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投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
一穂さんの本は、個人的に当たり外れがありますが、これは当たりでした。
ゆずとかのんが出会いと別れを繰り返しながら、互いを思いやる様子に、とても引き込まれました。
何度か、思いが溢れて涙してしまうシーンもあったり。
ラストもすごく印象的でした。タイトルがピタっとハマりますね。
少女の友情の成長の跡
2023/04/26 15:32
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
親友、友情、腐れ縁、そんな言葉を思い浮かべながら、結珠と果遠の二人の少女の物語を読み終える。出会いと別れ、偶然の再会と一方的な別れ、そしてまた偶然の再会へと、歳を重ねて、母親のしがらみを乗り越える。子供のうちは、一人では生きていけないから、親の引くレールを進まざるを得ないけれど、その先には、自由な選択があるはずなのに、いつの間にか、しがらみにひきづられてしまう気持ちは理解できる。そのしがらみを振りほどいた後には、彼女たちにはどのような人生が待っているのか。心に残る物語でした。
光のとこにいてね
2023/07/15 20:28
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投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後の余韻がすごい。
終盤、思わぬ展開で困惑しっぱなしでしたが、疾走感のあるラストシーンは、なんだかキラキラしていて鬱陶しいほど眩しい砂浜と海がパッと眼前に広がるようでした。ドキドキした。
言葉で表せないもの
2023/03/23 18:53
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投稿者:ハルカゼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小さなきっかけで出会った彼女達は自分には無いものを持つ相手に惹かれていく-友情ではない、しかし恋愛でもない、離れていてもいつも心のどこかにいて何者にも変えられない存在-読み進めていくといつしかこの二人のような関係に憧れを抱いていた。
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
同い年の違う環境に育った二人が、ひょんなきっかけから友だちに。
でも人目のある所では親しさを隠したり、不思議な関係。
離れても離れても忘れられない存在。
因縁というか、魂の根底で双子だったのかなあ・・・なんて思いながら読んだ。
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投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
一穂さんの小説は昨年初めて、スモールワールドを読み、力のある書き手だと思いました。そして、昨年に引き続き直木賞候補作となった本作をとても楽しみにしていました。直木賞の選評にもありましたが、二視点の小説としては、凪良ゆうさんと重なってしまったこともあり、両作を比較されたことも、結果に繋がらなかったようです。
それでも冒頭の二人の主人公の出会いのシーンは、本当に素晴らしく、描写の確かさが光っていました。が、しかし、後半に向かって急に不安定なジェットコースターのように、ガタガタとストーリーが、歪になり、無理な設定となってしまった気がします。二人の主人公のキャラがリンクしすぎて、破綻しているように感じました。本当になぜ?と言いたくなるような残念な結末にちょっと驚きました。
凪良さんの作品にも感じられましたが、あまりにもあれもこれもと詰め込みすぎて、最後に無理矢理おさめた感じが拭えなかったです。ただ、随所に見られる描写の確かさはあり、本当に残念だと思いました。次回作に期待したいです。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古びた団地で偏った母に縛られる少女と、裕福だけど無機質な母に怯える少女。抗えない運命に沈みながらも、僅かに重なった時の中で不器用な心を通わせていく秘めた物語。正反対の境遇や性格だからこそ偶然の一致を特別と思い込んでしまう幼さや、潔癖にも似た距離感を、460頁超えとは思えない柔らかさと繊細さで包んでいて心地好く読めた。
自分では選ばせてもらえなかった結珠と、選択肢すらなかった果遠、なんだかんだ二人とも大事な選択から逃げたい時に浮かべる理想郷の様なものにも感じ、少し綺麗過ぎる気もした。
『光のとこにいてね』というタイトルの温かみを作中で何度も色を変え味わえたのがとても良かった。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
結珠と果の二人、出会いますが、何もかもが違っています。まず、住む世界。そして、着るものも食べる物も……。しかし、結珠と果の生きてきた25年が重くて、重くて……。一読してみてください
不幸の連なりと偶然と
2023/08/12 11:39
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後感は悪くはないけど、完全に作られた持っていうか、
そう感じるように仕向けられた感じだからなあ。
評価する人の気持ちは分かるけど、ちょっとなあ。
私には向かない本
2023/07/01 09:50
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投稿者:モモタンタン - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞の書評にも載っていたので、期待して読んだのですが。
正直、読むのを止めようと何度思ったことか!
登場人物の誰にも感情移入出来ない、これが一番の理由。
主人公の二人の女性が、なぜ?ここまでお互いにひかれるかがわからない。
夫婦の訳ありの理由も既視感があり、なーんだと思った。
レビューの評価はいいので、多分好みの問題なのでしょう。
私には合わない作品でした。
途中から、ラストから読みはじめた位(笑)
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一目惚れだったんだろうな。
いくら幼い頃に数回会って遊んだからと言って、何が何でも会いたいと思える人ってそういない。
ましてやその人を、微かな記憶を頼りに追いかけるなんて。
しっかりしていた結珠と世間を知らなかった果遠がいつの間にか立場が逆転していて、結珠の抑圧された状況は読んでいて辛かった。
別に家族に無視されているとかではなく、ちゃんと良い生活を送ることができている。
でも、家族から興味を向けられないというのは、何より辛いことだと思う。
果遠もなかなかに難しい母を持ち、大変そうではあったが、彼女は自ら道を切り開いて行ける人だ。
その行動力には目を瞠ったが、結珠への気持ちはあえて抑えていたと思う。
それでも互いに大事な存在だったところが運命的としか言えない。
この話を「女性同士の恋愛小説」とくくってしまうのは勿体ない気がする。
恋愛というより、魂の繋がりのような…なんと言って良いかよく分からない。
大分遠回りしてしまったけれど、もう彼女たちが離れることはないのではないだろうか。
果遠が光の中の結珠を見守るばかりではなく、自分も光の中へ足を踏み出すことができれば。
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この作品はお互いに惹かれ合う二人の女性の物語です。
小瀧結珠(こたきゆず)と校倉果遠(あぜくらかのん)はお互いに小学校二年生、7歳の時に出会い友だちになります。
けれど果遠は「光りのとこにいてね」と言っていってしまいます。
そして結珠は高校一年、15歳の時果遠に再会します。
果遠は結珠の通うS女子高校に編入してきた特待生でした。
そしてまた果遠は母親に連れられて夜逃げをし、ある日突然転校していってしまいます。
そして、10年以上。
結珠は小学校の教師を休職し、藤野素生と結婚しています。
引っ越し先の家の近くのスナックで偶然、結珠は果遠に再度出逢います。
果遠も消防士の海坂水人と結婚して娘の瀬々がいます。
ー光りのとこにいてね、という言葉で私を縫い止め行ってしまったあの子。
ー私は、ひどい人間だ。わかろうとしないで、と叫びたかった。私のことを知ろうとしないで。踏み込まないで。あなたが入る余地はない。本当の私を知っているのは、世界であの子だけでいい。
ー何もいらないんだ。と私は思った。お菓子もココアも居心地のいいお店も。一緒にさえいられれば、他には何も。でもそのたったひとつが、いつだって私たちには難しかった。
ーいつかまた、約束もなく会えるのを楽しみにしてる。次は三十年後とかかな?
ー光りのとこにいてね。
以下、個人的な打ち明け話なので、ご興味がない方はスルーしてください。
私も1度だけ同性を好きになったことがあります。
誤解のないように言えば私は同性愛者では全くありません。
間違えたのです。
小学校六年生の時、転校先の小学校で隣りのクラスの女子生徒を男子だと思い好きになってしまいました。
中学も同じでしたが、また隣のクラスにしかなれませんでした。
でも、彼女は何度もクラスが変わっても、休み時間になると私のクラスにやってきたのです。
彼女は、中学校にスカートではなくスラックスを履いて登校してきていました。
その時は昔だったので、そんな言葉はなかったのですが、今になって思えば彼女は性同一障害だったのではないかと思います。
小学校の時はサッカースポーツ少年団に入っていたし、中学ではバスケ部で、運動神経がもの凄くよかったです。
私のことも、名前を教えたことはないのに○○ちゃんと下の名前で気軽に呼ばれたときは驚きました。
彼女は周りに友だちを作るのが非常に上手く、男子からも女子からも好かれる人たらしだったと思います。
でも、私にはちょっとした自惚れがあります。
私は、自分の大人しかった性格のせいで彼女と親しく口をきいたことがそれほどありませんが、今考えてみると、彼女の本命は私だったような気がするのです。
彼女は何度クラスが変わっても私のいるクラスにやってきました。そして私が絵を描いていれば「○○ちゃん、何描いてるのみせて~」とかちょっとちょっかいをかけていってしまうのです。
私の中3の時の転校で彼女とは何の連絡もとれなくなり、私と彼女には再会なんてロマンティックなものはありませんでした。
ただ、大学卒業後、新卒で私は大手企業に就職したので、同期に中1の時の同級生がいて、彼女と私の話が流出したことがありました。何で今ごろそんなと思いました。
でも、結珠と果遠のように偶然再会しても(あるわけないけど)今だったら、私は今の生活を手放すことはしません。
でも、この作品を読んでいる間中、彼女のことをとても懐かしく思い出していました。
私も彼女には光のところにいてほしいと思います。
結珠と果遠は女性は男性より弱き故に強く惹かれ合いお互いを選んだような気がします。
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角が立つ言い方かもしれないし、語弊があるとは思うんだけど、読みながら思ったのは「ずうっとBL書いているとこういう話を書きたくなるのかもしれない(そしてそれはわかる)」ということと、一穂さんの性癖というかサビはこういう「どうしようもなさ」なんだなということでした。ふつうに生きていたら出逢うはずのない二人の少女が「出遭ってしまった」。幼少期編「羽のところ」、思春期編「雨のところ」、大人編「光のところ」。突然出逢い、唐突に引き離される。互いによって翻弄される人生。なぜだかわからないけど相手じゃなきゃだめ。嫌な意味でなく、一穂さんのこれまでの作品のいくつかが浮かびました。BLだとどうしても恋愛に落とし込まなくてはいけないところを、もっと豊かな意味合いのある絆として描けた。友情でもない、恋愛でもない、名前のつけられない、でも唯一無二でものすごく強靭な結びつき。男同士の性愛をさんざん書いてきた一穂さんだからこその境地だと思う。
一穂さんのBL作品に出てくる女の子が私はとても好きになることが多かったんだけど、今回もそれ。チサさーん! スピンオフよすぎませんでした? 文庫には入るかなぁ。あれを読めないと勿体なさすぎる。男子は藤野、よかったなぁ。さすが『光のところ』を割り当てられるだけありましたね。主人公二人の、言ってしまえば湿っぽいドラマにいい距離感で立ってた。藤野サイドの話も読みたいな。
あと相変わらずキーアイテムの回収が抜群にお上手。防犯ブザーは唸ったなぁ。最初にラストの山場から考えてお話捏ねられるのだろうか。いくつかインタビュー出回っているから聴いてきたい。
『スモールワールズ』が直木賞を候補で止まった要因は短編集だったことと初エントリーだったことが大きいと思う。なので、今回はけっこう期待を大にしています。獲ってほしい。好き作家の原稿料が上がってほしい……。でも『光のとこにいてね』、獲れる気がとてもしちゃう。そもそもタイトルが強いですよね。
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泣きたいようで、微笑ましくて、色々な方向に感情がぐわんぐわんと揺さぶられました。
追いついてほしい
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5冊目の一穂ミチさん。
小学2年生の結珠(ゆず)と果遠(かのん)…古びた団地の片隅で二人は出会った。1週間に一度、30分間だけの誰にも内緒の二人だけの時間。
育ってきた環境も性格もまったく違う二人が、突然の別れと再会を繰り返しながらも、どうしようもなく惹かれ合う…。
いやぁ〜、、、、、、、、、、なんだろう、感想めっちゃ難しいです。この気持ちをうまく言葉にできません。
やっぱり一穂さんすごいなぁ。
二人の女の子の、友情ではなく、恋…でもなく、まさに魂が惹かれあうってこういうこと?
タイトルの「光のとこにいてね」という純粋な気持ちが、切なくて美しくて苦しい。
ラスト…結局この後どうなるの?どうするの?と、読者に想像の余地を残す終わり方で、私はこういう終わり方はすっきりせずあまり好きではないんですが、それでも今まで読んだ一穂さんの中で一番好きでした。
そういえば作中に出てきた海の写真…ギュスターヴ・ル・グレイって実在の写真家なんですね〜。検索すると作品も見れました。
あと本州最南端って和歌山県にあるんですね、いつか行ってみたいです。