海辺のカフカ(下)(新潮文庫)
著者 村上春樹
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助け...
海辺のカフカ(下)(新潮文庫)
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商品説明
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
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やっぱりすごい!!
2007/11/21 23:40
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻からかけられたなぞかけが、
どんどん結末にむかって
つながっていく。
このさまがさすが、という感じです。
上巻で、わたしは、
「この田村カフカという少年は、15歳にしてはあまりにも言葉をもちすぎている。」
と感じたが、
それもだんだん腑に落ちてくる。
あまりにも言葉をもっている田村カフカと、
あまりにも言葉をもっていないナカタさんの話なのである。
村上春樹にしては、
すごく明るい作品だという印象が、
ひたすら残った。
これだけの大きな展開を組み立てられるというのは、
やはり作者の腕だと思う。
物語は、ファンタジー??
2008/11/16 08:08
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語は、ファンタジー??
少年は、導かれるように四国の図書館にたどり着きます。これは運命。
物語が進むにつれ、少年の心の奥底に、ある感情があることに気がつきます。
母親への思い。
少年時代にもっとも愛すべき存在が母である以上、その母の存在を超えなければ大人になれない、ということなのでしょうか?
しかし、同時に母を超えた瞬間、セピア色の記憶にもやがかかります。確実にそこにある記憶。でも遠い記憶になってしまう。
物語の終わりは、少年が東京に帰るところです。
少年であるゆえにお話ができた、いろいろな変わった人たちとの別れ。
そして、大人になったときには、新しい世界がそこにはあるのでしょう。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
読み始めは重いのですが…その2
2019/07/13 14:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「下」は「え!?こんな展開???」ファンタジーなのかでも何か現実味もあり…上手く表現は出来ませんが。。。
ナカタさんと星野さんの関係が何となくほっこりしてて良いんですよね。
ただ想定外な最後があり…。最後まで読んで、ああこうゆう事か…と。
村上春樹氏の傑作中の傑作です!
2019/01/04 10:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、村上春樹氏の作品です。私は、村上氏の作品の中ではこの「海辺のカフカ」が最高に好きで、何度も読み返しています。四国の図書館についたカフカ少年が出会ったものとは何だったのでしょうか。カフカ少年の世界と他の世界が織りなす非常に魅力にあふれた作品です。ぜひ、村上作品の描く独特な世界を分かっていただくためにも、多くの人に読んでいただきたい一冊です。
世界で一番タフな中学生
2017/02/24 08:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆん - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めての村上作品で海辺のカフカを選びましたが、私にとっては正解でした。扱うテーマが生と死という普遍的なもので、多くの台詞に共感を覚えることがありました。
主人公は、孤独を背負った中学生の少年。絶対に、現実にはこんな男の子いません(笑)ナカタさんというおじいさんも現実離れしていますが、彼の出てくるシーンと少年のシーンが交互に入れ替わり、奥行きのある世界観が構成されていました。
舞台となる四国の描写が魅力的で、足を運びたくなりました。
読ませる文章
2023/06/27 14:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱりとてもおもしろい。 示唆に富んでいるが、説教くささはまったくないです。 そして、教養の深いこと。
村上作品
2020/01/10 21:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹さんの作品をそんなにたくさん読んでいたり、ましてやいわゆるハルキストでもないのですが、1Q84や騎士団殺しと通じる村上作品の第表作だと思います。
ナカタさんにはまってしまった
2019/08/06 22:08
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公・田村カフカは夏目漱石の「坑夫」を読んだ感想として「なんだか不思議な気持ちがしました。この小説はいったいなにを言いたいんだろうって。でもなんていうのかな、そういう『なにを言いたいのかわからない』という部分が不思議に心に残るんだ。うまく説明できないけど」と大島に語っている。三四郎は物語で中で成長していくがこの主人公は成長しない。私が「坑夫」を読んでいてなぜおもしろく思ったのかをカフカ君に説明してもらったような気がする。この小説の中で私が一番心を動かされたのはなんといっても戦争で記憶のすべてを失ってしまった男、ナカタさんだった。彼には最後時を読めるようになってもらいたかったがインテリにもどったナカタさんというのも見たくなかったし結末としては納得
名作
2016/02/23 20:42
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投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて本書を手にしたのは主人公と同じ15歳の時。今回は再読、といっても「海辺のカフカ」という表題がどういった意味で付けられたのか忘れてしまっていたくらい記憶が曖昧になっていたので、新鮮に読めた。主人公が念入りに体を清潔にしたり鍛えるといった行為が好き。村上さんの他作品でもよくこの行為は行われるけど、同じ行為をしたくなる魅力がある。この感想は15の時も今読んだ瞬間も変わらない。
ナカタさん
2015/08/30 11:17
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投稿者:shu_2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナカタさんの言動、行動がおもしろい。
ナカタさん中心のスピンオフ作品がみてみたい。
「書を捨てず街に出る人々」と「書を捨てて街から出る人々」のものがたり
2007/02/06 16:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:緑龍館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻はただ面白く、次の展開がどうなるのかに心惹かれて読み進めましたが、下巻でもこの本の引き付ける力は少しも衰えることなく最後まで続きます。しかし下巻の後半部は、少し展開の速度が速くなり過ぎではないだろうか。あるいは徹夜で読んでしまったせいで、ぼくがそう感じるだけなのかも知れない。
人物造形の魅力、先の予測が付かないプロットの展開とともに、文章も平易で大変読み易いのですが、読み終わって我に返ると、非常に難しい本です。後半部、どんどん引かれて本の中に没入して行った末に、いつの間にか迷宮の奥深く迷い込み、途方に暮れる自分を見つけることになります。読了しても自分の中で決着が付きません。この本の意味をどう捉えるかは、人様々だと思うのですが、読後にその探求を、読んだ者に強いる力のある本だと思います。
文庫本につきものの解説もないのは、村上春樹は、自分の本と読者の間に、他の誰も入って欲しくないんだろうな、とか思いました。以下は、本書を読んでのぼくの個人的な覚え書き。ネタばれではありませんが、まだ本書を読む前の方には、読むことをお勧めしません。
大島さんは、カフカに最後に伝えます。
「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける ・・・ 大事な機会や可能性や、取りかえしのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある。きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。・・・ 言い換えるなら、君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」
ひろっちさんの書評に、『村上春樹は「書を捨て街に出よう」などとは言わない』という一文がありましたが、カフカは、「書を捨てず街に出る」ことを選んだのだと思います。佐伯さんや森深く住む人々は、「書を捨てて街から出る」ことを選択したのでしょう。
「書」とは、例えば失ってしまった大事なもの。
「図書館」とは失ってしまった自分のこころの一部を容れておく場所。
カフカは、失ったものに対する自分の思いと正面から向き合い、この世界に相対することにしたのです。
森深く住む人々は、失ったことに耐え切れず図書館の扉を閉め、この世界にも背を向けました。
しかしジョニー・ウォーカーさんは、自分が失ったもの、失ったことを認められず、それを取り戻そうとしたのでしょう。他の人から力ずくで奪い取ることによって。
カフカは森の中の村に来て、何が狙われているのかを知ることになります。だからこそ、彼の分身、想念である「カラスと呼ばれる少年」も、それを阻止しようと、佐伯さんを守ろうとして、自分にそれが不可能であることを充分承知しながらも、ジョニー・ウォーカーさんに戦い挑むしかなかったのでしょう。
ナカタさんは、幼い頃、「自分」と一緒に心の中の書架までも失ってしまいました。だからこそジョニー・ウォーカーさんは、ナカタさんを選んだのでしょう。からっぽの容れ物であるナカタさんは、ある意味では彼自身が書架なのです。その故にナカタさんは、カフカでもありうるし、ネコでもあり、石でもある。でもこの世界の全てをありのままに受け容れる姿は、とても美しく、ひとのこころを揺さぶります。
ぼくには、この本が「癒し」や「救い」の本だとは思えません。カフカの静かな戦いは、これから始まるのだと思います。
この間
2021/08/09 09:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この間の雷が夜中鳴りまくっている日がありましたが、ひょっとしてどこかで「入り口」が開いたのかしら?なんて思っていました。
物語の入り口はけっこう身近にあるのかも。
タフな15歳
2014/02/23 21:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねじまき鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
3度目の読了。 とにかく、読みやすいですね。
カフカくんは、ちょっとシッカリしずぎかな。 それに比べて、ナカタさんの章がとっても面白く、ホシノくんもいい味出してました。
しかし、3回読んでも答えは出ず。 まっ答えを求めてはいませんが。 素敵な時間を過ごせました。 また、読みたいです。
そして主人公は出発点にたどり着く
2008/06/07 17:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはりナカタさんと星野青年の魅力には、抗いがたいものがある。それは、ずいぶんとポジティブな力を、『海辺のカフカ』の読者に与えてくれる者のように思われる。ただし、それをもって、この少年カフカが救われていくのは、物語世界内の論理であることはわかるのだが、いささか都合のいい展開に感じられてしまう。
もちろん、少年カフカ自体も、いくつかのタイプの「自己との戦い」をくぐり抜けはする。村上文学で繰り返し書かれてきた「森」での出来事などは、その代表と見なしうるが、問題なのは、そこで何が起こったかということである。もちろん、本書は小説なのだから、どのような書き方をしてもいいのだが、やはり村上文学らしく「隠喩」で書かれるそれでは、いったい少年カフカが何と向き合い、何を乗り越えたのか、全くわからない。わからないままに、結末で少年カフカは、この物語の出発点にたどり着く。
いま「たどり着く」と書いたが、果たしてこれは、何かしらプロセスを経たポジティブな変化の帰結なのか、にわかには判断しがたい。見ようによっては、何とも向き合わず、何をも乗り越えなかった少年カフカが、再びスタート地点に戻された「だけ」のようにもみえる。むしろ、自体を客観的に分析すれば、そうした見方の方が自然なはずである。
しかし、新聞紙上の書評でもそうだったと記憶するが、本書から、多くの識者が〈癒し〉を感じ〈勇気〉をもらったのだという。この結末の解釈は、本書、さらには村上春樹の現在を評価する分水嶺となるだろう。
結局ファンタジーだったということ?
2022/08/20 09:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナカタさんは入口の石を見つけて、ホシノくんの助けを得て佐伯さんに出会い、ミッションを終えて力尽き、ホシノくんが入口の石をひっくり返して解決、カフカくんは家に帰るという結末。結局、佐伯さんはカフカくんの母親だったのか、よくわからなかったです。観念がどうとかいう部分があったりして哲学的のような、ファンタジーのような不思議な小説でした。ベートーヴェンの「大公トリオ」が出てきて、聴いてみたくなりました。