漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説8
<競技かるた最高位への挑戦編124首~133首>

ちはやふるストーリー 第124首 - 第128首

※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。

名人・クイーン戦<前半> ― クイーン若宮の苦しみ

  近江神宮行きの切符を手にした原田先生と、クイーン位奪還にかける猪熊遥六段が、それぞれ名人とクイーンへ勝負を挑みます。

ちはやふる24巻の表紙は、クイーン若宮詩暢でかざられている通り、第124首~第133首の前半は、クイーン若宮と猪熊六段との試合模様が中心に描かれています。

猪熊六段との決戦に向けて、自分の武器を最大限に磨き上げてきたクイーン若宮です。一方の猪熊六段は、ブランクを感じさせない速さで攻めてきます。白熱した試合が展開します。

試合の中盤にクイーン若宮に事件が起こります。そしてクイーン若宮は、まさかの劣勢に持ち込まれます。

はたしてクイーン若宮は立ち直り、本来の実力を発揮することが出来るのか、終始目が離せない内容です。

第124首から第128首では、恋愛の進展はほとんど描かれず、新の告白というまさかの展開(前章ご参照)は、余韻を残したままです。

ちはやふるの見どころ・周防名人編 意外な素顔

すごないマンガがすごい!より

名人位クイーン位戦に周防名人が登場するシーンです。ネタバレを避けて詳細は解説しませんが、周防名人は、ある理由のために昼夜サングラスをかけています。

サングラスの奥の表情が気になっていた「ちはやふる」ファンの人も多いと思いますが、こんな素顔です。

ちはやふるの見どころ・新と千早編 新の告白の行方

よろめ記より

前回の記事、漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説7<名人・クイーン位への挑戦編109首~123首>で書きましたが、名人位への挑戦をかけた東西対決の試合後に、新がついに千早へ自分の想いを告白します。

その後、体調を崩してクイーン・名人戦をテレビ画面で観ていた新に、千早が電話で連絡するシーンです。

ここでは千早の答えは出ていませんが、千早もまた新を意識していることが明らかです。声を聞くだけでお互いに顔を真っ赤にしてしまうという、個人的には遠い過去をついでに思い出してしまいました。

ちはやふるの見どころ・クイーン若宮編 クイーンにとって初の黒星

おとな女子マンガVIPより

元クイーン猪熊六段とのクイーン戦を戦う若宮の控室に千早が訪ねてきます。

以前、クイーン戦で「また一緒にかるたをしよう」と約束していたはずの千早が試合に参加していない理由を知ったクイーンは、精神的に崩れてしまい流れを見失ってしまうのです。

千早との約束がクイーンにとって大切なものだったという背景を感じながら読めば、一層楽しめる場面です。

また、調子を崩した若宮は、猪熊六段に1敗を喫します。若宮にとってまさかのクイーン戦での初黒星に、その後を巻き返せるのかが気になるところです。

ちはやふるの見どころ・猪熊六段編 クイーン位奪還にかける強い想い

感想とレビューのドットコムより

クイーン位奪還にかける猪熊六段の想いは、並大抵のものではありませんでした。ネタバレになりますが、なんと彼女のお腹の中には新しい命が宿っていました。

かるたをやる子ども達のために、かるたを一生好きでいる全ての女性のために、子どもがいても女王になれる姿を示したいという強い想いで、クイーン位奪還へ挑んでいたのです。

猪熊六段とクイーン若宮との実力対決は、本物さながらに臨場感ある描写で描かれています。

ちはやふるの見どころ・周防名人編 周防名人の強さを支えるもの1

マンガLOG貯蔵庫より

周防名人に関しては、その強さの背景がこれまで全く描かれていませんでしたが、ここから以降の展開で変わります。今までとは打って変わって見えてくる周防名人の過去は、ストーリーの中でも注目すべきポイントのひとつです。

次章のネタバレになってしまうので、詳細をここに書けないのが残念です。24巻では周防名人が誰かに連絡するシーンがありますが、ここではまだ分からない電話の相手が周防名人にとっての重要な人物です。

この場面は一コマだけですが、次章への伏線となっていますので、後の展開を予想して読むと面白いと思います。

ちはやふるストーリー 第129首 - 第133首

※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。

名人・クイーン戦<後半> ― 周防名人の強さを支えるもの

引き続きかるたの聖地・近江神宮でのクイーン位の名人位戦が舞台になっています。

最強名人の周防久志を相手に、原田先生が王手をかけます。迎えた名人戦第4戦では、勝敗の札枚数差をもコントロールしてしまう周防名人を、原田先生の情熱が上回ることが出来るのかどうかという、とにかく緊張感を途切れさせられない内容です。

これまで謎の多かった周防名人です。永世名人にこだわる理由は、その生い立ちに隠されていたことが初めて明らかになります。

原田先生との対戦を通して、周防名人が原田先生へ敬意を払うようになっていきます。本物の名人の風格と佇まいをまとった周防名人は、五連覇を成し遂げ、これまでの公言通り引退してしまうのか・・・最後は予想もつかない展開が待ち受けています。

いずれにせよ執念の名人位・クイーン位戦クライマックスは見逃せません。第129首から第133首までの見どころを解説していきますので、ぜひ漫画とともにお楽しみください。

ちはやふるの見どころ・周防名人編 周防名人の強さを支えるもの2

カレットライトより

周防名人の強さを支えるものは、自分を育ててくれた親戚のおばさんとの約束を果たしたいという気持ちでした。

周防名人は幼少のころに両親のもとから離れ、親戚のおばさんに育てられていました。成長した周防名人は、地元を離れ大学へ進学するときに、親戚のおばさんと、「ひとかどの人間になる」という約束を交わします。

千早が周防名人との練習試合(漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説7<名人・クイーン位への挑戦編109首~123首>をご参照ください)で見抜いた通り、周防名人には視力に弱点がありました。周防名人の弱点が、先天的なものからくるということも、この章で明らかになります。

周防名人にとって、いつか見えなくなってしまう病気を抱えながら、「ひとかどの人間になれる」場所が競技かるたの世界だったのです。

周防名人もまた人知れず、葛藤を繰り返しながら名人位を防衛し続けていたのです。こういう話しは、何時の時代も自分の生き方を振り返らせてくれるものです。

ちはやふるの見どころ・原田先生編 原田先生とライバル

おとな女子マンガVIPより

新や太一と同じように、原田先生にも名人位になることを若き日にともに目指したライバルがいました。

周防名人との4戦目において、膝の痛みが激しくなり、原田先生の集中力が途切れかけます。その時、原田先生のライバルが原田先生へ座布団を送る場面があります。

このライバルは、言葉では原田先生の負けを望んでいましたが、心の中では本当は誰よりも声援を送っていたのではと感動を呼ぶシーンがあります。

ちはやふるの見どころ・新(あらた)編 1年後への誓い

テフナムの定理より

ちはやふるは登場キャストは、全員が競技かるたへ何らかの情熱をかけていますが、その中でも新の「名人になる」という想いは格別です。

原田先生との名人位戦での死闘を終え、引退宣言をする周防名人に、翌年への挑戦状をぶつけたのは新でした。この後の周防名人の反応が面白いので、この見せ場についてはぜひ漫画を読んで頂きたいと思います。

ちはやふるの見どころ・新と太一の関係編 千早の返事

おとな女子マンガVIPより

名人位・クイーン位の防衛をかけて、周防名人とクイーン若宮がそれぞれ試合を展開していきます。

二人の試合を観ていた千早に、様々な感情が沸き上がり、会場ロビーで涙を流してしまいます。そこに千早を探しに来た太一と、風邪で寝込んでいたはずの新の二人が現れます。前章で、新が千早に告白してから、初めての千早と新の再会です。

千早・新・太一の三人の関係に、ついに決定打が打たれてしまうのかどうかが非常に気になる場面です。

まとめ

ちはやふる第124首から第133首までのあらすじや見どころを解説しました。

ネタバレしてしまいましたが、ついに周防名人やクイーン若宮の強さの背景が明らかになります。

名人位・クイーン位戦のクライマックスまでを描いている第124首から第133首では、千早・新・太一の関係は、新が告白をしてから停滞しています。しかし次回は、三人の恋が大きく動き始めますのでご期待ください。

以上、漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説8<競技かるた最高位への挑戦編124首~133首>でした。

ライタープロフィール

川添 勤(かわぞえ つとむ)

1968年生まれ。2010年フォロワー数20万人超えの「ハマコーTwitter」をプロデュース。
当時、日本のTwitterフォロワー数ランキングトップテン入りに貢献する。
2011年、故浜田幸一氏の最後の本となる「YUIGON」(ポプラ社)を監修。ベストセラーとなる。
2014年2月、キッザニア日本の創業者住谷栄之資氏の「キッザニア流!体験のすすめ」監修。
2014年10月には10万部を超えるベストセラーとなったゲッターズ飯田の「運命の変え方」に企画協力。

この記事で紹介した漫画

ちはやふる(24)

競技かるた最高位への挑戦――。悲願の切符は、その座に懸ける師匠・原田(はらだ)の手に握りしめられた。ほどなくして、千早(ちはや)と太一(たいち)のもとに現名人・周防久志(すおう・ひさし)との練習試合のチャンスが舞い降りる。その対戦の中で千早が掴んだと打ち明ける名人の“弱点”に、原田は……? 一方で、クイーン・若宮詩暢(わかみや・しのぶ)は自分の武器を最大限に磨き上げ、決戦の舞台に臨む。

ちはやふる(25)

名人位・クイーン位。その座にかける執念の強さが問われる1日に、ついに終止符が……。その戦いを見守った千早たちにも、新な転機が――? 運命が大きく動き出す!

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