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昔の仲間に会いたくても会えない人に贈りたい
2012/01/28 03:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞、伊坂幸太郎、映画化、この本を手に取らせる「とっかかり」はさまざま。
ただ、私が手を伸ばしたのは、「学生時代の仲間の再会」というキーワードでした。
仙台市内で催された首相凱旋パレードで起きた暗殺事件。その「犯人」として追われることになった無実の青柳くんの逃亡劇が描かれます。いつもの伊坂作品のように、複数の人物にフィーチャーした短い章立てで「え、そんなこと描いてどうするの?」ということも織り交ぜながら、物語は進みます。全体として非常にスリリングでスピーディー。それでいて、どうでもいいような過去の「青柳君との思い出」が挟み込まれて、そこがまた絶妙に緩急をつけています。しかも、そういった一つ一つのシーン、エピソードは伏線となり、結末に向け回収され、次第に収斂していきます。
いや、収斂ではありません。さまざまな思い出が集積し、爆発し、拡散し、クライマックスにむかっていくのです。この知的爽快感、カタルシスといったら、なんとも言えぬもの。かなりボリュームのある本なのですが、一気に読ませるパワーがあります。
さまざまな人物がつながり、主人公の青柳くんの逃亡を意外な形で助けます。特に大学の仲間は大変な目に遭いながらも、青柳君の逃亡を助けます。ポイントは、長いこと顔を合わせていなかった彼らが直接、対面することがなかなかかなわないということ。すれ違いながらも、彼らは確かに気持ちを通わせ、事件を通して関係を深め、いや、再確認していくのです。
築いてきた絆が気付かぬうちに助けになる。そんな素敵な物語です。
ちなみに私がこの本を読み始めたのは、大学のサークル仲間の飲み会の日。夜の飲み会での再会を楽しみにしながら、ページをめくりました。残念ながら、集まりは悪く、その日の夜、ニ次会の後で私は一人さびしく新宿の映画館でこの作品の映画をレイトショーで観ました。年に一度、二月に開かれていた会はついに昨年、未開催に終わりました。
誰かが首相暗殺の濡れ衣でも着せられない限り、もうみんなが心を通わせることはないのかもしれない。そんなふうにさみしく感じる傍らで、もう一度、みんなが集まるような素敵な「事件」を起こせないかと、たくらんでいます。
今、会えないことはけっして絆が弱まったことではない。そう信じさせてくれる一冊。
「オズワルドにされかけた男」の逃走劇。構成の巧みさはさすが伊坂。
2012/02/16 13:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
2008年度の本屋大賞、山本周五郎賞を受賞し、2009年度版「このミ
ステリーがすごい」でも国内1位を獲得、映画にもなった伊坂幸太郎の
「ゴールデンスランバー」を読む。
この物語、冒頭から日本の首相が暗殺されちゃうのだから驚く。主人
公はなぜか暗殺犯にでっちあげられた宅配ドライバーの青柳。「ゴール
デンスランバー」は彼の逃走劇だ。首相を狙ったラジコンが「教科書倉
庫ビル」から飛んできたり、青柳は友人から「逃げろ!オズワルドにさ
れるぞ」と脅されたり…そう、これはケネディ暗殺が下敷きになった話
で青柳は「オズワルドにされかけた男」なのだ。さてさて、どうする青
柳?
この小説のおもしろさは大きな陰謀の対抗軸として、青柳の青春時代
の友人や知人、元恋人たちの行動があるというところだ。彼らは「ヤツ
があんなことするはずがない」と考え、自分なりの方法でこの暗殺犯に
された男を懸命にヘルプする。しかし、逃走中の青柳と彼らは直接接触
することはないのだ。ここが何ともおもしろい。随所に張り巡らされた
伏線、構成の巧みさもまさに伊坂幸太郎!さて、青柳の逃亡劇、その結
末は?それはもう読むしかない。未だ未読の人はぜひぜひどうぞ。
幕切れが素晴らしい
2023/12/01 09:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半の展開がゴトゴトとテンポが悪く時系列も飛び飛びでかなり読みづらかった。これはどうしたもんだか と訝っていたが、中盤400ページあたりからいきなり走り始めた。以下最後まで一気読み。途中数々の名セリフがあるが、何と言っても最後の「たいへんよくできました」が非常に印象的である。作者があとがきでやや言い訳がましく書いているが、数々の伏線を一部しか回収していない、そこがいいのだ、と。確かに最大の謎である国家的陰謀の、背景は黒幕は?という点はその片鱗さえも窺えない。
この本が世に出た2007年当時と現在の大きな違いは生成AIである。マスコミの報道における犯人の動画や画像もまず画像生成AIが活用されたろうな。
実際にあるかも
2023/10/03 09:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞を受賞しているこの作品は2007年の作品だけど、読んでいる私からすると、どうしても2022年の安倍元首相襲撃のこTが重なってしまう、もちろん安倍元首相の事件は発砲した男が単独で銃殺したことはテレビの映像からもはっきりとしているので、この作品の様に犯人にでっち上げられた男が主人公というのとは全く違うのだようくが。本作の主人公は政府の実力者のような人に犯人に仕立て上げられ当然のようにマスコミも追随して何の疑いもなく犯人と断定してしまうのだが、彼の父母や元恋人、後輩と言った人身近な人だけでなく、何かこの事件は胡散臭い、ひょっとしたら真犯人は他に誰かいるのではないかとかなりの人が疑いだす、国家のやっていることは信用されていないのだ、これは現実社会も同じかもしれない
安倍さんの事件があって読みました
2023/03/31 11:33
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い話でしたが、楽しめました。最後がぐっときました。人間の最大の武器は、習慣と信頼だ。良いフレーズですね。映画もおススメです。
おもしろい!
2023/03/15 09:01
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投稿者:マンゴスチン - この投稿者のレビュー一覧を見る
解決しないことはそれはそれで、ラスト伏線回収の仕方がなんとも情操的で、ハッピーエンドなのかは分からないが好きな終わり方。確かに、その逃げ方が合理的ではあるけれど…といった感じ。
やや長めでも疾走感に補助されてぐんぐん読める。
平積みされていたので手に取った
2022/12/17 11:13
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投稿者:プルシア - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店に平積みされて並ぶ多くの本は最近の作品であることが多い。だから私はこの本が視界に入った時にどうして今この本が注目されているのか疑問に思った。実際に購入して読み進めるとすぐに理由は理解できた。作中に登場する監視の技術は現代と比べると大きく劣る。ただ、監視社会に対しての抵抗という点では現代にも通じるものがあると思う。
一風変わった伊坂作品
2022/05/22 11:12
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投稿者:風りん - この投稿者のレビュー一覧を見る
少しリアルとは違う日本で起こった首相暗殺事件と、その犯人に仕立て上げられてしまったとある青年の物語。
期待通りの巧妙な伏線に、時空間を自在に操る構成が堪らない、至高のエンターテイメント小説です。
映画も見てみたい
2020/03/04 08:31
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投稿者:鯖 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで読んだ小説の中で一番面白かったです。
現実にも似たようなことがあるのだろうと思うと怖いです。
また物語の構成に驚きました。伏線がこんなにも回収される小説は初めてで、感動しました。伊坂さんの他の作品もぜひ読もうと思います。
中村義洋監督映画化原作
2018/05/06 10:18
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
実在の事件からインスパイアされたストーリーに惹き込まれます。仙台市内を舞台にした決死の逃走劇と、最後まで途切れることのない仲間たちとの絆には強く心を揺さぶられました。
信ずるものは救われるのだ
2015/10/05 00:33
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画をみた友だちから推薦されて。とにかく先に本を読んでみた。息をもつかせぬ展開におどろく。大きな力に丸め込まれそうになるけれど、信じる力で救われるスカッと気持ちいい作品。事件がおわったあと、ロックが口癖の同僚宅に伝言しにいくのはいいな。子供を信じて疑わないお父さんも偉大だ。親が信じないで誰が信じるの!ってなるもの。映画も最高。どちらもオススメです。
「逃げる」
2015/08/31 23:33
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投稿者:FUMI - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯人は誰?というよりも「逃げる」ことがメインの物語・・・
「犯人」を書かないというのもある意味斬新かもしれない。
「逃亡」の中で起こる様々な物語が面白い。
いかにもな伊坂作品
2015/03/16 23:15
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊坂作品といえば、楽しい掛け合い、軽快なテンポ、意外な伏線、魅力的なキャラクターなどの特徴がすぐに思い浮かびますが、本作品はまさにそういう作品です。
伊坂作品の入門書といって良い作品なので、この作品を読んで「この作家さん、好きだな」と思ったら、「キャプテンサンダーボルト」や「モダンタイムス」を読むことをおススメします。
娯楽作品として十分楽しめる
2011/03/03 07:30
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
いきなり首相が暗殺されるシーンから始まる。犯人と間違われて、必死の逃走劇を展開する主人公。暗殺事件には、どうやら巨大な犯罪組織が関係しているらしい。
米国でかつて起きたケネディ大統領暗殺事件は、犯人とされたオズワルド容疑者が逮捕された上、別の人物に殺されたことで、真相が藪の中にはいってしまった。本作は、そうした史実と巧みに重ねあわせようとする。さまざまな仕掛けと伏線がほどこされていくのだ。
主人公の逃亡劇に、随所で手を貸す人物たちが現れる。しかも、その手助けにはとても工夫が凝らされている。やや強引かつ不自然なところもあるが、読者を楽しませるに十分である。
こうも必死の逃走劇を繰り広げるには、相当の理由が必要だが、そういう手もあるかと思わせるストーリー展開に持ち込むのがうまい。
ただ、弱点は人物の作り込みが甘い点ではないだろうか。主人公からしていまひとつぱっとしない。
もともと平凡な人物が暗殺犯に仕立てられるのだから、そうなるのかもしれない。しかし、逃走劇を続けるうちにもっとたくましい男に変貌していけば、ハリウッド映画さながらになっただろう。
逃走劇の最後の方では少したくましくなりはするのだが、まだ頼りなさと、周囲の助けが必要なままだ。これは、評者がハリウッド映画を見過ぎなだけなのかも知れないが。
主人公を助ける周囲の人物もいまひとつ性格づけが弱い気がするのだが、そんなことはないだろうか。両足を骨折して入院している人物は最後にいい働きをするが、それ以外の人たちは、明確なイメージが浮かびにくい感じがする。
いや、こうして本書の弱点に目がいくのは、ほとんどの要素が上出来だからだろう。素直に読めば、はらはらドキドキの連続で飽きさせない本になっている。
核心的事件であるはずの首相暗殺が早々に起きてしまっても、そこから最後までぐいぐい引っ張り続けてしまう。これは簡単なことではない。なにしろ500ページにおよんでも、途中でだれてしまうことがないのだから。
これまでに何作もこなしてきた作家の力量が、惜しみなく注ぎ込まれている作品と評価したい。
かっこいいとかじゃないけどよかった
2024/01/27 19:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:恵恵恵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
みんな助けてくれるのがいい。
国家むかつく。
思ってたのと違う終わり方だった。
とにかくみんな助けてくれるのがよかった。
三浦と森田どうなったの?本当に死んだの?
生きててほしいいな。
国家まじむかつく。中心だけ知ってる。末端は何も知らない。結局そうなる。知らない.気を逸らされてることも知らないあいだに改憲されてるそういうのがまさに今って感じだった。
1週間かかった。最後にまた岩崎がでてきたときこの人誰だっけって思い出せなかった。歳を感じた。。
国家がムカつくから★4