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商品説明
【直木賞(158(2017下半期))】岩手県をイーハトヴにし、銀河に鉄道を走らせた宮沢賢治。生涯夢を追い続けた賢治と、父でありすぎた父・政次郎との対立と慈愛の月日を、父の視点から描く。『小説現代』連載に、加筆、修正し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。【商品解説】
目次
- 1 父でありすぎる
- 2 石っこ賢さん
- 3 チッケさん
- 4 店番
- 5 文章論
- 6 人造宝石
- 7 あめゆじゅ
- 8 春と修羅
- 9 オキシフル
- 10 銀河鉄道の父
著者紹介
門井 慶喜
- 略歴
- 〈門井慶喜〉1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞、「マジカル・ヒストリー・ツアー」で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞。
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紙の本
注文の多い息子に父はどう対処したか
2017/12/02 08:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
門井慶喜さんの作品は第155回直木賞候補となった『家康、江戸を建てる』しか読んでいないからエラそうなことは言えないが、作品の捉え方が独特でいい。
この作品にしてもそうで、宮沢賢治というあまりにも有名な作家の生き様をその父の視点から描こうというのは、今までありそうでなかった視点といえる。
それでいてそれが変化球かといえば決してそうではない。
むしろ直球ストライクど真ん中というのが、読んでいて気持ちいい。
この物語の主人公は賢治の父政次郎である。
賢治の実家である質屋を父喜助から引き継いで、岩手花巻の富豪であり名士であった。
賢治もそうであったが、政次郎も子供の頃からよく出来て「花巻一の秀才」と言われたという。そうなると当然上級の学校となるが、喜助の「質屋には、学問は必要ねぇ」の一言でそれを断念することになる。
しかし、自分の息子がそうなった時、政次郎は進学を許す。賢治の妹のトシもそうである。
それは時代の流れといえばそうかもしれないが、もし喜助のような性格であれば賢治は果たして上級の学校に行けたか。
もっというなら、賢治が童話や詩を書くに至ったかはわからない。
それを政次郎の甘さといえなくもない。
読んでいてここまで息子や娘に優しい父をうらやましいと思うが、賢治を後世いわれる宮沢賢治に仕上げたのはこの父なのではないか。
いや、もしかしたら政次郎こそ宮沢賢治になりたかったその人なのかもしれない。
けっして重くならない門井さんの文体もこの作品にはよく合っている。
紙の本
全ての父親とその息子におススメ。
2018/05/08 22:12
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮沢賢治の父親を描いたものって珍しい。妹のトシは賢治の詩「永訣の朝」から、弟の宮澤清六は著作の「兄のトランク」(解説によると清六は『未来少年コナン』が好きだったという。)を通して知っていたけれど、父親については何も知らなかった。父はうろたえるし、子どもに甘い。宮沢賢治について新たな見方ができる。ふだん、あまり読書をしない友達も一度を手を止めることがなかったと話していて、文章がとても読みやすい。
紙の本
人は誰でも悩みや苦労話は持っている
2017/11/04 14:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はよく書けていると思う。全国に宮沢賢治ファンは多く、学生特に女子学生には多くいると聞く。有名な「雨にもマケズ」は東北地方ではよく引用される詩だ。多くの読者は作品を通じてしか賢治のことを知らないことだろう。よほどのファンでもない限り、妹トシのことは知っていても、父や母のことまでは知らないのではないだろうか。私もその一人である。
この本は生きること、人生とは何かを問い続けながら、苦悩しながら生きた、賢治の父・政次郎の物語だが、子供達を溺愛する人生でもあった。特に賢治のことは親馬鹿ぶりを発揮していたようだ。賢治も切っても切れない親子という人間関係、父との葛藤に拘泥された精神生活だったようにも見える。同様に妹トシへの深い愛情を注いだことも彼の人生だった。
賢治の家族を描いた作者の着眼に拍手を送りたい。
紙の本
伝記かな
2019/05/23 07:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかし、ちょうど最近、宮沢賢治の本を読む機会がいろいろあったので、賢治と父親の物語は大変興味深い。読めば、あの物語は、この実話が元になったのかも?などと考えられて楽しい!
紙の本
一気に読めてしまう
2018/08/02 22:00
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮澤賢治が特に好きというわけではない。もちろん、有名どころは知っている。妹さんのイメージは強烈だ。映画も見た。賢治はあんな奴かなぁ。石川啄木と重なるところもありそうだ。でも、お父さんって?全然・・・。さて、この作品。どこまで事実に基づいているのだろう?そんな詮索は無用。こんなうまい文章ってあるんだな?作家って、本当に小説を書くのがうまいな。こういう作品が直木賞にふさわしいよね。とにかくうまい。とにかく読みやすい。脱帽です。
紙の本
2017年度直木賞受賞作品
2018/05/20 06:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親の視点から映し出されていく宮沢賢治の実像が味わい深かったです。親子の葛藤や、幼い頃の思い出には心温まるものがありました。
紙の本
父から見た宮沢賢治
2021/10/31 20:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
かの宮沢賢治の一生を、父の目線から追う一冊。あまり褒められたものではない生前の賢治の姿も生々しいが、無理してでも厳格であろうとするが、結局は過保護に接してしまう父の姿に好感を抱かずにはいられない。賢治が作家として世間の高い評価を受けるのは死後であり、出来不出来に寄らず献身的ですらある父の愛情の深さには頭が下がる思いだが、親からの愛情としては決してこの宮沢親子だけが特別なものではないことに、この本を通じて気付けるからこそ、この本は多くの共感を呼ぶのだと思う。
紙の本
父性
2019/01/14 17:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞作。
宮沢賢治の、というよりは「宮沢賢治の父」の物語です。強い父性というものを感じました。
読みやすかったのですが、傑作か?というと微妙な一冊です。
紙の本
興味深い
2018/05/27 23:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞作として、興味深く読めました。宮澤賢治と父の関係が、新しい視点で描かれていて、たいへん興味深かったです。
電子書籍
父から見た宮沢賢治
2018/01/24 08:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮沢賢治の父親がいかに賢治を育ててきたか?宮沢賢治は作者としてあまりにも有名ですが、その父を描くという事で視点が面白く、引き込まれた。父親が、家を守るという事に固執したら、おそらく数々の作品は生まれなかったですね!宮沢賢治作品の世界が広がりました。作者の他の作品も読んでみたいと思いました。