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  • 販売開始日: 2021/06/24
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • ISBN:978-4-10-101432-6
一般書

火のないところに煙は(新潮文庫)

著者 芦沢央

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。...

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火のないところに煙は(新潮文庫)

税込 649 5pt

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商品説明

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(解説・千街晶之)

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書店員レビュー

終わらない怪異

ジュンク堂書店福岡店スタッフさん

ふと、煙に吸い寄せられただけ。
少しだけ扉をひらいてしまっただけ。
それにしては、あまりに容赦がない。

本著『火のないところに煙は』は作者である芦沢央氏自身が登場するフェイクドキュメンタリー風の連作短編小説であり、
普段は実話怪談専門だ、という方にも自信をもっておすすめしたい、良質なホラーミステリ作品である。
「小説家芦沢央」の元に集まった怪異は理不尽さと不可解さに満ちていて、
最終話をよみながら、耐えきれず途中で何度もページをめくりなおした。

いちどはじめてしまったこの物語は、そう簡単には終わらない。
不穏の底へとぐいぐいひきずりこんで、いやな予感がするころにはもう手遅れだ。
あのひともこのひとも、とうに巻き込まれてしまったあとなのだから。
恐怖は自分の後ろで佇んで、こちらが振り返るのをじっと待っている。

この物語があくまでフィクションである、ということに胸をなでおろしているが、
心の中に巣食うざらりとした疑念は、どうしてもしばらく払拭することができなかった。
読了後はぜひ裏表紙の血痕についても注目していただきたい。

みんなのレビュー310件

みんなの評価3.8

評価内訳

え?コレ、ちょコワっつ・・・って感じ。

2022/03/18 20:07

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリーとホラーを加えて実話っぽく展開。これがジンワりと怖いんですよ。
でも、読み終えたらすぐ読み返したくなる。そして、ジンワりを再び味わう。

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読み終えてもゾクゾクが続く

2021/10/31 07:17

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る

連作短編ホラー・ミステリー小説。
虚実不明なこの作品、とても面白いかったです。
また、本全体の仕掛けもとてもいいなと思いました。

さらに初回限定特典のカバー裏、掌編を二作読めるというのも嬉しかったです。

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怖い

2023/10/29 21:31

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kunkun - この投稿者のレビュー一覧を見る

特に幽霊が出てくるようなホラーではありませんが、ぞわっと怖さが襲ってくる本です。読者をひきつけるプロットが巧みだなあと思いました。

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縁結び(怖)

2022/10/23 14:31

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:マンゴスチン - この投稿者のレビュー一覧を見る

普段のミステリー小説と違って論理的根拠は求めず得体の知れないものに怖さを感じる、ある種のイヤミスなのかも知れない。
ホラー苦手な私には普通に怖かった。背後を気にしながら読んだ。
私にも「縁」ができてしまったかも、、こわ。

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ゾクゾクしました

2022/09/18 19:29

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりにゾクゾクするミステリーを堪能出来ました。新潮社のある神楽坂から話が始まり、「神楽坂の母」という占い師など非常にリアリティがあり、自分も巻き込まれたかのような臨場感があります。一番怖いのは人の心なのでしょうか。他の作品も読んでみたくなりました。

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これは

2022/09/02 05:19

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る

つい実話なのではと疑ってしまう、それくらいリアルが紛れこんでいる感じがして、ついライターさんの身を案じてしまった。
結局は人が怖い系が好きな人にもハマるんじゃないかなってものもあったし、実際自分はこれくらいの怪談が好きだなと思いました。

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タイトルからいい!

2022/07/16 09:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:グラロー - この投稿者のレビュー一覧を見る

じわじわと引き寄せられるホラー作品。オムニバス形式で構成されているが繋がりがどことなく感じるものになっている。
芦沢先生の本は読んだことがなかったので次の作品も読んでみたい。

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しみじみ怖い

2022/04/10 13:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケイ - この投稿者のレビュー一覧を見る

フェイクドキュメンタリーだとわかっていても、本当にあったことのような気がしてしみじみ怖いです。
それぞれ別の話のようで、つながってるようで、怪異のような、祟りのような。
あれ、どこかで聞いたフレーズ…?もしかして…!となった時にゾクゾクっとして、読み返して…読み返すたびに「仕掛け」がすごいなあと感心させられました。

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作者とラップすら作品の『私』

2021/12/26 02:52

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る

ホラーのようなホラーでないような。連作短編であるようなないような。なんともいえない余韻の残るホラー(一応)短編集。一話一話の内容が、結構濃密で、読んでいて、なんとなく三津田信三さんの作品を思い出しました。この一つひとつの短編だけでも楽しめましたが、最終話を読めば、この話はどこまでが本当に作者が体験したことで、どこまでが創作なのか?という楽しみが得られます。それを考えると、リアリティが増して怖かったです。

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☆火のないところに煙は・・・☆

2024/04/15 18:54

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る

【染み】
ホラー作品の執筆依頼を受ける《私》は、どうしても気が乗らない。というのも、荷物置き場の奥に仕舞っている《染みつきのポスター》がまとわりついてくるからだ。
といっても、ポスターに関する心霊現象ではない。友人の友人が悩んでいる結婚に関し助言をした、《神楽坂の母と言われる占い師》の存在だ。最初は、占いで結婚を否定された腹いせに、当時付き合っていた彼氏の執拗さから出る恐怖体験かと思いきや・・・ オカルトライターの推理に、彼氏の訴えの意図、そして、《神楽坂の母と言われる占い師》の超然たる力に、どことない怖ろしさを感じてしまう。

【お祓いを頼む女】
これは、《私》を昔から気にかけてくれている君子さんが、昔体験した話だ。
雑食系ライターの君子さんのもとに、ファンだと名乗る女性が押しかけてくる。それも、「私達は祟られているから、お祓いをしてほしい。」と。話を聞けば、夫は交通事故に遭い、息子は夜中に突然姿を消したことがあるという。女性にしてみれば、狛犬に祟られてしまったと思っているのだが、話を聞いても乗り気にならない君子さん。たまたま電話をかけてきた榊さんに話をすると、夫と息子の間には、交通事故で接点があるようで・・・
結果として榊さんの推理が当たった形だが、後日、その女性は火事で亡くなってしまい、息子の謎の幻聴も、解決されないままとなってしまった。

【妄言】
これは、榊さんが世に出すかどうか迷った作品だ。
ある新婚さんが一軒家を購入することに。中古物件だったが、自分達の理想に近く、また、ご近所さんも優しい方だったことから、購入し、住み始めた。軈て子を身籠り、ご近所さんも協力してくれたのだが・・・ ある日、そのご近所さんが新婚の夫の不倫について語りだす。
当初は妄言だと思われた発言が、軈て殺人事件を引き起こす。
後日、事件について調書を見る機会があったが、ご近所さんの発言は、妄言だったのか、予言だったのか・・・

【助けてって言ったのに】
ある若夫婦の奥さんは、義母と住み始めてから、火事に関する夢を見るようになった。それも、すごくリアルな夢だ。そして、その夢は、段々と体を蝕んでいく。
しかし、その夢に悩まされていたのは、奥さんだけではなかった。嘗て、義母も同じ夢で悩まされていた。
その夢の正体は何なのか? そして、榊さんは、その若夫婦の真実をも探り当てる。

【誰かの怪異】
大学1年生の男は、あるアパートに住んでいた。文句ない物件だったが、風呂場の長い髪の毛や、鏡に映る女性に気が滅入っていた。仕方なく同級生に話をすると、霊感の強い人物を同行し、盛り塩等の対策を取った。しかし、その夜、霊の力が強まり、いつの間にか、御札や盛り塩が壊されていた。
一体、誰の仕業なのだろうか?
誰かの怪異は、誰かの願いでもある。

【禁忌】
無事に5つの作品を書き上げた《私》に、榊さんから連絡が入る。
そこから徐々につながるピース。
全てに、《神楽坂の母と言われる占い師》が絡んでいるのだろうか・・・

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☆火のないところに煙は・・・☆

2024/04/15 18:53

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る

【染み】
ホラー作品の執筆依頼を受ける《私》は、どうしても気が乗らない。というのも、荷物置き場の奥に仕舞っている《染みつきのポスター》がまとわりついてくるからだ。
といっても、ポスターに関する心霊現象ではない。友人の友人が悩んでいる結婚に関し助言をした、《神楽坂の母と言われる占い師》の存在だ。最初は、占いで結婚を否定された腹いせに、当時付き合っていた彼氏の執拗さから出る恐怖体験かと思いきや・・・ オカルトライターの推理に、彼氏の訴えの意図、そして、《神楽坂の母と言われる占い師》の超然たる力に、どことない怖ろしさを感じてしまう。

【お祓いを頼む女】
これは、《私》を昔から気にかけてくれている君子さんが、昔体験した話だ。
雑食系ライターの君子さんのもとに、ファンだと名乗る女性が押しかけてくる。それも、「私達は祟られているから、お祓いをしてほしい。」と。話を聞けば、夫は交通事故に遭い、息子は夜中に突然姿を消したことがあるという。女性にしてみれば、狛犬に祟られてしまったと思っているのだが、話を聞いても乗り気にならない君子さん。たまたま電話をかけてきた榊さんに話をすると、夫と息子の間には、交通事故で接点があるようで・・・
結果として榊さんの推理が当たった形だが、後日、その女性は火事で亡くなってしまい、息子の謎の幻聴も、解決されないままとなってしまった。

【妄言】
これは、榊さんが世に出すかどうか迷った作品だ。
ある新婚さんが一軒家を購入することに。中古物件だったが、自分達の理想に近く、また、ご近所さんも優しい方だったことから、購入し、住み始めた。軈て子を身籠り、ご近所さんも協力してくれたのだが・・・ ある日、そのご近所さんが新婚の夫の不倫について語りだす。
当初は妄言だと思われた発言が、軈て殺人事件を引き起こす。
後日、事件について調書を見る機会があったが、ご近所さんの発言は、妄言だったのか、予言だったのか・・・

【助けてって言ったのに】
ある若夫婦の奥さんは、義母と住み始めてから、火事に関する夢を見るようになった。それも、すごくリアルな夢だ。そして、その夢は、段々と体を蝕んでいく。
しかし、その夢に悩まされていたのは、奥さんだけではなかった。嘗て、義母も同じ夢で悩まされていた。
その夢の正体は何なのか? そして、榊さんは、その若夫婦の真実をも探り当てる。

【誰かの怪異】
大学1年生の男は、あるアパートに住んでいた。文句ない物件だったが、風呂場の長い髪の毛や、鏡に映る女性に気が滅入っていた。仕方なく同級生に話をすると、霊感の強い人物を同行し、盛り塩等の対策を取った。しかし、その夜、霊の力が強まり、いつの間にか、御札や盛り塩が壊されていた。
一体、誰の仕業なのだろうか?
誰かの怪異は、誰かの願いでもある。

【禁忌】
無事に5つの作品を書き上げた《私》に、榊さんから連絡が入る。
そこから徐々につながるピース。
全てに、《神楽坂の母と言われる占い師》が絡んでいるのだろうか・・・

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ぞーっとする短編集

2021/10/09 18:14

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者が『許されようとは思いません』を脱稿した後に新たに持ち込まれた企画に応えて自身の経験した怪談話や周囲から聞いた怪談話を書き綴っていくという体裁の短編集。そういう体裁をとっているところが面白いと思いました。怪談自体はぞーっとしますが、夜読んでも眠れないほど怖くはなかったです。

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可もなく不可もなく

2021/09/01 04:04

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る

フェイクドキュメンタリーとしての作り込みは力が入っているし、ミステリー要素や魅力的なキャラで飽きさせないが、ややこぢんまりとまとまっている印象だった。ホラーに分類される作品の中では刺激や怖さが控えめなので同ジャンルの中では人に薦めやすいものかもしれない。

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ミステリー×怪異

2021/07/26 17:14

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る

近所の神楽坂が舞台の怪談。場所がリアルなので、面白い。実話系怪談の面目躍如ということか。
本当によく出来たストーリーで、全話を読んで浮かび上がるものがある展開は、作者の巧さを感じさせられる。ちと、親子2代を呪う夢の中の女性霊というのは、何年前から、その占い師活動してんねんという感じで、無理矢理なこじつけもあった様にも思えたけども、そのへんの整理されきれてないところが、ミステリーの手法で怪談を現実に落とし込んだ結果なのかもしれない。
只、帯の煽り文句ほど怖くなかったのは、想像力が乏しいおっさんの自分の感性だからかもしれない。

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最終話の

2021/09/02 05:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

禁忌、ですべてがおさまる形の連作集です。ミステリー小説の類いなのですが、ホラー小説の要素もアリアリで、コワイ部類がキライな方は、どうでしょうか……。自分はそこが……

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