漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説9
<太一のいない瑞沢かるた部編134首~148首>
ちはやふるストーリー 第134首 - 第138首
※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。
崩れる千早と太一の関係 ― 太一の気持ちを知るとき
ちはやふる26巻の表紙は、太一の先に千早が描かれていて、第134首~第138首の展開を正確に表現しているとも言えます。
周防名人の五連覇がかかった名人位決定戦は、10時間にもおよぶ激戦の末、周防名人の防衛で幕を閉じました。五連覇し、永世名人となって引退することを公言してきた周防名人の発言に注目が集まるなか、新が、「自分が来年周防名人を倒す」と宣言します。
公言通りに引退することを考えていた周防名人ですが、新の発言により引退については一年延びました。
そんなやりとりを前に、立ちすくむことしか出来なかった太一は、千早たちに何も告げず、一人で翌日開催の大会に出場します。そこで新との対戦を経ました。そして、千早の確実な変化に確信して、太一はついに千早に長年の想いを伝えます。
新か太一のどちらを千早は選ぶのかが、もちろん気になっていたのですが、ここで決着がついたと言っても過言ではありません。
千早と太一の関係の変化によって、瑞沢高校かるた部も大きく変わります。どの場面も見逃すことのできない章です。それぞれの登場人物にとっての新しい一歩が始まった新展開を解説していきます。
ちはやふるの見どころ・新と太一の関係編 高松宮杯での二人の対戦
テフナムの定理より
名人位決定戦の翌日の近江神宮では、高松宮杯が開催されました。その高松宮杯に、千早の姿はなく、太一が一人残って出場していました。
ところが高松宮杯の第一戦での対戦カードは、なんと新と太一という偶然が起こります。千早をめぐって対立する二人がかるたで決着をつけることになってしまいます。
ちはやふるの見どころ・菫(すみれ)編 太一を励ます菫(すみれ)
きままブログより
瑞沢高校かるた部員の一人・花野 菫(すみれ)は、もともと太一に一目惚れし、太一に近づくことが目的でかるた部に入部しました。
かるた部員のメンバーとして活動するうちに、かるたにも真剣に取り組むようになりますが、太一のことを想う気持ちは日に日に強くなっていきました。
バレンタイン当日には、チョコを渡して太一に告白しようと思っていました。太一の千早への想いに気づいていた菫は、自分の想いを太一に伝え、そして太一にも告白するよう励まします。
これまで恋愛体質の女の子というイメージだけが強い登場人物でしたが、この場面で菫の好感度が一気に上がります。「じっさいには本当にこういう行動ができるのか」と思ってしまうのは、私がちはやふるにハマり込んでいる証拠です。
ちはやふるの見どころ・太一編 太一18歳の誕生日
よろめ記より
あらすじには大きな影響を与える場面ではありませんが、面白いシーンなので紹介していきます。
このところ元気がなかった太一を喜ばせたいと考えた千早は、太一の誕生日に有志によるかるた大会を開きます。その名も「太一杯」を開催します。サプライズで招かれた主役の太一の表情です。
ちはやふるの見どころ・千早と太一の関係編 太一の告白
これ、読んだより
千早と太一は子どもの頃からずっと一緒にいました。太一は、小学生時代から千早のことをずっと想ってきましたが、自分の気持ちを抑えて、競技かるたに没頭する千早を支えてきたつもりでした。
しかし、新が千早に告白したことを知り、太一はついに自分の想いを伝えます。千早の出す答えにも目が離せません。
ちはやふるの見どころ・千早と太一の関係編 太一の退部
太一がついに長年想い続けた気持ちを千早に伝えました。
ところが千早は太一の気持ちに応えることは出来ず、二人はぎこちない関係になります。千早との関係が確実なものとなったいま、太一はかるた部を続けることは出来ないと感じます。
一方の千早は、太一の退部を知り、太一の元へ駆け寄ります。その時に太一が取った行動です。やっちまった、という感じです。
ちはやふるストーリー 第139首 - 第143首
※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。
高校三年生編 ― 新生 瑞沢高校かるた部と新の決意
ついに、ちはやふるの見どころ解説も27巻(139首から143首)までたどり着きました。
この章では、太一のいない瑞沢高校かるた部に新入生を迎えて物語が展開していきます。
太一が抜けた穴も埋めて、前に進もうとするかるた部員たちですが、千早は、太一との関係が崩れたことで思うようにかるたを取れずにいました。そして、千早も休部してしまうという、かるた部にとっての窮地が訪れます。
そんな状況下でも、かなちゃんを中心に、それぞれのやり方で新入部員との距離を縮めながら、なんとか頑張っていきます。
新は、福井県の高校で、ついにかるた部を創設しました。新の創設した藤岡東高校かるた部は、富士崎高校との練習試合をする機会に恵まれます。そこで新は、千早と太一が、かるた部を抜けてしまったことを知ります。
新にはどうしても千早と太一に伝えたい事があり、二人にメールを送ります。そのメールに新が名人戦だけではなく、チームにもこだわる理由が込められているのです。
千早と太一が抜けた瑞沢高校かるた部は、これからどうなってしまうのでしょうか。
ちはやふるの見どころ・かなちゃん編 大江奏が支える瑞沢高校かるた部
ないしょのはなしより
第139首-第143首のあらすじで解説しましたが、瑞沢高校かるた部は主将の太一が退部し、さらにエースの千早が休部することになり、存続の窮地に立たされます。
部員の誰もが動揺する中で、かなちゃんが部員たちに向けて放った言葉は、漫画でお楽しみください。
ちはやふるの見どころ・太一と周防名人編 太一の真意を見抜いていた
競技かるたを離れた太一は、ある意外な場所で周防名人と再会します。そして周防名人は太一がかるたを辞めたと聞き、太一が好きなのはかるたではなく、かるたを通して出会った仲間だったという事を伝えます。誰も気づかなかった真意を周防名人は見抜いていました。
周防名人がただの変人ではないと思わされる場面です。
ちはやふるの見どころ・新入部員 田丸(たまる)さん編
瑞沢高校かるた部が創部して三年目の春を迎えます。今年も新入生がやってきました。しかし、今年の新入生は前年以上にクセのある人物揃いでした。
新入生の中でも特に問題になるのが、かるた経験者の田丸さんです。田丸さんは、かるた経験者ということもあり、実力は高いのですが、その性格の独特さからチームに波乱を呼ぶことになります。第144首以降のネタバレになるのでここでは詳細を避けますので、ぜひ続きを楽しみにして下さい。
ちはやふるストーリー 第144首 - 第148首
※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。
高校三年生編 ― 最後の全国大会 東京都予選
千早と太一が抜けた端沢高校かるた部は、三年生にとっては最後の全国大会の東京都予選が幕を開けます。28巻の表紙に太一の姿がないことにお気付きの人も多いと思います。やはり、太一が瑞沢高校かるた部へ戻ってくることはありません。
かるた部を休部していた千早は、最後の全国大会をどうしても瑞沢高校かるた部として戦いたいと思い、試合で戦わせてほしいと部員たちに頭を下げます。
太一が抜けた瑞沢高校かるた部が、前年の優勝校としての実力を遺憾なく発揮できるのかがこの章の見どころです。
変化したのは千早・太一・新の三人の関係だけではありませんでした。かなちゃんと机くんの関係の微妙な変化と、肉まんくんの成長にも目が離せません。
ちはやふるの見どころ・新入部員 田丸(たまる)さん編 田丸さんの過去
よろめ記より
前章で少し触れましたが、新入部員の田丸さんは、とにかく「褒められたい」欲の強い女の子でした。背景には彼女の暗い過去があるのです。
全国大会東京都予選大会の一戦で、彼女の過去を知る人物と対戦することになります。そして田丸さんは調子を崩してしまいます。
田丸さんは本来の姿を取り戻し、かるたを取ることができるのでしょうか。瑞沢高校かるた部三年生にとっては最後の夏です。
ちはやふるの見どころ・机くん編 机くんの名言
「そんな簡単な人間になるな」とは、田丸さんの「褒められたい」欲求が強すぎる本質を見抜いた机くんが言った言葉です。
褒められたい欲求から、相手の言動を誘導しようとする田丸さんに、「褒められて操作される、そんな簡単な人間になるな」という厳しい言葉を田丸さんに向けます。自分もそうではないかと思ってしまうのは私だけです。はい。
ちはやふるの見どころ・肉まんくん編 肉まんくんの優しさ
全国大会東京都予選のある一戦で、田丸さんは自分の過去を知る相手と対戦します。田丸さんはその試合から調子を狂わせ、逃げ出したくなってしまいました。
田丸さんに代わり、千早が出場するべきという空気がチームに流れるなか、肉まんくんは田丸さんを励まし、チーム編成を変えないで試合に臨むことを決めます。
太一が抜けた穴をきちんと埋める肉まんくんです。
まとめ
ちはやふる第134首から第148首までのあらすじや見どころを解説しました。ネタバレになるので登場人物ごとの見どころでは詳しい解説を避けましたが、太一の退部後、休部してかるたから離れていた千早に新からのメールが届きます。
そこには、二人とまた同じ景色を見るためにチームを作ったという新の思いが込められていました。新の言葉に突き動かされ、太一の帰りを信じて前進することを決めた千早を今後に期待しましょう。
次回は、ちはやふる 29巻(H27年12月現在最新刊)のあらすじと見どころの解説をしていきます。千早たち高校三年生にとっては最後の全国大会への出場をかけた予選が展開されます。
以上、漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説9<太一のいない瑞沢高校かるた部編134首~148首>でした。
ライタープロフィール
川添 勤(かわぞえ つとむ)
1968年生まれ。2010年フォロワー数20万人超えの「ハマコーTwitter」をプロデュース。
当時、日本のTwitterフォロワー数ランキングトップテン入りに貢献する。
2011年、故浜田幸一氏の最後の本となる「YUIGON」(ポプラ社)を監修。ベストセラーとなる。
2014年2月、キッザニア日本の創業者住谷栄之資氏の「キッザニア流!体験のすすめ」監修。
2014年10月には10万部を超えるベストセラーとなったゲッターズ飯田の「運命の変え方」に企画協力。
この記事で紹介した漫画
ちはやふる(26)
周防久志の5連覇と永世名人がかかった名人位決定戦。激戦は、周防名人の防衛により幕を閉じた。5連覇して引退を公言してきた周防の発言に注目が集まる中、新は自分が来年倒しに来ると宣言。どよめきに包まれる会場で、周防は新に1年の猶予を与えたのだった。そんな二人の姿に立ち尽くす太一は、翌日開催の高松宮杯大会で新と対戦し――? 揺るぎない決意、果てしなき挑戦を誓った者たちが、新しい一年への一歩を踏み出してゆく!
ちはやふる(27)
高松宮(たかまつのみや)杯大会で新(あらた)と対戦した太一(たいち)。同じA級の土俵に立ちながらも、経験を重ねたぶんだけ知る格の違いに悔しさがこぼれる。そんな太一の笑顔を取り戻すため、千早(ちはや)が呼びかけた非公式大会「太一杯」。そこには、かるたを愛し、太一を支えてきた人たちの姿があった。数日後、部室で偶然千早と二人きりになった太一は、春の風が舞い込む中、千早と出会ってからの思いを打ち明ける。しかしそれは、別々の道をゆく始まりでもあった――。
ちはやふる(28)
太一(たいち)の退部後、自らもかるたから離れていた千早(ちはや)に新(あらた)から届いた1通のメール。そこには千早と太一、二人と同じ場所で出会うためにチームを作るという新の決意が――。思いに突き動かされ、千早が向かった先は全国大会東京都予選。しかしルール変更や奔放な新入部員に、瑞沢高校かるた部はかき乱されてしまう。かるたを手放した時間が千早にもたらす罠とは? 仲間と戦う最後の夏。全国大会東京都予選で、千早が誓う夢がある!
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