ストーリーは全然完結していない気がする。
もっとつづきがある気がする。
元の場所
2019/05/31 11:47
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹という作家は、同じようなモチーフを、違う表現で繰り返し提示しているのだろうか?
いつも、違う世界に引き込まれてしまい。どんどん読み進めてしまうのだけれど、そのメッセージをきちんと受け止め切れていないような気がして、何度も読み返してしまう。
村上春樹さんのための小説
2020/03/17 18:59
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投稿者:漣 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹さんの村上春樹さんによる村上春樹さんのための小説。
それ以上でもそれ以下でもない。
彼は、いつかのタイミングでデタッチメント(なにごとにも執着しない、ただの視点)からコミットメント(行動)へと変わった?変わる?と言っていたが、本作の主人公はいつも通りの受け身だ。誰かが主人公になにかをする→主人公へ関連性が発生→主人公は行動せざるを得ない。これのなにがコミットメントなんだろうか?
村上春樹さん的に言えば「彼は肩をすくめ、やれやれ仕方ないといった様子で、嫌々な雰囲気を隠そうともせず、スツールから腰を上げた」程度のものだろう。
私は意識的、無意識的に関わらず行動には責任が付随するものだと考えている。
彼は、作中で「買い手責任」なる言葉を遂に発した。それは、彼の作品の読者が常々感じてきたことだ。言葉を代えるなら「読み手責任」を堂々と宣言した。どう読んで貰っても結構、私には責任はないと言っているのだ。
私は芸術家の類いに責任を取って貰うつもりもないし、取れる資質がないことはわかっている。
だが、それをわざわざ言葉にするのは、ヒトとしてどうかと思う。
ある側面では、彼は超えてはならない一線を超えた。
もしかすると彼の言うコミットメントとは、歴史の一端に触れることを示唆しているのかもしれない。本作もナチスと南京虐殺、そして物語とまったく無関係で被災者を不快にさせる可能性が高い東日本大震災を最後の最後で持ち出した。
歴史にはコミットメントしようもない。もう起きたことなんだから。それとも彼は歴史の責任を自らが負いますと言っているのだろうか?
いいや、そんなことはない。
彼のモチーフが徐々にコミットメントへ向かっていることを匂わせているだけだ。
イメージ先行の政治家とほぼ変わらない。
次の作品を期待させることだけが、彼の目的なのだ。そして、見事にそれに成功している。
「伏線が回収されていないから、第三部があるかも」とか、巧妙に仕掛けられた罠に、見事引っかかっている読者が少なくない。
今回、コミットメントを匂わすために御都合主義的に「娘」かもしれない人物を登場させたが、育児のシーンの軽いこと、軽いこと。ペラペラ、というか、もはや嘘。
彼が子育てしていないことは、ほとんどの読者は知っているし、おそらく誰もそんなシーンを描くことを期待していない。
彼はストーリーテラーとして一級品だ。
それは疑いようもない。
中毒性も高い。
なぜか?
誰にも想像のつかない、突拍子もなく、壮大で、お洒落なマスターベーションを見せられているからだ。(滅多に見られないから希少価値がある)
そして、いつか私とセックス(コミットメント)してくれるんじゃないだろうかと、読者は嵌まり込んでいく。
次は、どんなマスターベーションになるのか、本作が遺作になるのか。
私としては、そろそろ、彼自身の年齢通りの主人公が登場して欲しい。年寄りのマスターベーションをどうやってお洒落に描くのか……
まっ、どうでもいいか。
無責任でいることを、わざわざ宣言した作家に、あまり興味を持てない。
いや、それでも次作が出たら手に取るかもしれない。
私も中毒者だから。
ああ、もう、嫌だ。