漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説7
<名人・クイーン位への挑戦編109首~123首>

ちはやふるストーリー 第109首 - 第118首

※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。

東西の代表者決定 ― 夢をあきらめない者たち

  ちはやふる第109首から第113首までを今回もネタバレし過ぎないように解説していきます。

今章では、名人位・クイーン位戦をかけた予選の様子が描かれています。この予選では、名人位・クイーン位への挑戦をかけた東西の代表者が出揃います。

新と太一が、東西の代表として周防名人への挑戦権を争うという展開を予想する人も多いかとは思いますが、意外な展開に発展します。盛り上がることは必至の内容となっています。

千早は、東日本予選を出場辞退しています。(前回の記事漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説6<三人の関係が崩れる予兆編94首~108首>をご参照ください)

主人公である千早が出場選手を応援する立場になるという、ちはやふるでは珍しい設定で進行していきます。今回も登場人物ごとの見どころお楽しみください。

ちはやふるの見どころ・太一(たいち)編 太一の後悔

記憶ブログより

太一は、なんと東日本予選大会で敗退します。決め手になった最後の札は、「ちはやふる」でした。この札を取れなかったのです。この札は太一にとって、大切な意味を持つ札です。大きく後悔する太一でした。

ちはやふるの見どころ・新の兄弟子 村尾さん編 村尾さんの人間性

カピバラさんより

西日本予選大会の決勝は、同じかるた会に所属する新と村尾さんで争われることになりました。

太一が予選で敗退したことを知った新は、自分の中にある暗い感情に戸惑い、試合の途中で調子を崩してしまいます。

現名人の周防久志は、この時点で名人位戦を4連覇していて、ここで5連覇して、永世名人となって引退することを公言していました。

周防名人への挑戦をかける村尾さんにとっても最後のチャンスの年です。しかし、村尾さんは、新の不調が自分に有利な状況にも関わらず、兄貴分として新の目を覚まさせてあげるのです。

ちはやふるの見どころ・原田先生編 名人戦予選にかける熱意

記憶ブログより

名人戦をかけた東西の代表がまみえる試合です。ネタバレしてしまう内容なのでご注意ください。

強豪たちを抑えて、東日本代表になったのは原田先生でした。西の代表との決戦に備えて、白波会全員の協力を仰ぎ、原田先生はなんと太一に、「新(あらた)役」として練習相手になってほしいと頼むのです。

東日本予選大会で勝ち進めなかった複雑な心境の太一です。酷な頼み事とは知りながら、懇願する原田先生です。原田先生にとっては名人位を手にすることが強い願いなのです。

ちはやふるの見どころ・太一(たいち)編 なりきり綿谷新

記憶ブログより

原田先生は、東西決戦に備えて千早にも周防名人役をお願いしました。太一には新役を演じて練習してくれるよう頼みました。

それはもちろんかるたの型を模倣してほしいということでしたが、千早は周防名人と同じように小声で話し、和菓子を振る舞うところまでを真似します。

太一がいつものように千早を諫めるのかと思いきや、太一も新の方言を真似するという、"息抜き"として面白い場面です。

ちはやふるの見どころ・新(あらた)編 原田先生との対戦

BE・LOVEより

東の代表・原田先生に対する西の代表は新(あらた)でした。ここでかつての恩師・原田先生との子弟対決が実現します。

お互いに譲らず、1勝1敗で迎えた第3試合目です。二人の試合を見ていた千早のアドバイスを受けて、新の佇まいが大きく変わります。

新は、偉大な永世名人であった祖父の姿を自分の中にイメージし、試合に臨むのです。勝つのは原田先生か、それとも綿谷永世名人の姿を投影する新か、最後の一手まで緊迫した試合が続きます。

ちはやふるの見どころ・周防名人編 競技かるた界頂点としての存在感

すごないマンガがすごい!より

白熱する東西代表の決戦を見つめているある人物の姿がありました。それは、現名人の周防久志です。

周防名人は名人戦を4連覇しており、5連覇して永世名人となり、異例ながらも引退すると公言していました。つまり、原田先生にとっても新にとっても、今回が周防名人へ挑戦する最後のチャンスだったのです。

ちはやふるストーリー 第119首 - 第123首

※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。

競技かるた最高位への挑戦 ― 近江神宮が燃える真冬の一日へ

名人戦予選決勝での最後の一手で、新は、特定の札にこだわったことで、ちはやふるファンの誰もが予想しなかった「お手つき」をしてしまいます。

近江神宮行きの悲願の切符を手に入れたのは原田先生でした。原田先生と新の死闘を間近で見ていた千早は、新を労い称えます。その時に新が千早に告げた言葉で、千早・新・太一の三人の関係が急展開を見せることになります。

ちはやふる第119首から第123首では、三人の微妙な関係をぜひ漫画でお楽しみ下さい。

(また、「漫画でわかる伝統の競技かるたを描く青春ドラマ「ちはやふる」の徹底解剖」に三人の相関図を記載していますのでご参照ください)

全国大会が幕を閉じ、千早と太一はある人物からの連絡を受け、周防名人と練習試合をする機会に恵まれます。周防名人との練習試合を通して、自分のスタイルを見出し始める太一と、心を打ち砕かれる千早の今後に注目すべき章です。

ちはやふるの見どころ・千早と新編 新の気持ち

すごないマンガがすごい!より

千早は原田先生との死闘を終えた新を労い称えるのですが、新は千早に試合の感想を求めます。あまりに真っ直ぐな千早の表情に、思わず新は自分の気持ちを伝えてしまいました。

好きだという気持ちを伝えた後、「一緒にかるたしよっさ」と続けますが、千早や新にとって「一緒にかるたをしよう」と言うのは、「一緒に生きていく」に等しい言葉といってもいいでしょう。この章では千早の答えが出ません。続きが気になって仕方がありません。

ちはやふるの見どころ・千早編 気になる、その表情の意味

カレットライトより

新からの告白を受けてから、何日も放心状態の千早の表情です。本人にとっては予想していなかった展開ということです。ただ単に驚いているだけなのか、千早も新に想いを寄せているのかが気になるところです。

ちはやふるの見どころ・太一(たいち)編 理想の彼氏

オトコでも読める少女マンガより

千早に一目惚れした周防名人は、何かと千早のことを構っていました。そんな周防名人に、ちはやふる人気No.1の太一が牽制をする場面です。「彼氏です」「ちょっかい出さないでください」と。この言葉も、一度は言ってみたかったですね。

太一が登場する場面はどれも人気があるようなのですが、この場面はとくに印象に残るシーンなのではないでしょうか。

ちはやふるの見どころ・周防名人編 競技かるた界頂点としての存在感

オトコでも読める少女マンガより

千早と太一は、ある意外な人物からの連絡を受けます。なんと、周防名人との練習試合を誘う連絡でした。

そして太一は、周防名人と実際にかるたを取ってみます。周防名人と戦って初めて知った戦い方に魅入っていく太一でした。それは「相手にミスをさせる」という戦い方です。

まとめ

ちはやふる第109首から第118首までのあらすじや見どころを解説しました。

前章から変化が始まった、千早と新と太一の三人の関係ですが、新の告白というまさかの展開で終わります。

この章では、あらすじ解説と言いながらかなりネタバレしてしまいましたが、どの場面にもその後への重要な伏線が張られていますので、漫画をお読みの際にはぜひ見逃すことのないように注意してください。

次回は真冬の近江神宮が燃える一日・クイーン名人戦編を解説していきます。

以上、漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説7<名人・クイーン位への挑戦編109首~123首>でした。

ライタープロフィール

川添 勤(かわぞえ つとむ)

1968年生まれ。2010年フォロワー数20万人超えの「ハマコーTwitter」をプロデュース。
当時、日本のTwitterフォロワー数ランキングトップテン入りに貢献する。
2011年、故浜田幸一氏の最後の本となる「YUIGON」(ポプラ社)を監修。ベストセラーとなる。
2014年2月、キッザニア日本の創業者住谷栄之資氏の「キッザニア流!体験のすすめ」監修。
2014年10月には10万部を超えるベストセラーとなったゲッターズ飯田の「運命の変え方」に企画協力。

この記事で紹介した漫画

ちはやふる(21)

畳の上の挑戦者たちが夢を追う、名人戦・クイーン戦予選。だれしもが特別な思いで臨んだこの日、千早(ちはや)は修学旅行先の京都にいた。大切な友人と恩師がくれた、もう一つの夢を叶えるために――。一方、体調不良を理由に姿を見せずにいた太一(たいち)、そして新(あらた)は、東西の予選会場へ。努力、希望、信念。それぞれが描く未来への道とは――?

ちはやふる(22)

東西予選を勝ち抜いた最強の挑戦者同士があいまみえる名人位・クイーン位挑戦者決定戦。西の代表には前年に引き続いての執念を見せた逢坂恵夢(おうさか・めぐむ)と、村尾(むらお)との同門対決を制した新(あらた)が、東の代表には元クイーン・猪熊遥(いのくま・はるか)とベテラン・原田(はらだ)がそれぞれ名を連ね、3本勝負の舞台に立つ。遥かなる頂に手を伸ばす者たちの、だれも見たことのない戦いが、いま始まる――!!

ちはやふる(23)

名人位・クイーン位挑戦者決定戦最終盤。若き才能・新(あらた)の完璧な攻守に、だれもが優勢を確信する中、ベテラン・原田(はらだ)は想像しえないような猛攻に打って出る。己のすべてを懸けて挑むその姿に、千早(ちはや)が、太一(たいち)が、そして往年のライバルたちもが目をみはった。静まり返った会場で、読手が運命の一枚に手を伸ばす――。挑戦者決定のその瞬間、張りつめた祈りは歓喜と涙に変わる――!

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