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この世への遺恨が災いを引き起こす?日本の怨霊文化を知るための本
怨霊とは、非業の死を遂げたり生前に受けた仕打ちを恨んだりした人が、死後に災いをもたらす存在となることです。古来の日本では、怨霊が生きている人々を祟ったり、疫病や天変地異などの災いを引き起こしたりすると考えられていました。怨霊とはいったいなんなのか?伝承や物語、鎮魂の作法など、日本の怨霊文化にまつわる本を集めました。
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悪霊列伝
永井 路子(著)
日本史における悪霊現象を読み解いた歴史評伝です。悪霊を「不当な仕打ちをした加害者が負い目で作り出した虚像」と定義し、各時代でどのように利用されてきたのかを洞察しています。誰かの意図によって、霊は神にも怨霊にもなり得るのです。悪霊は社会が必要とするときにこそ存在する、という著者の考えに納得させられます。
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三大怨霊と呼ばれる菅原道真、平将門、崇徳院を題材として怨霊信仰を紹介した概論書。日本人の死生観の変遷から怨霊伝説の変容、敵味方にかかわらず供養する怨親平等の思想など、日本の怨霊文化の特徴を簡潔にまとめています。生者の罪悪感を昇華する魂鎮めの儀式は、怨霊が人の心から生まれたものであることを示しています。
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妖怪研究を専門とする民俗学者が、実在した人物を死後に祀り上げた事例をまとめた一冊。死後に神として祀られた人物を挙げ、その11人の人物に託された思いを知ることで、日本文化のルーツの一端に触れることができます。日本の信仰心に関する解説書としても読むことができるでしょう。
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作家・井沢元彦が独自の視点から歴史の事象を読解する論考集シリーズ。第1巻の本書では、古代から平安時代末期までの著名な人物たちを取り上げ、その人々にまつわる数々の伝説が生まれた背景を怨霊信仰の観点から探っていきます。史料に残らない部分を推論するおもしろさを味わえることでしょう。
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