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沈黙 改版 (新潮文庫)
沈黙
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紙の本
今こそ読みたい
2023/09/25 22:55
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
スコセッシによる映画化で再び脚光があたった形になったが、近年の日本社会について考えるうえでも重要な作品であろう。ある意味では絶望的な気分にさせられるのであるが、そこを見据えねば真の意味で日本社会と対峙することはできないのである。
紙の本
何ゆえ遠藤はこの小説を書いたか
2023/04/28 21:17
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が日本人にぶつけられる言葉は読者の疑問とも重なる。キリスト教を信じる作者にぶつけられる疑問とも思える。その布教活動は押し付けではないのか。土地の風俗、宗教を見下し唯一神を押し付ける迷惑者ではないのか。教科書で眺めるだけの立場では、その布教活動が普遍的正義とは思えない。むしろ驕りや狭量な行為が思い浮かぶ。何ゆえ遠藤はこの小説を書いたか。それは最も信仰が窮地に立った時だから。最も主を疑い、主に焦がれ、その沈黙に胸塞がれる時だから。遠藤自身が辿り、乗り越え、到達した思いを現すのに最もふさわしい状況ゆえに。
紙の本
信仰の深さとは、と考える本でした
2023/03/25 15:28
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
強く信じ続ける者、信じたいが誘惑に負ける者、禁教しようとする者、それぞれが入り乱れる時代。
信仰にすがらなければ心が保てない者たちにとっては救いだが、その救いのはずの信仰の為に殺される、という不条理。
「救い」がこの世では救われず、あの世で救われる(のか?)。
心ならずも信仰を捨てざるを得なかった者は、その後、どう生きていけばいいのか。
今の時代も、宗教で人生が左右される人々がいる。
けれども、当時の切実さは別物のように思う。
宗教は、人を救うのか、その逆か。考え続けている。
紙の本
怖くても目をそむけてはいけないもの
2022/05/22 08:55
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代に布教するためポルトガルから密入国した司祭が役人に捕まって棄教を迫られる話。モデルとなった司祭がいるようです。当時の百姓たちの悲惨な暮らしぶり、棄教させるためのむごたらしいやり口に目をそむけたくなりましたが、こういう出来事があったという事実は知っておくべきだと思って最後まで読みました。怖かったです。神がいるのなら、どうしてあんなにひどい目に遭う人々を放っておかれるのか、という司祭の疑問・嘆きは、現代でもそのまま通用しそう。
紙の本
饒舌と沈黙の間で
2021/02/21 08:00
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代のキリスト教禁教と、キリシタンと宣教師の迫害。拷問などのシーンはその凄惨さの描写は抑制的だが、だからこそ、精神的に追い詰めれられていく側の様相が怜悧にひびく。饒舌なキチジローと沈黙する神の間、という構図で再読した。「この国は沼地だ。…どんな苗もその沼地に植えられれば、根が腐り始める」という言葉が重く響く。
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神とは?
2020/05/20 13:58
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投稿者:姫路ねこ研究所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
キリスト教迫害が続く日本で棄教したと噂されるフェレイラ神父。彼の弟子、ロドリゴはその真偽の程を確かめるため、そして日本の信徒を救うべく日本に渡る。地下組織として潜伏しながらも布教活動を続けていたが、ある日当局に日本の貧しい信者たちとともに逮捕される。拷問にかけられ、ロドリゴの目の前で何人も殉教していく。殉教とは強い感動を伴なうもの、と思っていたロドリゴが愕然としたのは、その前後で何も変わらなかったこと。神はなぜ黙っているのか?いったい神とは?神に対する疑いすら抱き、師フェレイラと再会する。変わり果てた姿になったフェレイラ。そしてロドリゴが最後に出した結論は・・・棄教。踏絵を踏むこと。自らのアイデンティティかつ自分の一部たる神を足蹴にする行為で痛みを感じた時、始めて神からの語りを聞く。
「踏むがいい。私はお前たちに踏まれるためこの世に生まれ、お前たちの痛みを分かち合うため十字架を背負ったのだ」
神とは何か?生きとし生きる全てに等しく愛を授ける。それは強きもの、弱きものに等しく授ける。信仰を貫き通して死んでいった人たちにも愛を授ける。彼らは彼等で自分の運命と苦痛を納得して死んでいった。信仰を貫くことが出来ずに己を曲げて生き続ける者たち。彼らは生き続けることで、葛藤を持ち続け、苦痛を持ち続ける。体の痛み、心の痛み、そのすべてを受けとめる。それが神。たとえ神を否定したとしても、その人の中に生き続ける。神を否定した自分自身として、存在を続ける。そして神により、我々の苦痛はいずれ癒され、昇華される。神は我々一人一人の中に存在し、かつ我々自身でもある。神を愛する行為とは、自分自身を愛することに他ならない。そして、それは人を愛することでもある。それがたとえどのような人であっても。
「たとえあの人は沈黙していたとしても、私の今日までの人生があの人について語っていた」
電子書籍
神なき世界を描く
2020/04/26 19:58
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
極限状況下に置かれた、信徒たちの苦悩が壮絶です。最後まで救いの主が現れることのない、リアリズムに徹した作品でした。
電子書籍
神の存在とは
2019/12/06 09:33
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投稿者:漣 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は宗教、信仰について明るくありません。
キリスト教、仏教、イスラム教は軽く学びましたが、正直、手応えというか、自分のスタンスというものは得られていません。
400年近く前にこの日本で、宣教師、信徒の迫害があったのは、もちろん知識としてはあります。
主人公である宣教師のロドリゴが苦境に落ち入る度に、
『神は沈黙している』というフレーズが入ります。
踏み絵を踏まず、穴に入れられて、殉教する信徒が描かれていますが、踏めば良いじゃない、信仰って心の問題でしょ?命あっての信仰じゃないの?と不信心な私は思ってしまいます。
物語の最後まで『神は沈黙』を通しました。
それは当然だと思います。
私は『語る神』を見たこともなければ聴いたこともありません。これだけテクノロジーが発展した現代においても非科学的な信仰が廃る気配がないのは不思議でもあり、必然でもあるのかなと思います。
人間以外の動物には信仰は存在しないように見えます。
動物と人間の確かな違いは、そこだけかもしれません。
もちろん私と同じように不信心な方もいるでしょう。
それでも初詣に行けば、なんとなく手を合わせることくらいはするでしょう。
人間は、何故生まれてきたのか?何故死ぬのか?死んだらどうなるのか?そういうことを考える余裕(知恵)があります。動物に、そんな余裕はありません。
また、科学が未発達だった時代には、困難あるいは幸福がある度に『神の判断』で済ませるしかなかったのでしょう。
さらに宗教と政治は切っても切り離せません。
それは民主主義や共産主義、資本主義そのものが宗教的であるからです。盲信して良い政治など存在しません。
太古から支配者あるいは支配欲求の強い者は、自分に都合の良い論理を採用し、不都合になれば切り捨ててきたのです。
400年前の迫害も同じです。
切っても切り離せない政治と宗教ですが、多くの献身的な信者は、政治より宗教を信じるでしょう。
しかし、今のところ世界を動かしているのは政治でありテクノロジーです。信仰心はあくまで『個人的』であるように見えます。中東やアフリカでは宗教や利権絡みの戦争が続いていますが、信仰心の厚い人が殺人をしているのです。人間は追い込まれれば、ずれるはずのない信仰も自分に都合良く解釈します。私は現代日本という安全地帯から、このレビューを書いています。何も言う立場にないのかもしれません。そんなことまで、この作品「沈黙」は、考えさせられましたが、私自身は一歩も前に進むこともなく、後退することもありませんでした。もちろん答えは与えてくれません。かなり多くの読者に受け入れられていますが、私の想像力がワサワサさせられることはありませんでした。
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島国
2019/05/29 10:26
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投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の時代街中特に東京の銀座渋谷など繁華街の外国人の多さ。。。観光客だけではなく労働力としても欠かせない外国人だが昔の日本に訪れた外国人は生活習慣、宗教いろいろ受け入れられていないことだらけだったのだからこの本を読んで考える機会が得られた気がする。
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阪神や東北の震災を黙ってみてる神とは何ぞや
2019/01/26 22:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本で消息をたった恩師フェレイラを捜索していた司祭ロドリコが棄教するまでの顛末を、作者は日本人としてではなく、一人のキリスト教徒として淡々とではあるが情熱をもって筆を進めている。隠れキリシタンがどんなに迫害されていても沈黙を続ける「神」とは何なのか。このことは阪神大震災や東北大震災の時に私も思っていてことであった。このことをテーマとして読者に投げかけてみる作者の凄みに脱帽。主題が主題だけに、難解な言葉の羅列が続き読む気が失せてしまうのではないかと思っていたが全くの杞憂であり、どんどんと読み進むことが可能でなおもずんずんと浸み込んでくる作品であった
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ぐいぐいくる
2018/12/31 17:35
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
辛いねえ、辛いねえ。
でも、
私は正しい選択だと思います。
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信仰とは何か
2018/09/05 23:00
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの『沈黙』は正に信仰者に対する「神の沈黙」を表したものである。それは篤信の者には啓示的であるが、信仰の揺らぐ者には圧倒的な絶望である。
信仰とは何か。信仰者も無神論者にも本書で改めて見直していただきたい。
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信仰を守ること
2018/05/15 23:34
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
キリシタン弾圧が過熱する日本。その中で高名な宣教師が弾圧に屈して棄教したという噂が流れ、信仰を守る異郷の信者たちを救うために新たに2人の宣教師が日本にやってくる。宣教師の見た日本人は貧しく、弾圧を受けながらも細々と信仰を守っていた。彼らを襲う数々の試練には目を覆いたくなる。そして主人公である宣教師にも「選択」の時がやってくる。既に棄教していたかつての師から日本になぜキリスト教が根付かないかを聞かされる場面はこの小説の白眉と言える。結局は「転ぶ」主人公。重いテーマである。
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人は聖人ではない
2017/09/17 14:16
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投稿者:オラフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここで登場する聖職者は、聖なるこころよりは激しい野心を持ち、やけに人間臭い。私は以前聖職者と関わったことがあったが、地に足がついておらず現実感に欠けているもの、人生に挫折したもの、真剣に神の御言葉に添うべく情熱的なものなど、本人達はあまり話したがらなかったがどことなく人間臭さを感じた。聖職者の独りよがり、陶酔心はぞっとするぐらい繊細に描かれている。
聖職者に同行した日本人たちは、彼らの信仰しているキリスト教を理解していなくとも、人間臭さと聖なるものの矛盾を肌で感じたにちがいない。
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わかりやすくわかりにくい
2017/04/22 23:39
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投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
思いのほか面白くすいすいと読み進められ、でもすっきりとは理解しきれず・・・
難しいです。
背教の司祭、彼はその後どうなったのでしょう。資料の形で最後に描かれていますが、その文章が読みにくい。当時の資料として描かれているので仕方ないのかもしれませんが・・私には意味が十分把握しにくくつらかったです。