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獣と人
2024/01/31 10:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代後半、道東の山に暮らす一人の猟師を主人公とした物語。雄熊との死闘、白糠の町で知り合った美女との生活、それらの中から、獣と人との類似性が、生きるということ、死ぬということを知る術になる。熊も鹿も野兎も、男も女も赤子も、獣であり、互いに命を奪い合いながら、生きていくのだろう。エンターテイメントではないが、何か重いテーマを獣くさい匂いを伴って、鼻先に突き付けられた気がした。
すごい作品だ
2024/04/19 20:23
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
次から次へととても良いテンポで進んで行く。一人の猟師の物語。
実際に獣臭がプンプン臭ってくるような物語。
すごいすごい、こんな小説は初めてです。新しい熊狩りの物語ですが、一人の男の激しい生き様の物語です。
読了後の今でもドキドキしています。
人里離れて
2024/11/03 15:14
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道の山の中に一人、猟犬と暮らす男、熊爪。彼は猟をし、その獲物を売って生計を立てている。誰とも組まず、友も家族もいない。
街で獲物を高く引き取ってくれる店の主人の良輔や、穴待たずを追いかけて重傷を負った太一、盲目の娘の陽子と人と関わり、状況が変わってくる。
穴待たずの熊と元々暮らす赤毛の熊の戦いに出くわした熊爪は負傷した。元の生活に戻れるかどうか解らない。
徹底した野生の姿、生存に関わるありとあらゆる欲が描き出される。
いのちの賛歌
2024/05/10 07:01
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第170回直木賞受賞作。(2024年)
選考委員からは「迫力があり、とにかく圧倒される」と絶賛された作品で、作者である河崎秋子さんの新人作家らしからぬ筆力の強さに驚嘆する。
明治後期の北海道の山奥で暮らす、熊爪と呼ばれた男の姿を描く全12章からなる長編小説だが、一篇一篇の密度が濃く、短編小説として読んでも読書の満足感が得られるはずだ。
特に、最初の章である「冬山の主」は、猟師として山奥で一人生きる熊爪が鹿を猟銃で仕留め、それを解体していく様が克明に描かれている。
この第一章が示すように、長い物語は熊爪という荒くれ漢(おとこ)が鹿や熊と命のやりとりをしていくその姿がやはり印象に残る。
そして、一方で人間たちが多く住む町で熊爪が感じる違和感が、近代化と対峙する原始の向かう未来であり、置いてけぼりにされていく漢(おとこ)の悲哀が漂う。
この作品には多くの<死>が描かれている。
それは鹿や熊といった動物たちのものばかりでなく、人間たちのそれも描かれている。それでいて、いやもしかしたら、それゆえにこの作品に<生>そのものを感じる。
身体から流れてくる血はいのちの源流。それが尽きた時、そこには<死>があるのだが、だからこそ<生>を強く認識できるといえる。
時に荒々しい描写もそこには<生>があり、生きるべき命がある。
この作品は、いのちの賛歌といえる。
直木賞受賞作!
2024/12/23 12:58
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
猟師・熊爪対山のボス熊の壮絶な死闘が繰り広げられる、しかし、その話がメインではない、白糠の町、一番の金持ち「かどやのみせ」にわけあって囲われている目の見えない少女、陽子、そして、没落していくの店の主、良輔らも絡み合う人間ドラマにもなっている、だから、ボス熊を仕留めて終わりにはならない、陽子を山に連れ去った熊爪が最後は彼女に「どうせ終わらせるなら、寝てる時だとつまらないと思って」と小刀で切り殺される、熊爪はそれを受け入れる、山の住人として獣に死体を食われなければ「もったいない」と呟きながら。明治の末期のお話、そのころの北海道のまだ開拓半ばの雰囲気が全編にあふれている、第170回直木賞受賞作だから読んだ、猟師ものとだけ聞いていたら読み損ねていたかもしれない、もったいないことをするところだった
獣である人
2024/05/09 14:48
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投稿者:uruuduki - この投稿者のレビュー一覧を見る
生き物を狩る猟師は、山の神に畏れを懐くなり、人としての何らかの意識が有るのではないかと考えていたが、ここに現れた「熊爪」は獣なのだと感じた。
それも、人の世界との内と外を、都合次第で往来する。
読むに従い、己の本能の欲のままに生きる「熊爪」は、野生の熊そのものよりも獣なのではないかと思った話だった。
羆との一騎打ちだけでは終わらない
2024/04/23 05:06
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞作をようやく読みました。対峙する羆との一騎打ちで終わると話と思ったらそうではなく…一気に読み通しました。
予想外の展開
2024/04/16 11:48
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に出てきた、冬眠しなかった熊との話かと思ったら、全然違った。
その熊の上を行く熊との攻防と、更にその先の展開があった。
小説としてどうなの?
2024/01/18 08:43
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ビリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユーモアの要素が無い。
なので、悪い意味で息つく暇がなく、平坦で読み進めるのが辛い。
それも無理してきつくしている感じがして、嫌だった。
作者が意図してそうしているのか、それとも作風なのか、わからないがどちらにしろ作者の欠点なのでは。
直木賞に値する程のものとは思えなかったです。