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最後まで読まないと
2002/05/12 15:12
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めは主人公の女性遍歴がつらつらと描かれるんです。なんなんだ、これは? 今調子で終わるのか? と心配だったんですが、中盤から面白くなってきて、ラストにはぐっときます!
それにしても、読みやすい本でした。比喩とかもこの本の中では結構普通で、出てくる人も、謎のおんな(???)を除けば結構普通で。
それから、一人の女性を通して、現実と日現実の間をさまよう主人公は、なんか、少し哀しいです。
本当に好きな女への想い
2021/02/02 17:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、恋愛小説です。
普通の恋愛小説と違うのは、人生の一部分だけの恋愛ではなく
小学校から30代後半までの女性との出会い出来事を中心に
愛し、愛され、相手を傷つけたりなどの話です。
やはり、男性にとって女性の存在が自分の内面的な人生を作る
のだな痛感します。
個人的には男性にお勧めな小説だと思います。
学生のうちに読めたらとても良い本
2019/09/26 16:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹の本は、若ければ若いほど良い、と思う。
大人になってしまうと恥ずかしくてまっすぐ受け止められないような言い回しも素直にかっこいいと思えるから。
私は、この本を学生時代に私のことを好きな人に勧められて読んだ。
村上春樹は自分の作品に自分のエッセンスを必ず入れる。
この作品では彼の人生そのものがベースになっていて、他人の妄想を覗き見しているような、白昼夢に道連れにされたような不思議な感覚を覚える。
ロードムービーと呼ぶには主人公の成長によるカタルシスを感じることが出来ない、まさにこれぞ人生、というようなストーリー。
何者なのか分からない人は分からないままだし、失ったものは別のものでは埋められない。
未来への希望あふれる若者のうちに、人生には白黒つけられないことがあるのだ、癒えない傷もあるのだとうことを、この物語を通して一例として知っておくことはその後の長い人生にとても良い影響を及ぼすように思える。
ブルックスブラザーズで服を買う、独身男性が休日に丁寧にサンドイッチを作る、といった都会的でスタイリッシュな描写に憧れられるような人生経験のうちにぜひ味わってほしい。
大人になってしまうと、なかなか素直に憧れられないから。
日常に潜む不安をみずみずしく描いた話題作の一つです!
2016/08/13 10:12
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、村上春樹氏の作品で、日常に潜む不安をみずみずしく描いた話題作に一つです。内容は、今の僕という存在に何らかの意味を見出そうとするならば、ぼくの力の及ぶ範囲でその作業を続けていかなくてはならないだろう、といった言葉が表すように、様々な不安をテーマに、僕は悩み、考えていくというものです。ぜひ、詳細は、本書をお読みください。
ホラー小説
2023/06/27 14:00
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹作品の中ではノルウェイの森に似た作風でとても好みです。村上春樹さんの本なんだから当たり前なんですが、村上春樹らしい。好きなジャズと酒と、女性との日常をウィットに富んだ比喩を交えながら描き、そこはかとなく死の匂いや喪失感が漂っている感じです。
村上春樹入門にオススメの恋愛小説
2021/01/15 16:49
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
独特の澄んだ世界観、ユーモアセンスの輝く深みのある恋愛小説。読者の解釈に任された幾つかの曖昧な部分を頼りなく想像して楽しめた
欠落は欠落のまま
2009/11/11 09:11
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛すべき妻やそれなりの収入と安定した優雅な暮らし
全てを持っているように見える幸せな状況にある主人公
そんな中で主人公が抱える喪失感や後悔は 甘えととられて当然だと思いう
強烈な自己偏愛に嫌悪感も覚えはするのだけど
それでも
人間って まれに感情と理性の隙間にすとーんと落ちてしまうようなことってある
そこの隙間 欠けてる部分をきちんと自覚してないと 人は踏み外す
そしてその隙間は残念なことに 手持ちのものじゃ埋まらない
代わりのものじゃ全然ダメ
何とかして埋めようともがく人もいれば 代用品で埋めて誤魔化す人もいるし 欠けてることに気がつかない人さえいる
いろんな人がいるのだろう
欠落部分は欠けたまま 痛みと共に抱えて生きていくことを覚悟する
そんなのも在りかなと思える小説
喪失感の先に続く日常
2019/01/24 22:12
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとりっ子の「僕」の近所に住む足の悪い少女「島本さん」。島本さんと「僕」はひとりっ子どうしで仲が良く音楽を聴きながら淡い交友をする。やがて「僕」は引っ越し島本さんとも会わなくなっていった。高校、大学、会社員となっていった「僕」は恋愛遍歴も重ねながら、やがて結婚してバーを経営するようになって社会的に成功し家庭を持つようになる。そこに現れたのが島本さん。幼馴染の彼女はすっかり美しくなり、どこか空虚さを抱えた様子に惹きつけられていく。島本さんと「僕」がとうとう体を重ねた翌朝、島本さんは「僕」の前から姿を消す。「僕」は虚しさを覚えながらも結局は妻と家族のもとに帰っていく。
性的表現のきつさはあるものの、鼻につく気取った表現和らぎ、大人の恋愛を描いているので「青さ」も気にならない程度。村上春樹というとヒロインが死ぬのが定番だと思っていたが、破局を迎えても「僕」は生き続け妻の有紀子のもとに帰っていく。大人になったというのか、どこにも突き抜けず中途半端というべきか、題名とうらはらに悩みながら浮世で低回しているだけというべきか。しかしこの世界にとどまっているだけでも進歩なのかもしれない。少なくとも「喪失」感についての説得力は増したと思う。
読了直後の時点では、村上春樹作品の中では悪くないという印象。
取り戻したものは、失ったものなのか?
2004/06/28 01:09
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投稿者:Ryosuke Nishida - この投稿者のレビュー一覧を見る
大ヒットした長編小説『ノルウェイの森』に繋がる、「僕」一人称で書かれる村上春樹が半自伝に見せて仕掛ける長編。小説としての完成度、構造の多重さは『ノルウェイの森』に譲るが、むしろ、「僕」の内面に焦点を絞って淡々と物語に長い時間が流れる本作のほうを好む人も多いのではないだろうか。喪失と再生がテーマ。失ったものを取り戻したように見えるとき、果たして今、掌の内側にある「それ」は本当に「失ったもの」そのものだろうか。いろんなものをなくした人、なくしかけている人、取り戻そうとしている人にお勧め。
過渡期
2001/04/18 11:30
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投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誕生日と名前の由来から物語が始まり、その後の展開もクロニクル的に進むというあまりにもシンプルで構成に、最初はどうなるかと思ったが、最後にはグッときた。広がりよりは深さを増していく物語、と言えようか。
人間が意識的/無意識的にに抱え込む“悪”というのがテーマだと思えたが、いまいち深く掘り下げられていないというか、うねりに欠けるというか、物足りない感じがするのは確か。それでも村上の抜群なストーリーテリングの才が物語を読ませる、というのは「スプートニクの恋人」と同じ。「国境」も「スプ」も、その何か足りない感じが逆に“過渡期”な印象を与えている。
村上春樹とえいばセックスの描写も興味深いが、本作でも終盤の箱根でのシーンはとても良かった。
深夜に音楽
2019/09/28 07:15
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投稿者:Fortheseventhgeneration - この投稿者のレビュー一覧を見る
3日連続で深夜に読書、先ほど読み終わりました。
本に出てくる音楽をいちいち検索して、聴きながら読みました。
リストとかコールとかヘンデルとか。
最後に出てくるのがアズ・タイム・ゴーズ・バイ
で、その曲のあとの曲が自動で何故かスティングだったので、ラストの有紀子との会話で流れてたのはシェイプ・オブ・マイ・ハートでした。
深夜に音楽を聴きながらこの本を読みました。
哀しい音楽のような夢と現実
2002/04/11 20:41
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投稿者:ばんばん - この投稿者のレビュー一覧を見る
国境の南、太陽の西。歌のフレーズである。この小説は、なんだか息苦しい。絵に描いたような幸せの脆さを、突きつけてくるからかもしれない。主人公は、さまざまな失敗を繰り返しながら、初めて穏やかな幸せを得る。しかし、幼馴染の登場により、その幸せは脆くも崩れ去り、すべてを失うかどうかという選択を迫られることになる。そしてその事態において、その幸せの対象である妻や娘は頭の中から姿を消すのだ。そんなにも幸せだったのに。一時の盛り上がりになすすべもないのか。しかし、誰もが幸せでない現状に、幼馴染が愛を確認するだけで唐突に去ることにより、主人公は現実に戻り、一つ乗り越えた人生を送れることになる。それは最良の選択だったに違いないのだが、それでも失ったものは帰らない。生きていくことは何かを失っていくことだと思わせる。哀しい音楽が流れるような一冊である。
人の本質は変わらない
2024/03/19 14:54
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投稿者:スパゲッティヘア - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の渇き、欠落を埋めるために人を傷つけていいはずがない。ただの身勝手な勘違い男ではないですか。皆それぞれ考えや欠落、渇きがあって、それを抱えて生きているのに自分だけがそうなんだとでも言うように一人で沼に潜んで、本当の意味で他人を気遣えない一人っ子というのがよく表現されていると思いました。
良かった点は島本さんが最後まで謎めいた存在でいたことです。過去を語るシーンなどあればただそれだけの女になったのが、明かされないままいなくなったので良い女だった余韻が残りました。それでも不倫は認められませんけどね。
移行期の作品
2021/07/28 23:25
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでの小説家生活の総決算が『ねじまき鳥クロニクル』であるとすれば、二卵性の双子のように生まれたこの作品は2000年代に向けた移行期へ入ったものといえるのかもしれない。
国境の南、太陽の西
2001/05/25 18:59
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投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
抑揚のないようなストーリーだが、常にペーソスを兼ね備えた大人の文学。主人公の年齢と共に変化してゆく心理がよく描かれている。