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黒牢城 みんなのレビュー
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米澤穂信が描く戦国ミステリー
2021/09/11 11:50
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変面白く読ませていただきました。
戦国ミステリーという新しいジャンルだけど、読み応え十分な物語に謎解きが混ざって、複雑な展開が楽しめる。
勝っては人を殺し尽くす信長に反旗を翻した村重。
村重は殺さないが、殺さないことで牢獄の官兵衛に恨まれる。何が悪で、何が、人々を幸せにするのか分からないと問われているようだ。また「弱いものが悪いのだと物事を簡単に片付けて心を楽にしようとする」は自己責任を問われる今の政治批判にも聞こえる。
村重対官兵衛の心理戦が楽しめる。
読者に答えを突きつける官兵衛
2022/02/02 09:50
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤穂信が描いた小説である。どの分類に属するのかは分からないが、ミステリーといえばそうであるような気がする。時代小説であるともいえよう。どの時代かと言えば、織田信長が天下人になろうとしていた時代である。織田が秀吉、光秀を従えて京に上っていた際に、織田に反旗を翻していた戦国武将、荒木村重が主人公である。
ただし、よく読めば村重が主役なのか、相手の黒田官兵衛が主役なのか、よく分からなくなるというストーリーである。その辺りがミステリーと言えないこともない。織田方の官兵衛が村重を説得しに使者として有岡城を訪れた。村重は官兵衛を牢に閉じ込めてしまう。
本書はいわばエピソードが複数ある短編集が実体なのであるが、各々のエピソードで有岡城主の村重の頭を悩ます問題が起こる。散々考えても納得のいかない解決策しか見いだせない。その際には牢に閉じ込めてある官兵衛に、意見を求めに行く。この辺りがミステリー風の出来上がりになっていると言えるかも知れない。
いかにも軍師として名を馳せた官兵衛らしい答えであるが、明快な答えを出すわけではなく、いわばヒントを出すので、あとは自分で考えろと言わんばかりの答えなのである。もちろん、村重ばかりではなく読者にも突きつけているわけである。
米澤穂信の時代小説は今回が初めてなのかも知れないが、こうなると時代や登場人物によるミステリー仕立てではなく、ストーリー自体がミステリーで、読者にも考えさせる一種のミステリーサービスなのかも知れない。さすがに直木賞受賞作品である。面白かった。
世の常
2022/05/15 08:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藍花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
荒木摂津守村重は、信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠る。
秀吉の使者・官兵衛に翻意を促されるが、城内の土牢に閉じ込めてしまう。
毛利の援軍を待つ城内で奇怪な事件が起こり、家中の動揺が収まらなければ落城は免れない。村重は官兵衛の力を借りても謎を解かねばならない。
米澤穂信さんの直木賞受賞作です。
戦国の世の習いとミステリーを絡めて、村重が追い詰められていく様を存分に描いています。
史実を知っていても、この先どうなるかと手に汗握って読み進めました。
官兵衛が示唆するとおり、自分が思っているのとは、実は逆というのが世の常ということでしょうか。
流石
2022/04/30 18:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃんぱり - この投稿者のレビュー一覧を見る
古典部シリーズを読んでいたので、米澤さんのすごさはよくわかっているつもりでしたが、そんなものではありませんよといわれたようなきがしました。
まさか歴史ものでここまで緻密な本格ミステリができるとは。脱帽です。
ミステリファンも歴史ファンもどちらでもない人も是非ご一読を!
歴史×ミステリー
2022/03/11 13:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞含むいくつもの賞を受賞・ノミネートした歴史×ミステリーの革新的小説。
信長を裏切り籠城する荒木村重が、城内で起こる事件の謎を解くべく幽閉した黒田官兵衛に知恵を借りる歴史ミステリー。堅苦しいと思われがちな歴史小説の印象を覆し、滑らかに融合する謎解きと複雑な人間模様が入り交じるエンタメ要素が光る作品
歴史×ミステリー
2022/02/14 20:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藍花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史に疎いので楽しめるかな?と不安でしたが、そんな心配は無用でした!
城内で起こる奇怪な事件、村重と官兵衛の駆け引き、戦乱の世に生きる人々の生き様……もう読み出したら止まらなくなるほど惹き込まれました。
傑作
2024/05/08 12:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:秋田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒牢城を読むまであまり歴史小説は読んだことがなかったのですが、戦の緊迫感や戦況が変わっていく描写に惹き込まれました。
歴史小説としてもミステリー小説としても完成度が高く、両者が見事に融合して面白さが倍増しています。
何と言っても!荒木村重と黒田官兵衛、二人の切れ者の会話がたまらないです。
何度も読み返してます。
戦国時代のつらさが分かった
2023/06/11 13:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国時代の謎解きミステリーかと思えば、れっきとした歴史小説でもあった。織田信長と戦う村重と、村重に捕らえられて殺さずに牢に閉じ込められている黒田官兵衛、籠城している武士達の気持ちなど、わかりやすく書かれている。黒田官兵衛が、すごい人だということは、最後まで読むことでよく分かった。
戦争は人の命を無断に奪うだけだ、と実感した。
重厚な戦国ミステリー
2022/11/26 01:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆみこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は安楽椅子探偵ものかと思いましたが、高度な心理戦が楽しめる重厚な戦国ミステリーでした。
村重の威厳と智謀もさることながら、それを上回る官兵衛の存在感は圧巻です。
村重、官兵衛、信長
2022/02/20 09:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うしくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて穂沢氏の著作を拝読したが読了して別のものも読んでみたくなった。村重の心理描写は読んでいて胸に迫るものがある。歴史好きには是非とも読むことをお薦めしたい。なお、私は大河ドラマ「軍師 官兵衛」の映像を思い浮かべながら読んでみたので実感が湧きました。これを読んでから有岡城跡を訪問したいと願っている。
荒木村重は翻弄される
2022/02/13 12:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uruuduki - この投稿者のレビュー一覧を見る
「荒木村重」と聞いて、主人公に為り得る人物かというと、個人としての印象は、これまでのところ「ならないだろうな」だった。大河ドラマなどのイメージが強いせいだろうか、あまり名将という言葉には当てはまらないように思ってきたのだ。
この本の中でも、人物として官兵衛の方が才気に勝るようだ。
それに――、度重なる味方の寝返りで孤立して行く村重も、強引が際立つ織田信長も、孤独だったんじゃないかなぁ。
才覚に、不足しているのに目を背けている村重も、溢れて周りに無理強いする信長も……。
何故かそんなことに想いを馳せながら読んだ。
4章 落日孤影までは引き込まれる面白さだった
2022/02/11 11:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いけたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
荒木村重が籠城中の事件を囚人とした黒田官兵衛と解決していく様は斬新で引き込まれた。
惜しむらくは終章がアッサリとし過ぎた感と黒田官兵衛が囚われていた時の鬼謀から一人の善人に戻っていくところがリアリティに欠けたが、後に希望のもてる終わりだったのでので良いのかもしれない。
戦国モノ
2021/09/03 15:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤さん初めての時代小説?
とは言いつつ、やはりミステリ。
謎解きはともかく、村重・官兵衛のやりとりはおもしろい。
米澤穂信さんの歴史ミステリー
2021/08/15 17:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤穂信さんの新作は、有岡城の戦い中に黒田官兵衛(小寺孝隆)が幽閉された史実を「安楽椅子探偵モノ」に仕立てた歴史ミステリー。歴史の「切り取り方」が著者ならではで、これまでの作品同様にドラマを観ているような気持ちになる一冊でした。
戦国ミステリーは面白い
2021/07/05 20:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
謀反を起こした荒木村重と幽閉された黒田官兵衛の智謀が、四面楚歌の有岡城内で、絡み合うなぞを解く推理が、時代を動かす。戦国の世で、武門の意気地が、世の平安につながらないことが、結びで示される。この先も苦しみが続くと思いながら迎える死こそが、民にとってもっとも残酷なことだろう。