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  • 発行年月:2003.5
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/312p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-112315-2

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みんなのレビュー832件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

神はこのようにして見出されたのかもしれない

2006/02/27 11:07

33人中、32人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 キリシタン迫害史を背景に、信仰の根源に迫る小説。何度か読んだのであるが、今回感じたのは「人間とは認められたい動物なのだ」ということだった。
 作者は長崎で一つの磨り減った踏絵を見たことでこの小説を書いたのだそうである。師が転宗してしまったと伝え聞き、その後を継がねばと日本に向かった主人公の司祭。彼がキリシタンの里に隠れ、捕まり、師に会い、彼もまた踏絵を踏んで転宗していく過程の描写はぐいぐいと読者を引っ張っていき、映画を観ているようである。まるでユダのように転宗、裏切りを繰り返すキチジロー、「日本にはそなたの宗教は根付かない」と文化の違いを語る凄腕の奉行など、主人公以外の登場人物にも考えさせられるところが多い。信仰とは何か、日本人の宗教とは何か、などを描いた小説として有名な作品であり、表題になった神の「沈黙」についても読者はそれぞれ、いろいろな考えを読み取るだろうと思う。
 最後に踏絵を踏む場面はこんな風に描かれる。:
「その時、踏むがいいと銅版のあの人は司祭にむかって言った。踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。踏むがいい。私はお前たちに踏まれるため、この世に生れ、お前たちの痛さを分かつため十字架を背負ったのだ。」
 以前はこの文の後半に感動し、キリスト教とはこういうものか、と少しわかった気持ちがした。
今回は「この私が一番よく知っている。」の部分が心にささった。結局、主人公も「どんな選択をしても、神が知っていてくれる」と信じることで生き続けることができたのだろう。そうだとしたら、なんと人は「どこかで認知されている」ことを求めるものなのだろうか。日本人でも「お天道様が見ている」などと表現することがあるではないか。神とは、そのようにして人間に見いだされたものなのかもしれない。宗教とは、をこんな風に考えされられた。
 よい作品は読む度に新しい発見をくれる。「沈黙」もそんな一冊である。

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紙の本

頑張れない人

2006/06/20 11:16

15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:だいちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『頑張った人が報われる社会を!』と声たかく叫ぶ人がいます。頑張った人が、頑張ることができる人に更に手を差しのべる必要があるのか!と言いたい。それはともかく、頑張れない人、洗礼を受けてもその司祭を裏切ってしまう人がいる。その人は悔やんで、悔やんで裏切った司祭に救いを求めてしまう。これが人間なんだと、改めて知りました。
 「じゃが、俺(おい)にゃあ俺(おい)の言い分があっと。踏絵ば踏んだ者には、踏んだ者の言い分があっと。踏絵をば俺(おい)が悦んで踏んだとでも思っとっとか。踏んだこの足は痛か。痛かよオ。俺(おい)を弱か者に生まれさせておきながら、強か者の真似ばせろとデウス(キリスト)さまは仰せ出させる。それは、無理無法と言うもんじゃい」
 5年の間に3回読んでどうしてもこの言葉に涙します。弱い者、頑張れない人がいるんだ、というそれでいいんだ。という気持ちになります。あなたはどう感じますか?

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紙の本

守るべきもの

2007/07/30 00:38

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:じゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る

ポルトガルの教会に、ある教父が遠い東洋の島国で信仰を棄てたという連絡が入る。
尊敬していた恩師の棄教が信じられない3人の若い司祭は、日本に向かう。
その3人のうちの一人が教会へ向けた書簡という形で話が始められた。
内容は歴史の授業で学んだであろう、激しいキリシタン狩りの状況。

神はなぜ沈黙しているのか。
あなたを慕っている人間がこのようなひどい目にあっているのに。
心を引き裂かれるような叫び。
なぜ。なぜ。

特定の宗教に信仰のない私にはどこまで意味が理解できているのだろう。
キリシタンにとって神というものがどういう意味を持つのか?
私がこの本の中から読み取れたことは、全てを愛すもの。
ではあなたは沈黙しているのですか?

本の中で主人公はある一つの決断をする。

私はこの主人公の決断にテレビや本の中のヒーローを思い出した。
ヒーロー達は守るものがあるから強くなれるという。
本では神の御助けがあったため、拷問にも耐えられるのだという。
自分のなかの守るべきと信じるものを、守るため。
主人公の下した決断も、なにかを守るためだったと思う。
信仰。信念。愛。いろいろ考えたが、よくわからない。
ただ、守るというのはいろいろな方法と見え方が存在するのだと。
一つの行動がある面からみれば、とても残虐に見え、ある面から見れば慈愛に満ちたものかもしれない。

主人公がなぜ。なぜと葛藤している姿は、著者本人と重ねて見え、ひどくつらい。
だがそれを上回る感動があった

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紙の本

世界に通用する一冊

2015/09/30 22:19

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本人の手によりここまでのキリスト者の本が存在することはキリスト教と無縁の私には脅威的である。
遠藤氏のきりっとしまった文体が、ストーリーと重畳してすさまじい緊張感を与える。息詰まる展開と救いの無い慙愧。ここまでの話を読むことになるとは。
日本語以外の翻訳もある国際級の一冊であり、読むべきでしょう、これは。

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紙の本

問わずにはいられない

2006/03/27 19:42

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 神は存在するのかしないのか その答えは誰も知らない。もしいるのなら聞いてみたいことがたくさんあるが、1番知りたいのは あなたが沈黙を守るその理由。戦争・内戦・混乱が絶えないこの地球をなぜ人間に任せておくのですか? それとも それこそが 神がいない証拠なのだろうか?

 話の舞台は島原の乱が鎮圧されて間もない日本 隠れキリシタン達を描く。
神の存在を問うこと自体 背教を意味する。だけど問わずにはいられない 神よ あなたはどこにいるのですか? 神とは一体なんなのか?

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紙の本

キリスト教っていうと

2006/03/27 19:38

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る

 キリスト教っていうとこの本を思い浮かべるなぁ。完全に物語に入っている前書きから書簡で始まる流れは、違和感なく引きこまれていくし、主題・題名ともにシンプルでいいと思う。でも疑問は、なぜ神が「沈黙」しているか? というところにあって、神が存在するか? というところにはないわけね。まあそれが宗教っていえば宗教ってものだけど。

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紙の本

沈黙を選んだ司祭もいれば、沈黙を捨てた漁師もいた

2012/02/08 12:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相羽 悠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 遠藤周作『沈黙』(一九六六)はさまざまな沈黙が交錯する小説だ。

 小説の舞台は十七世紀。ローマ教会にある報告が届く。キリシタンへの弾圧が厳しい日本で、布教の柱、司祭フェレイラが信仰を捨てたというのだ。殉教ならともかく、今までも迫害に耐えてきたフェレイラの身に何が起きたのか。若き司祭ロドリゴは恩師フェレイラの変心が信じられず真相を探るため日本へ向かう。かつては信者だった、若い漁師キチジローの手引きで日本に潜入。信者にかくまわれ布教をはじめたが、穏やかな日々はつづかない。追手の手をのがれるべく逃走するなか、ロドリゴの頭の中では同じ問いが繰り返されていた。信者の苦難を見ながら、なぜ神は彼らを救おうとせず沈黙しているのか。その答の手がかりは、意外な場所で再会したフェレイラによってもたらされる。

 悩める若き司祭のそばに卑俗な漁師という配置がいい。偶然の出会いが結びつけたふたりは対照的。ほかの司祭が信仰を捨てたり殉教する状況下で、日本に残された最後の司祭ロドリゴは信者の尊敬を一身に集め、三度まで信仰を捨てて転んだキチジローはだれからも蔑まれる。そして自らの信仰を守るため、片や沈黙を選び、片や声高に主張する道を選んだ。

 恩師の消息を知ることもさりながら、信仰の火を消さないためにも日本に潜入したロドリゴは語学の達人で、コミュニケーション能力も高いようだ。外国人である日本人信者との意思疎通に困っている様子はない。さらに元来、寂しがり屋で、人が好きなのだろう。逃走中、たった一日、人と話せなかっただけで愚痴をもらす。取調べ役人のやさしい言葉に、すぐさま緊張がゆるむ。さぞや布教のため雄弁をふるいたかっただろうが満足に信者とも接触できず、沈黙を強いられる。苦悶する信者の姿を見ながら祈ることしかできない。信者を救うため日本に来たのに、司祭である自分がいることで迫害が強化され信者がより苦しむことになる。よるべないロドリゴはキリストの姿を思い浮かべ、黙想を深めていく。

 苦悩をかかえたロドリゴの沈黙は穏やかさとはほど遠い。なぜあなたは信者を救わないのか。ロドリゴは激しく神に問いかける。キリストの生涯を思い、黙考を重ねる。皮肉なことに、内にこもるロドリゴの悩みを解いたのは、外から聞こえてきたある音だった。黙想の邪魔となる音に彼は苛立つが、その正体をフェレイラに教えられたとき、司祭として、キリスト教徒として、この地で誠実であるため何をすべきか悟る。そのあとは一切の釈明をせずに沈黙を守った。

 他方、拷問が怖くて転んだキチジローは卑小なお調子者として描かれている。はじめは信者であることを拒否していたのに、ロドリゴとの出会いから彼は変わっていく。信者であることをロドリゴのいる牢屋でも口にするし、隠そうとしなくなった。暴力が怖くて役人に脅かされればすぐに踏絵を踏むけれど、信者でいようともがきつづける。何度転んでも、周囲の信者から冷たい視線を向けられようと、ロドリゴに煙たがられてもキリスト教との縁を切ろうとしない。赦しをもとめロドリゴを追いかけまわす。「パードレ、聞いてつかわさい。告悔と思うてな、聞いてつかわさい」キチジローを軽蔑していたロドリゴも、そのしつこさに音を上げて、罪を赦す告悔の祈りを唱えてやる。そして転びつづけたキチジローは生き残った。彼の生き方を卑劣だと非難することは簡単だ。だが、自分の弱さを全面的に認めて、大切なものにしがみつづけたキチジローは心強き者なのではないか。作者が彼に注ぐ目は優しく、キチジローが踏絵について吐き捨てるように言った言葉こそ、本書のテーマに直結することが最後まで読めばわかる仕組みになっている。

 凄惨な拷問がおこなわれるなか、自らの信仰をまもるため人々が沈黙していた時代。息をひそめ子孫に信仰を伝えていった隠れキリシタンもいれば、信仰に忠実でいるため沈黙を選んだ司祭もいれば、沈黙を捨てた漁師もいた。

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紙の本

阪神や東北の震災を黙ってみてる神とは何ぞや

2019/01/26 22:07

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本で消息をたった恩師フェレイラを捜索していた司祭ロドリコが棄教するまでの顛末を、作者は日本人としてではなく、一人のキリスト教徒として淡々とではあるが情熱をもって筆を進めている。隠れキリシタンがどんなに迫害されていても沈黙を続ける「神」とは何なのか。このことは阪神大震災や東北大震災の時に私も思っていてことであった。このことをテーマとして読者に投げかけてみる作者の凄みに脱帽。主題が主題だけに、難解な言葉の羅列が続き読む気が失せてしまうのではないかと思っていたが全くの杞憂であり、どんどんと読み進むことが可能でなおもずんずんと浸み込んでくる作品であった

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紙の本

信仰とは何か

2018/09/05 23:00

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルの『沈黙』は正に信仰者に対する「神の沈黙」を表したものである。それは篤信の者には啓示的であるが、信仰の揺らぐ者には圧倒的な絶望である。
信仰とは何か。信仰者も無神論者にも本書で改めて見直していただきたい。

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紙の本

間違いなく、不朽の名作の一つ

2017/04/18 22:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る

2017年の映画を見て、その内容の深淵さに圧倒され、その足で最寄りの本屋に行って買い、帰りの電車の中で読み切ってしまった一冊。あまりに感想を書くとネタバレになるので割愛するが、20世紀のキリスト教文学を代表する作品と評されていることは付記しておこう。

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紙の本

わたしもまたキチジロー

2017/03/28 07:50

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

遠藤周作は2016年に没後20年を迎えた。
 それに合わせてさまざまな企画があったが、なんといってもこの『沈黙』がマーティン・スコセッシ監督によってハリウッドで映画化されたということが大きい。
 その影響も大きかったのだろう、新潮文庫の同作品が累計で200万部を超えたという。
 そういう機会も再読には必要だ。
 私も何十年ぶりかで本棚からこの作品を引っ張りだした。

 この作品はキリシタン禁制の江戸時代に自らの師である司祭が棄教したという噂の中、危険を賭して日本に渡ってきた一人の青年司祭ロドリゴの苦悩を描いている。
 日本までの案内人としてかつてキリシタンでありながらその弱さゆえに転んだキチジローという塵のような男を描くことによって、ロドリゴの苦悩がより鮮明になっている。
 この作品を最初に読んだ時にはこのキチジローの、弱い者ゆえに持つ苦悩が重要なテーマであると思っていたが、今回読むと、やはり主人公はロドリゴであり、キチジローは彼の合わせ鏡に映る人物設定だということがわかる。
 誰の心にも神がいれば、キチジローという弱き男もいる。

 「人間には生まれながらに二種類ある。強い者と弱い者と。(中略)お前はどちらの人間なのだ。」
 ロドリゴは何度もこういった問いかけを自分にし、神はどうして黙ったままなのかと問う。
 最後に彼は神の言葉に導かれて、踏み絵に足をかけるのだが、本当はキチジローの姿を通して何度も神は語っていたのだろう。

 神とは何かを問うたこの作品は、弱さとは何かを問うた作品でもある。

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紙の本

深い

2017/03/10 15:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ごまちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

深いテーマです。映画化されたことで、改めて手に取る機会になりました。信仰とは何か、救いとは何か、を考えさせられます。晩年の遠藤周作の著作は、正統なキリスト教信仰からはすこしずれていくような気がしますが、この作品は普遍的テーマであり、いつ読んでも胸に迫ります。

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紙の本

信仰の深さとは、と考える本でした

2023/03/25 15:28

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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る

強く信じ続ける者、信じたいが誘惑に負ける者、禁教しようとする者、それぞれが入り乱れる時代。
信仰にすがらなければ心が保てない者たちにとっては救いだが、その救いのはずの信仰の為に殺される、という不条理。
「救い」がこの世では救われず、あの世で救われる(のか?)。
心ならずも信仰を捨てざるを得なかった者は、その後、どう生きていけばいいのか。
今の時代も、宗教で人生が左右される人々がいる。
けれども、当時の切実さは別物のように思う。
宗教は、人を救うのか、その逆か。考え続けている。

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紙の本

怖くても目をそむけてはいけないもの

2022/05/22 08:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

江戸時代に布教するためポルトガルから密入国した司祭が役人に捕まって棄教を迫られる話。モデルとなった司祭がいるようです。当時の百姓たちの悲惨な暮らしぶり、棄教させるためのむごたらしいやり口に目をそむけたくなりましたが、こういう出来事があったという事実は知っておくべきだと思って最後まで読みました。怖かったです。神がいるのなら、どうしてあんなにひどい目に遭う人々を放っておかれるのか、という司祭の疑問・嘆きは、現代でもそのまま通用しそう。

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紙の本

饒舌と沈黙の間で

2021/02/21 08:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

江戸時代のキリスト教禁教と、キリシタンと宣教師の迫害。拷問などのシーンはその凄惨さの描写は抑制的だが、だからこそ、精神的に追い詰めれられていく側の様相が怜悧にひびく。饒舌なキチジローと沈黙する神の間、という構図で再読した。「この国は沼地だ。…どんな苗もその沼地に植えられれば、根が腐り始める」という言葉が重く響く。

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