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商品説明
【高校生直木賞(第6回)】沈黙読書会で見かけた奇妙な本「熱帯」。それは、どうしても「読み終えられない本」だった−。結末を求めて悶えるメンバーが集結し、世紀の謎に挑む! ウェブ文芸誌『マトグロッソ』掲載に書き下ろしを加えて書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……。
幻の本をめぐる冒険はいつしか妄想の大海原を駆けめぐり、謎の源流へ!
我ながら呆れるような怪作である――森見登美彦【商品解説】
著者紹介
森見登美彦
- 略歴
- 〈森見登美彦〉1979年奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。「太陽の塔」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞。
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紙の本
そうなんだ
2019/01/03 13:08
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞候補なんだ。過去に森見さんの作品は何冊か読んだけど、どうも難しい。アニメや舞台化されて見に行ったが、うーん。
しかし、もし賞をとればわかりやすく解説してくれる方が現れるはずだ!
電子書籍
とてつもない大作
2020/11/30 23:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
「熱帯」という本の謎を解き明かすミステリチックな小説ですが、描かれる世界が独特でした。千夜一夜のようにいつのまにか物語世界の中に引き込まれそうになります。後半はめまいがするぐらい不可思議な展開となり、読者は混乱の渦に巻き込まれるでしょう。このストーリーそのものが、作中の熱帯ともいえるこの作品は、作者の壮大な思考実験でもあるような気がします。ただ、後半はやややり過ぎな感じがしないでもなく、むしろ前半のじっくりと本の謎に取り組む展開のほうが好きかな、とも思いました。
電子書籍
読んでよかった
2020/07/01 22:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ton - この投稿者のレビュー一覧を見る
100ページほど読んで、なんだか面倒になって放置していたが、ふと読んでみる気になって手にとったところ、物語世界に引き込まれて、一気に最後まで読んだ。一回読んだだけではなんだかよくわからない内容で、実際混乱している。創作論として、何か重要なことが書かれてあったような気がするのだが、どこに書いてあったのか見つけられない。再読したい本のリストに入れておく。元ネタの『千一夜物語』もいつか読みたい。
紙の本
森見登美彦『熱帯』
2020/04/09 15:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:み - この投稿者のレビュー一覧を見る
【若干のネタバレを含む】
2020年4月現在で、森見登美彦先生の最新作。著者のインタビューによれば、2010〜11年に連載していたものの、途中で書き悩み、2017年から書き直しと後半部分の書き直しをしたという。
本書は、500ページ以上にもおよぶ長編小説である。アラビアン・ナイトをテーマにしつつ、忽然と所有者の手元から消える謎の本を探し求めて、人々が冒険する姿が描かれている。物語の中では、度重なる入れ子構造と張り巡らされた伏線が特徴的であった。もし読書メモなんてしながら読んでいたら、却って混乱してしまうほど、思いもよらないことが伏線になっていたりする。そのような構成で組み立てられた本書は、著者も述べているように、まさに読者を惑わす「呆れるような怪作である」。本書でテーマとなっている佐山尚一『熱帯』について登場人物が述べているのと全く同様に、本書もまた、「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」と言えると思う。この「よくわからない」という感覚と、物語の意味深な終わり方によって、なんともいえない浮遊感に満たされる。
現時点で、私が読んだ小説の中で最も好きな小説が本書なのであるが、本書の特徴であるなんともいえない浮遊感を楽しむことができ、よくわらからない物語をなんとか自分なりに解釈しようとする気概のありそうな人にしか、オススメすることができない。読者の力量が試される作品なのではないかと思っている。
森見登美彦先生といえば、京都を舞台としたり、独特の世界観を持った奇妙なファンタジーを描いたりする作家だと、個人的には思っている。また、その語り口は、他のどんな作家にも似ていない独特な雰囲気を持っている(それゆえ、とっつきにくく、苦手な読者もいるのではないかと推察する)。本書は、従来の著者の作品とは若干雰囲気を異にしているように思われるが、それでもなお、随所に著者のエッセンスが感じとられる。著者の作品全般が好きな読者は、少し読み進めれば、作品に迷い込むことができるのではないかと思う。
本レビューを書くにあたり、改めて出版社の「熱帯」専用ページをみてみた。わざわざ専用のページを作るほどに、執筆もプロモーションも、力のこもっている作品であることが感じられる。本作品が連載されていた当初は、作中に登場する『熱帯』の著者、「佐山尚一」をAmazonで検索すると、購入できない幻の本が検索に引っかかるというネタが仕込まれていたらしい。
現在、専用ページでは、著者が自ら書き込みを入れた本書が一部公開されている。謎の多い本書を読み解くための鍵として、書き込みも読んでみようと思う。
紙の本
読み終わらない物語
2019/01/18 08:14
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆が進まない小説家の現実から小説の中へ、さらに物語の中へどんどん進みます。
幻の小説『熱帯』の結末を求め巡り集まった人たちが一人また一人と行方をくらます中、いつの間にか物語の世界へ。
妄想と思い出が支配する不思議な世界から抜け出したそこは・・・。
あいかわらず不思議空間を作り出す森見ワールドでした。
紙の本
逃げ水 蜃気楼 邯鄲の夢
2019/01/14 18:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは幻に名前をつけた物語なのかもしれない。
その幻に、語り部であるはずの男は物語に取り込まれたのか。
なんとも不思議な酩酊感のある作品。
出番は少ないが達磨君が可愛かった。
その後「熱帯」氏がどうなったのか。気になる。
紙の本
複雑怪奇
2020/08/18 17:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
複雑怪奇でひとを煙に巻くようなはなしでした。「熱帯」という物語を境界として現実と非現実を繰り返し行ったり来たり。そしてどんどんとその境界が不明瞭になり、自分がどちらにいるのかよく分からなくなってしまう。とにかく不思議な読後感が残りました。
紙の本
熱帯
2019/09/01 10:05
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞にノミネートされた事もありますが、ずっと読んでみたいと思っていました。熱帯という不思議な本を読んでみたいと思う反面、手に取ったらと考えると怖くなりました。京都というところには、何か不思議な出来事が似合う気がしました。
紙の本
二夜読破物語
2018/11/23 12:53
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
洗濯物を畳むとちくちくと音がするか?と突っ込みを入れながら物語のマトリョーシカを読んでいくうちに、著者の怠惰さが感染したように感じる心地よさが読後にある書。
電子書籍
電子書籍チャレンジ
2019/02/10 10:30
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あだじぇっと - この投稿者のレビュー一覧を見る
千夜一夜物語をモチーフにした、パラレルワールドもの。
先に行っちゃった人を追いかけていくスタイルは、夜は短し以来、森見さんの定番スタイルですね。
で .........
いずれ老いて視力も落ちる。
元気なうちに電子書籍に慣れておきたい。
熱帯、厚みもありそうだし チャレンジにはちょうどよかろう。
と、思ったけど、ダメだったわ。。
なんだろう、話のどの辺まで自分が潜ってきたのか?という実感みたいなものが、皆目わからず、ただただ、つるりとした字面を追わされてしまった感。
辛かった。
やっぱり、紙本かなぁ........... しくしく
電子書籍
登美彦氏、ネタに詰まりメタに逃げる…
2020/06/18 22:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめにお断りしておきます。
『夜行』の興奮そのままに期待して読むと大損食らいますよ。
注意はしたからねww
さて、ネタに詰まった挙げ句にメタに逃げ込んだ作者。
筆致も不安定、迷い込んだ「熱帯」の世界内で起こる事も、事象や事物の定義も含めて揺らぎが大きすぎる。
安易にSFやファンタジー的な空間に進んだせいか、チョンボが多い。
普段なら頭が桃色に染まった元腐れ学生ならニヤリとする言い回しも、本作では冗長に尽きる。
七つの海ならぬ七つの世界・時代を股にかけるのはいいのだが、名作古典・冒険小説の類を読んでいない方にこの手の隠喩はひたすら分かりづらいだけだ。
どうも『千一夜物語』を連想させるよぅたが、入れ子の構造は大分後世の後付け。そもそもシェヘラザード妃は『西遊記』の如来様ではありませんよ。
難解と感じるのは作者自身の消化不良によるし、読み解いても特に面白みかないのは悲しい。
さすがに職業作家として一線を超えてしまったように感じる。長く退屈なのはともかく結末が全く印象に残っていない。
同じ時間を過ごすのならそれこそ『千一夜物語』、シェヘラザード妃が語った挿話、その大胆な解釈の方がよほど闊達で面白い。
『夜行』からどうしてこうなった…。
同じ着想・構造を持つ作に荻原規子『これは王国のかぎ』を挙げておきたい。
少女小説だがこれはこれで読みごたえがある。
電子書籍
筒井康隆御大の系譜
2019/05/02 07:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
森見登美彦氏の新たな方向性と過去の作品の過渡期を感じさせる一冊。『夜行』から一歩洗練され、また同時に混沌としたなという印象だった。メタ要素や信頼できない語り手等、筒井康隆をより咀嚼しやすくしたような印象の作風で、誰も読み切ることができないという一冊の小説を巡る物語が展開される。筒井康隆御大を比較で登場させたけれども、むしろミハル・アイヴァスの『もうひとつの街』が類書か。本から始まる物語は読書好きにとって普遍のテーマであるとともにどの作品も結構苦悩の跡が見える。その中でも『記憶の国の王女』が僕は一番好き。
紙の本
迷宮に入りこむ!
2019/11/11 07:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を最後まで読んだ人間はいないと言われる『熱帯』という本の謎に迫る話。森見ワールド全開の謎と不思議な世界に案内されて、更に『千一夜物語』も絡んで、もう森見ワールド迷宮の世界だわ。登場人物が佐山尚一の『熱帯』に迷い込んだならば、自分は森見登美彦の『熱帯』に迷い込んでしまった。そんな感じかな。なぜか脳内でドラゴンボールのオープニングの歌が常に流れながら読了。数年ぶりの森見ワールドを飽きるわ!というぐらい堪能しました。
紙の本
めくるめく千夜一夜物語
2019/08/06 08:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生時代京都北白川に住んでいた自身の記憶と重なる部分がそこかしこにあり、京都を回想しながら読んだ。
しかし、場面展開が早くて、ちょっと老齢に入った私にはついていくのにはテンポが早すぎる気がしました。若い人に人気があるのは頷けます。四半世紀近く小説を読んでいなかったので、本の織りなす風景、そして時代の名著に思いを馳せながら冒険の世界を読み進める楽しみを味わうことができました。
紙の本
不思議な世界
2019/06/08 01:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の章の途中で、そういうことか、と謎が解ける。そして最後の最後にあーなるほど、となる。
前半はよくわからない感じで謎追いしていくが、途中で入った冒険物語はテンポよく、各々のキャラもよく、だるま君が可愛く、面白い。