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読割 50
紙の本
海の底 (角川文庫)
著者 有川 浩 (著)
〔メディアワークス 2005年刊の加筆、訂正〕【「TRC MARC」の商品解説】四月。桜祭りでわく米軍横須賀基地を赤い巨大な甲殻類が襲った! 次々と人が食われる中、潜水艦...
海の底 (角川文庫)
海の底
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商品説明
〔メディアワークス 2005年刊の加筆、訂正〕【「TRC MARC」の商品解説】
四月。桜祭りでわく米軍横須賀基地を赤い巨大な甲殻類が襲った! 次々と人が食われる中、潜水艦へ逃げ込んだ自衛官と少年少女の運命は!? ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント!【商品解説】
収録作品一覧
海の底 | 5−477 | |
---|---|---|
海の底・前夜祭 | 479−512 |
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紙の本
ぐいぐいと話の中に引っ張り込むこの面白さ。圧倒的です。
2009/05/29 23:37
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
横須賀に巨大ザリガニの大群が襲来。荒唐無稽に感じたのは、話の開始早々からはじまるこの「巨大ザリガニの群れが人間を襲う」という設定だけで、後の展開は、手に汗握る第一級の冒険活劇。潜水艦に立てこもったふたりの海上自衛隊員と子供たちの密室・人間ドラマが、話の一方の軸。片やもう一方の軸として、巨大ザリガニ群vs.神奈川県警機動隊の死闘が描かれていきます。いずれ劣らぬ話の両輪ですが、ぐいぐいと読むほどに引きつけられ、引っ張り込まれていったのは前者、潜水艦『きりしお』艦内の活劇でした。
夏木と冬原、ふたりの自衛官が、森生(もりお)姉弟をはじめとする十三人の子供たちと潜水艦に避難し、子供たちのもめ事、トラブルに否応なく巻き込まれてゆくという話。子供たちの対立から浮かび上がってくるそれぞれの悩みや歪み、個人的な事情がきっちりと、丁寧に書きこまれていたところ。「あの、くそガキ!」とか言いつつ、子供相手に真剣に怒り、悩みを分かち合っていく夏木と冬原のキャラがユニークかつ魅力的だったところ。森生 望(のぞみ)、17歳の女の生理が、実にきめ細やかに活写されていたところ。たいした筆力であり、見事な人物造型力であるなあと、惚れ惚れさせられました。
巨大甲殻類に対する神奈川県警の活躍を描いた話の方では、明石(あかし)警部と烏丸(からすま)参事官のコンビ、単刀直入な物言いをする切れ者ふたりのキャラが印象に残ります。
本文庫本には、本篇の後に「海の底・前夜祭」と名付けられた番外編が収録されています。本篇の冒頭、夏木と冬原が二百回の腕立てをする原因となった対テロ模擬戦の顛末を描いた話。初出は、『電撃文庫MAGAZINE』創刊号。作者と出版社の粋な計らいに、感謝。
紙の本
パニック小説有川バージョン
2011/07/16 08:33
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自衛隊三部作・海自編。
前二作に、『塩の街』(陸自)、『空の中』(空自)がある。
巨大な赤い甲殻類の大群が米軍横須賀基地に現れ、人間を食べていた。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員は逃げ惑う子供たちを救出し、潜水艦内に立てこもる。が、子供たちの間には奇妙な軋轢があった。また警察と自衛隊、米軍の間では政治的な事情が絡み、レガリスと名付けられた巨大甲殻類との戦いは熾烈を極める。
本編に登場する海自隊員、夏木、冬原の別の物語が読める、『クジラの波』も刊行されている。
ということで、有川さんは本当に自衛隊が好きなんだな、というのが最初の感想。
本作では軍事オタクのチャット模様なども描かれているが、著者は彼らよりも上を行くのではないだろうか。
が、その知識が作品で十分に生かされているのもまた事実。
作者があとがきで述べている通り、舞台が潜水艦内であるにもかかわらず、艦は作中、一海里も動かない。にもかかわらず、艦内の様子、自衛隊のありよう、自衛官の意識の高さなど、ビシビシと伝わってきて、最後までだれることがない。
また今回は、機動隊も自衛隊に負けず劣らず、心意気の面で大活躍だ。
自衛隊を出動させるために、敢て不名誉を被彼らに、思わず心の中でエールを送ってしまう。
機動隊員といい、メインキャラクターである海自隊員・夏木、冬原といい、著者の描く登場人物には、まっすぐで、ひたむきな人柄が多い。彼らのキャラクターが話をぐいぐいと引っ張っていくし、読後感の良さにも繋がっている。
レガリス(ザリガニ様巨大生物)の大群が襲ってくるという設定そのものにリアリティはないけれど、夏木・冬原たちの職業意識の高さ、艦内に避難した子どもたちの感情の軋轢などが丁寧に描かれていて、極上のエンタティメントに仕上がっている本作。
自衛隊三部作の中の最後の作品から読み始めてしまったけれど、前二作もぜひ読まなくては。
蛇足だが。
潜水艦は沈むのではなく、潜るという。
沈むという用語が使われるのは撃沈のときだけ。
『クジラの彼』でも言及されていたことだが、自衛隊員にとってはかなりのこだわりがある部分であるだろう。意味合いを考えれば、当たり前だが。
海自の方とお話しする機会があった時に備えて(そんな機会には恵まれないと思うけど)心に刻んでおこう。
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自衛隊が強すぎ
2011/01/30 23:40
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
怪獣と戦うのは自衛隊の役目。しかし怪獣と言ってもゴジラみたいな巨大で類型的なやつばかりではない。深海で大繁殖した巨大(人間サイズ)ザリガニの大群が上陸してくる。これははたして、怪獣、自然災害、廃棄物。
場所は横須賀、餌を求めて地上に溢れ出た巨大ザリガニは次々と人間を襲い、地表を埋め尽くす。まず警察が出るのだが、拳銃や機動隊の盾ぐらいではほとんど役に立たない。しかし自衛隊が出動するには長大な手続きが要る。それまでの繋ぎとして、延々と警察が奮戦する。苦戦に次ぐ苦戦、犠牲者多数、叡智を凝らしてもパワー不足は補えない。現場の状況を上の方は分かっているのか。
苦境の中にありながら、組織の縦割り、慣例、常識をブチ破る人間の八面六臂の活躍で、ギリギリを耐え凌ぐ。場所が場所であり、米軍基地にも被害が及んでいる。「爆撃」といった事態に陥ることだけ避けなくてはならない。
そういうスリリングな展開は非常に面白いのだが、最後に自衛隊が出たら、装甲車、重機関銃、それだけで、圧倒的な掃討戦にしかならない。設定からすれば当然。あっさりし過ぎてカタルシスを得るまでもない、アアナンデモットハヤク。なんかがっくりする、何に対してか分からないが。
インターネットを通じての軍事マニアと警察の連携、怪獣の正体を見極める弱小研究所の無名職員など、サイドストーリーは面白い。
横須賀のドッグにいた自衛隊の潜水艦に、逃げ遅れた子供達が避難して閉じ込められるという話が、実は分量的には半分を占めるのだが、ここは読み飛ばしてはだめかいな。艦内で子供達を守ることになる若手自衛官、熱血漢とクールな奴の二人組というのは有川作品の定番なのだと、「図書館戦争」を読んだウチの奥さんが言ってました。定番か知らないが、こういう話は嫌いです。妬ましいから。
紙の本
3.11を経てリアルに感じてしまう悲しさ。危機管理の視点で、ちょっと変わった読み方をしてしまった。
2012/02/24 18:19
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
有川さんは、これっぽっちも思っていなかったと思うが、3.11の原発対応の出来事を知った上でこの本を読むと、あまりにも生々しく予見している部分がある。この本が書かれた時は、権力層に対する反骨的なノリでデフォルメしたつもりなのだろうが、現実は情けないくらいぴったり当てはまってしまい、もの悲しい。驚きではなくてね。
海の底は、自衛隊シリーズ三部作の三番目。海自の潜水艦の乗組員が主人公だ。横須賀の米軍基地に潜水艦が停泊している。これは実運用通りなのだそうだ。甲板では、主人公の夏木と冬原の二人が腕立て伏せの罰を受けている。陸側では、桜祭りでお客さんがあふれかえっている、のどかな日常。そんな時、突然、出航指令が飛ぶ。非現実的だ。しかし艦のスクリューに何かが噛み込んで回らない。総員退鑑となり、もう一度陸に出たら、景色が一変していた。巨大なザリガニの群れが、陸と海を覆いつくしていた。夏木と冬原は脱出を試みるが、ザリガニに行く手を阻まれる。逃げてきた子どもたちの一団を連れ、艦に引き返し、籠城が始まる。情報をいち早く捉え、警察と機動隊が動き出す。続けて自衛隊と、基地を占拠された米軍。潜水艦の籠城組と合わせ、この四部隊が微妙な距離感を保ちながら巨大ザリガニと対峙していく物語である。
作中の上位機関にまつわるエピソードが、いちいちリアルで驚いてしまう。ちょっと軽めの心理描写や、キャラクターに負った話作りはいつもの通りなのだが、四部隊の動きが極めて現実的な苦みにあふれていて、書評に残そうと思った。かなりの先見性と観察眼に敬服する。
警察、機動隊まではすんなりと出動できるが、その先が完全にフリーズしてしまう。自衛隊は、武器の使用レベルに応じた出動形態があるのだが、まず災害出動で手間取り、次の掃討作戦に至ってはまさに鈍牛だ。すんでのところで米軍に空爆されそうなところまで引っ張ってしまう。原因はもちろん政府官邸。機動隊員が次々と重傷を負い、一般市民がザリガニに喰われているのに、災害対策本部の名前決めに時間を浪費したりとか、出動命令を現場要請に仕向けて責任逃れをしたり、やることがいちいち姑息だ。判断基準は、官邸スタッフ個人に責任が飛び火しないこと。そういう目で見ると、すべての行動についてぴたりと理由が揃う。ああ、これはいけない。小説でデフォルメされているはずなのに、まるで福島原発の政府と東電本店による、現場を無視した泥仕合そのままである。彼らはいつも、耳に響きのいいことばかり言っているが、この本を読むと、その思考が手に取るように分かる。海の底は、日本社会の無責任体質を実にうまく捉えている。泣くのはいつも、権限をもがれて責任を押し付けられる現場だ。でも、この小説はそこがメインじゃないはずだから、複雑な気持ちになる。
あまりに生々しくて、この小説の先見性と臨場感に畏怖した。本当は、小説のままで、現実にならないで欲しかった。その現実を見せつけられると、やるせなさと無力感にさいなまれるから、このあたりで書くのはやめておこう。
紙の本
キャラ読みですが、ナニか?
2013/06/06 14:36
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
結構分厚い文庫ですがね、キャラ読みするなら気にするこたありません。あっという間です。その時は、有川さんの既刊「クジラの彼」も一緒に購入しましょう。夏木派にも冬原派にもオイシイ話が載ってますからね。
先に読んだ図書館戦争シリーズで、「ええ性格」なヤツがどうにも好きな自分には、小牧さんは若干物足りなかったのですが、冬原さんはめっちゃストライクでした。そうそう、このなんとも言えない「ええ性格」具合。最高です。
あと、明石さんと烏丸さんのところが!烏丸さんの七光言い放つ辺りがたまりませんね。こういうひとが上司だったら、キツイけど愉しかろうな、と。
あとは、川邊艦長さんも。艦長さんって、どうしてこう…だから艦長さんなんだろうけど。巻末のショートストーリー、収録していただいて本当にありがとうございました。
プロットを立てない、有川さん曰く「ライブ派」の小説はキャラ読みとは相性抜群ですよね。
でね、一回目キャラ読みしたら、ちょっぴり落ち着いてまた読み返して欲しいんです。
そしたら、多分一回目で読み捕れなかったことがたくさん捕れる。
有事の人材は平時にはいびつ。の意味とか。政治の関係の皆さんってほんと「主流派」ですよね~。
こんな非常識事態になぜ最初から自衛隊が出てこれないのか、とか。
他にも、色々。ほんと色々読めてくるモノがあるんですよ。
そこからね、また有川さんの他のお話に繋がる道がついてたりもしますしね。
だから。厚さにビビらず、ちょっと手に取ってみて下さいよ。
最初ら辺で引き込まれたら、絶対最後まで読めちゃいますから。
すごいお得ですよ~
紙の本
パニック映画+フォーサイス+熱血ドラマ+ラブロマンス
2012/01/16 21:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yosh - この投稿者のレビュー一覧を見る
メディアワークスより2005年に刊行。その後、2009年に短編(番外編)「海の底・前夜祭」を加えた角川文庫版が刊行。
有川浩のデビュー作『塩の街』は、陸上自衛隊+コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』的終末世界。第2作『空の中』は、航空自衛隊+スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』的知的生命体との接近遭遇。では俗に言う「自衛隊三部作」の掉尾を飾る『海の底』はどうかというと、海上自衛隊+パニック映画である。陸・空・海と三つ使い分けるだけでも凄いのに、三つともSFの手法・テイストをがらりと変えてみせるというのもこれまた凄い。
巨大甲殻類が突如横須賀の街を襲うという設定がメイン・プロットで、SFパニック映画臨場感迫力横溢。さらに、警察、機動隊、自衛隊、防衛省・政府等の管轄組織を縦軸(縦割りの組織系統)と横軸(時間に沿った同時多元中継描写)で各々の動きを追い、そのサスペンスはフレデリック・フォーサイスばりの迫力。加えて、『図書館戦争』原点とも呼べる、有川浩ならではの硬骨漢達の熱い戦いも盛り込まれ、ドラマをしっかり盛り上げる。無論忘れちゃいけないストイックで純粋なラブロマンスも、そこはかとなく清らかに爽やかに描かれており、もうサービス満点。
では、出来/完成度はどうかというと、ちょっと欲張り過ぎかなあという、読者ならではの不遜極まりない上から目線的感想を抱いた。迫力は3作の中で一番だが、盛り込み過ぎて面白さが拡散した感じがする。潜水艦の中の描写は面白いが、巨大甲殻類との手に汗握る戦いとカットバックされると、ちょっとサスペンスが緩むきらいがあった。個人的には、この三部作では『空の中』が着想(=センス・オブ・ワンダー)・展開・完成度いずれもダントツで、以下『海の中』、僅差で『塩の街』というのが筆者の評価。
紙の本
スーパーヒーローのいない怪獣もの
2016/03/27 08:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自衛隊3部作の3作目「海の底」は「ガメラ2 レギオン襲来」を連想させる始まり方で、不気味な巨大エビが何万体といきなり横須賀に上陸して人間を狩って食べだす。おりしも横須賀基地の「桜まつり」とやらで、通常よりずっと人手が多く、現場は混乱を極めた。その高で基地を出る道をふさ下れてしまった13人の子どもたちを海自隊員が何とか停泊中の潜水艦に連れ戻って、巨大エビに囲まれた中、潜水艦に立てこもることに。
こういう怪獣ものでは以下にも自衛隊が前面に出て活躍しそうなのに、最初の潜水艦艦長の殉職以降、残された若い自衛官2人(どちらも問題児)の活躍は「子守り」だけ。しかもかなり厄介なガキどもの相手。
救出は市街地の混乱を制圧することが優先されたことと、潜水艦が米軍敷地内に停泊していたために政治的に面倒な手続きを要したことで、すぐには不可能な状態。
一方で警察の警備対策本部は限られた装備で想定外の敵と戦い、自衛隊の『防衛出動』あるいは「災害特例」で武器使用可能になることを今か今かと待ってる。そのリアリティーがこの怪獣ものをぐっと面白いお話にしていると思う。現場で活躍するヒーローたちはいるけれど、ウルトラマン的なスーパーヒーローが居ない、問題解決に有効な装備を持っているはずの自衛隊が法的制約と腰の引けだ政治家たちの決断力のなさのために動けずに、後方支援に回っているというリアル。その中でどうやって最善を尽くすか。そういう部分が「大人のライトノベル」たらしめているのではないでしょうか。
そんな中でも一つの恋が生まれて、(でも恋愛関係は始まらない)その思いのひたむきさが後日談で明確にされるところなど微笑ましくていいですね。
紙の本
海の底と言うよりも・・・
2013/08/18 21:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:h8441 - この投稿者のレビュー一覧を見る
空の中は、未知の生物とのやり取りなど本当に面白かった。一方、海の底は、思っていたのとはだいぶ違ったかなぁ。まあ、面白いちゃあ、面白いけど、巨大ザリガニが大量発生、上陸してパニック!怪獣映画みたいな感じで、もうちょっと意外性があって欲しかったかなぁ。
紙の本
巨大ザリガニなんて
2023/05/31 23:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
自衛隊シリーズコンプリート。 自分的にはこの作品が一番好きでした。人間的な成長もあるし中身も濃いしハラハラもしました。
電子書籍
自衛隊シリーズ完結編
2022/10/08 09:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまた結構な長編だが、緊迫感溢れるスペクタクルな展開で一気に読んでいける。もちろん有川作品なので登場人物のキャラがしっかり立っていて読み応え抜群です
電子書籍
最高
2021/08/20 20:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:デデ - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物が魅力的
自衛隊、警察、潜水艦に逃げた子供達など、それぞれに物語があってどんどん読める
胸キュンもあって最高の一冊!!
紙の本
本作品を読んで、有川浩自衛隊三部作、ここに読了っ!
2020/11/18 13:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆる自衛隊三部作の海自編。主人公のひとり(男性)は、海上自衛隊の潜水艦の乗組員である。
あるとき、人間と同じサイズの巨大ザリガニが突如発生し、横須賀基地を占拠、ヒトを食らい始める...。またもSFチックで荒唐無稽、しかし、自衛隊組織等の取材が徹底しているからなのか、あいかわらず、リアルな読み応え。ある種の爽快感をもって読了した。
紙の本
三部作、その3
2019/04/19 10:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:apple2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆる3部作中、一番男性側が好きです。
後の図書館戦争の堂上教官に通ずるキャラでは…と思っています。
潜水艦の内部が色々興味深いですね。
紙の本
人間関係
2018/11/29 18:32
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
潜水艦に逃げ込むこととなった数人の子供と2人の自衛隊員、陸地で戦い続ける警察官たち、もどかしくも行動を起こせない他の自衛隊員、この3グループのそれぞれの人間模様がとても丁寧に描かれていました。そして、自衛隊員の出動の差なども学べる作品でした。
紙の本
パニック小説かと思ったら、潜水艦という閉鎖空間における子供中心の人間関係のお話しでした。
2016/11/21 11:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
レガリス(ザリガニのような深海生物)によるパニック小説かと思ったら、どうも潜水艦という閉鎖空間における男子小・中学生17名+女子高校生1名+自衛官2名の計20名の人間関係が中心のお話なのだが、子供を通して家庭(地域)つまりは親との関係が色濃く描かれているため話のスケールは十分にあるし、女子高校生と自衛官との淡い恋愛物語という味付けもある。歪んだ母親の影響で子供らしからぬ捻くれた感情から問題ばかり起こす“圭介”の成長、両親を亡くしたことで心に深い傷をおった“森生望姉・翔弟”が様々な事件を通じて立ち直っていく姿、女子高校生・森生望に芽生える自衛官・夏木への恋愛感情をばねに5年後に防衛省に入省してくるラストはロマンチックで良いですね。人当たりが良く会話も巧みだが意外に冷徹(合理的)な冬原三尉、粗野で口下手だが人情家の夏木三尉との掛け合いも絶妙であるが、女子高校生・森生望がその嗅覚から女性に人気のない夏木に好意を寄せていく展開には、見栄えや偽りの優しさに流されていく昨今の女の子のあり方を揶揄しているようでもあり、人付き合いの下手な私にとっては“万歳”でした。
脅威であるレガリスに関しては、アリやハチのように“女王”を中心とした“社会性”を有し、学習能力が非常に高いという設定が、更なる進化を予想させるだけに怖いと思ったが、その役割は潜水艦に20人の人間を隔離するための手段であって、目的を達成したらお役御免てなもので限定的武器使用を認められて出動した自衛隊にあっさりと殲滅されてしまうのはちょっと可愛そう。とは言え、レガリスによる危機は比較的狭い範囲ではあるが、人間が食われていくという凄絶さは物語の出だしの緊迫感を盛り上げるには十二分の迫力がありますね。但し、レガリスが完全に根絶やしにされたのかとか、今後何かの拍子に再び深海から浅海に移動し大型化したらと考えると続編での再登場もありうるので期待しておきましょう。むしろレガリスに関しては、即座に武力制圧を考える米軍との関係が記述されており、本作ではこれも主題でないためさらりと流されているが、その辺も深く切り込めば面白いと思う。