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まほろ駅前多田便利軒
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.3
  • 出版社: 文藝春秋
  • サイズ:20cm/334p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-324670-3
  • 国内送料無料

紙の本

まほろ駅前多田便利軒

著者 三浦 しをん (著)

東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。やがて切ない便利屋物語。【「BOO...

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まほろ駅前多田便利軒

1,728(税込)

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商品説明

東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。やがて切ない便利屋物語。【「BOOK」データベースの商品解説】

【直木賞(135(2006上半期))】お困りの節はお電話ください。多田・行天コンビが迅速に解決いたします−。東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか…。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

三浦 しをん

略歴
〈三浦しをん〉1976年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2000年「格闘する者に○」でデビュー。著書に「私が語りはじめた彼は」など。

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みんなのレビュー667件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

少し中身を変えて映像化してほしい。

2009/06/10 21:14

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん 文藝春秋

 まほろ市というのは、東京都町田市のことだろうか。行ったことがないのでよくわかりませんが、そのあたりらしい。6つのお話に分かれています。そのまほろ駅前で便利屋を営むのが、多田啓介くんと彼の家にころがりこんだ彼の同級生である行天晴彦(ぎょうてん)くんとが織りなす日常生活のドラマです。多田君はこどもを亡くして離婚、行天くんは未婚ですがこどもがいます。ふたりの周りをチワワのハナちゃん、風俗嬢とかやくざとか警察とか、別れた妻子とか、孤独な小学生とかが固めます。
 何でもやります便利屋さんですから架空の親子も演じてくれます。行天くんは秘密をかかえています。小説をつくるうえで、秘密の設定は大切です。性風俗話について考えました。その素材は、女性を主人公におくと悲劇になりやすい。しかし、男性を主人公におくと喜劇になります。
 なるようになれと生きていく人間が行天(ぎょうてん)くんで、こうでなければならぬと行動していくのが多田くんです。お互いの組み合わせで、もちつもたれつのふたりの関係が成りたっています。
 だんだん脚本を読んでいる気分になってきました。ドラマ化、映画化を意識しながら書いてあるのでしょうか。作中に多用してあるたばこの記述は気になります。この禁煙時代に逆行しています。(でもわたしは喫煙者です。本が売れなくなることを気にしています。)
 作者にとっては、消化不良な作品だったのではなかろうか。他に作者が望む書き方があったと考えました。性風俗とか暴力とは離れた日常の一見平凡に見える部分に隠された社会現象を素材にして書くことが作者の願望だったと察します。
 悲しみを知らないと喜びはわかりません。最終章を読みながら、親子の血のつながりについて考えました。人間はどうして自分よりも弱い者をいじめたがるのだろう。326ページ、ラストシーン近く、事実のすべてを受け入れる。受け入れて何もしない。攻撃はしないし、逃げもしない。ただ淡々と生きていく。なにもしない勇気をもつ。何かを為(な)すことよりも何も為さないことのほうが勇気がいります。

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紙の本

昔の傷

2006/05/03 21:15

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

 主人公は、まほろ駅前で便利屋を開業している多田という男。彼のもとに、高校時代の同級生であった行天(ぎょうてん)が転がり込むところから、この物語は始まる。この行天という男のキャラクターが際立っていて、良く言えばマイペース、悪く言えば傍若無人。伊坂幸太郎『チルドレン』の陣内のイメージに近い。
 本書の舞台であるまほろ市は、東京と神奈川のちょうど境に位置する東京都南西部最大のベッドタウン(モデルは町田市か?)。南北に走る八王子線と東西に走る箱根急行の線路が駅を中心に直角に交わっているため、まほろ駅前は4つの区画に分けることができる。多田便利軒のある南東の区画は繁華街で、「駅裏」と呼ばれる南西の区画は歓楽街。北西の区画には小さな団地と川しかなく、北東の区画はさびれた商店街。この区画が言わば舞台装置の役割を果たしているところが面白い。多田の軽トラックに乗って4つの区画を縦横無尽に駆け回る2人。彼らが請け負う仕事は「そんなこと自分でやれよ」と思わず言いたくなるような依頼ばかりなのだが、本書は、そこから派生する数々の事件を描いためまぐるしい活劇のような短編集だ。騒々しく感じさせないのは、ひとえに三浦しをんの抑制された文体のなせる業だ。
 登場人物の造型やプロットが見事で飽きることなく読み進めることができるが、バツイチの多田と行天の2人の背負っている過去が次第に明らかになるにつれ、せつなくなる。「似たような空虚」を抱える2人の、その空虚の素は〈家族〉にある。最後まで読むと、本書はある意味、家族小説であることが理解できる。
 「知ろうとせず、求めようとせず、だれともまじわらぬことを安寧と見間違えたまま、臆病に息をするだけの日々を送るところだった」多田が、最後に見出す答えには胸が熱くなる。清々しい読後感だ。

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紙の本

ぜひともエッセイを読んだあとに

2006/07/18 14:41

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「桃色トワイライト」や「乙女なげやり」などの爆裂エッセイが楽しい三浦しをん。
もちろんまっとうな小説も書いてらっしゃるのだけど、私はひたすらエッセイのファンだった。
だから本書を手にしたのはほんの気まぐれ。直木賞候補に挙がっていることなんか知らなかったし、読後すぐに本書が直木賞をとったと聞いたときには、ほんとうにびっくりした。たまたま、いい小説に巡り会ったときに思う、いい意味での驚きだ。
さて、本書は主人公である多田が営む便利屋が遭遇する事件の数々である。多田の元に高校時代の同級生、行天が転がり込んできた日から物語は始まる。
大変読みやすい短編集だ。テイストとしては石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの30’sバージョンといったところ。
直木賞受賞の理由に一つに、親子の微妙な問題についてよく書かれていた、といったものがあったそうだが、物語の内容はこうした身近な事柄が多い。
それによく見合っていると思うのだが、主人公、多田の義理人情に厚い人柄は昔から日本人受けするものである。事件も後味のいい解決となっているものが多い。読後感がいいいのもそのためである。
また、所々に著者のエッセイを思い起こさせる楽しい比喩や文章が散りばめられているので、エッセイを読んだあとに読むと楽しいことこの上ない。本書を読む楽しさが二倍増し、あるいは三倍増しになるだろう。未読の方は、ぜひとも著者のエッセイを数冊読んだあとに本書を読まれることをお勧めする。

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紙の本

チワワがたぐり寄せた読者の胸を熱くする究極の友情物語。

2006/06/16 09:38

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

『だれかに必要とされるってことは、だれかの希望になるってことだ。(本文より引用)』
三浦しをんさんの小説最新作。
出版社からして直木賞千載一遇のチャンスだと見ている。
表題に書いている友情物語だけでなく、家族のあり方(夫婦や親子問題)も必ず考えさせられる魅力的な作品。
家族のいない登場人物が読者に熱き家族小説をエスコートしている。
演じているのは多田啓介と行天春彦。かつてふたりは高校時代のクラスメートであった。
東京の郊外、神奈川県との境にあるまほろ市で便利屋を営む多田とひょんなところで彼と再会する行天。
行天が多田の事務所に居候しさまざまな事件を解決していくストーリー展開。
便利屋っていっても実際は雑用係。冒頭の病院のお見舞いの代理にはじまりペットの世話や塾の送り迎え代行など・・・
本作を読んで行天を魅力的な人物と感じない読者はいない。
まさに“びっくり仰天”するほどのナイスガイなのである。
伊坂幸太郎の『砂漠』の西嶋を彷彿させる行天。
それに反してごく平凡な多田。
少し人生に対して否定的な多田と人生を達観している行天。
漫才で言えば多田がツッコミで行天がボケの間柄。
ちょっと苦言を呈させていただくと、各章のトップで描かれている2人のイラスト。
あまりにもイイ男すぎないか?
でも女性読者にとってはイマジネーションを良い意味で膨らませてくれることであろう(笑)
あと、関西人の私はどうしても東京の地理に疎いのであるが(汗)、モデルになっている都市周辺で住む方にはかなり親近感を抱きながら読めることであろう。
これに関してはとっても羨ましく思います。
この作品を読まれて、人間の著しい変化に気づかれた方が大半だと思う。
ひとりの男との出会いによって主人公の多田が癒され再生していく姿。
もちろん、チワワを預かることによって生じた様々な騒動。
行天との再会に始まり、チワワを飼えなくなったマリやその後飼い主になるルルをことにより話を進めていくストーリー展開も目が離せない。
多田と行天ともにバツイチである。
読み終えてどちらの方が辛い過去であったかを考えてみた。
具体的に書くと未読の方の興趣をそぐので書けないのが残念である。
しかし、行天が持っている潔さというか寛大さは決して天性のものではない。
過去の辛い経験が今の彼を支えている。
終盤は行天によって本当に大事なものを多田が気づいていく展開が待っている。
予定調和だとはいえ心地よいことこの上ない。
三浦さんの凄いと思うところは、決して読者が多田を否定出来ないところである。
なぜなら、多田の心の中にある自分の過去に対する“わだかまり”って読者が常日頃持っている不安感や寂しさの象徴のような気がするからである。
この意見に同意してくれる方は、おのずからこの作品の評価が高くなると確信している。
逆に行天は“処方箋的役割”を担って本作に登場している。
ほんの小さな幸せが実は大きな幸せなんだ。
大切なことを気づかせてくれた贅沢な読書であったことを最後に書き留めておきたい。
活字中毒日記

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紙の本

気づいたら胸の内を占領されていた!

2009/11/02 11:56

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yuki-chi - この投稿者のレビュー一覧を見る

三浦しをんは、
男性間にそこはかとなく漂う「情」を描くのが上手い!!

行天という男、一風変わっている。
自分のことは一切語らないから、いまいち得体が知れない。
他人のことなどお構いなく、自分の意のままに行動する。

行動は突飛だけど、型破りな痛快さがあるでもなく、
愛嬌があるわけでも、筋が通った自分流哲学があるでもない。
小説キャラとしても、瞬時に心を捉えられて、好きになるタイプではない。

そんな行天に振り回され、うんざりしている多田視点で物語は進む。

しかし、読むほどに行天の持つ魅力が胸の中にじわじわじわ~と入り込んでくる。
好き勝手なことばかりして、他人のことなんて興味ないって感じのなのに、
「本当は誰よりもやわらかく強い輝きを、胸の奥底に秘めている。」
本人はもちろん気付いてない。
そんな彼の心の輝きを周りの人物みんなが受け取っている。

ひどく傷つけられた自分の過去があるからか・・
人の傷みにとても敏感な行天。
人の傷みを自分が被って自分の傷にしようとするかのような行天の優しさが切ない。

「愛情というのは、与えるものではなく、
愛したいと感じる気持ちを相手からもらうこと。」
凪子さんの言葉に心が震えた。
まさに私は行天からそんな「愛情」をもらった。

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紙の本

右のポッケにゃりんごがある~?左のポッケにゃタバコがある~?

2009/05/20 13:01

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

こんな面白いものを書く人の作品を今まで読んだことが無かったことを本気で悔いた。
キャラ・設定・事件・長さ・構成・・・どれをとっても○。まあ、芥川賞系のモノから見れば軽いノリだし、一話完結の漫画のような雰囲気だし、胡散臭いし(笑)、ご都合主義ではある。
至極真面目な方にはくだらん、と捨てられてしまうかもしれない・・・が、それでも涙したくなるほど良いストーリーなのだ。

東京の辺境まほろ駅前に便利屋を構える主人公・多田。かつての高校同級生・行天が居座り2人は様々な人々の依頼を受ける。お金を出してまで他人に依頼事を片付けてもらう必要に迫られている人々がいる限り、多田便利軒の仕事は続く。
人を食った飄々とした行天に振り回されながら、多田と行天は今日も軽トラックを走らせ、犬探しから家具の移動の手伝いまで何でもこなす・・・。
とまあ、ドタバタ色々な事情を抱えた人と関わりやんわりと包んで仕事を終えていくあんちゃんたちの痛快?ストーリーなのだが、後半には彼ら二人の暗い部分がクローズアップされていく。
最終章は育ての親に感謝しつつも自分の「産みの親」の今の現状を結婚前にどうしても知りたい、近況報告をして欲しいという青年の依頼。彼は病院で同日誕生した赤ちゃんと「入れ替わって」しまったことをDNA鑑定で知ったという。
「産みの親」の家庭でもまた似ていない(本当の子ではない)子供と葛藤が繰り広げられていたが、そのことを伝えるべきとする行天。反対する多田。
行天はDVを、多田は自分の子ではないかもしれない赤ちゃんを不注意でみすみす死なせてしまったという過去を、それぞれに持つ。反発し仲たがいしてしまう二人だが、しかし彼らが欲しがっている答えは同じ形をしているはずだった・・・

きっとそれは 失ってしまった信頼も、愛情も、親も子も、友情も、何もかもがいつか必ず「再生」するのだという 答えだ。

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紙の本

久しぶりに「面白い」と思える小説に出会った。

2011/10/21 08:09

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

まほろ駅前で、便利屋を営む主人公多田と、偶然に出会った元クラスメート行天との「個性的な」二人が出くわす事件。「便利屋」という時点ですでに「小説的」で、事件の発生を暗示させるものであるが、主人公の二人のキャラの「濃さ」の方が印象的です。最後には明かされますが、「過去」を引きずる多田、多田が「主犯格」として学生時代に起こした事件の相手である行天。「暗い」部分を持った人間が、便利屋稼業を遂行していく中で出会う「クセのある」人物たち...
「小説的」ですねー。現実とはかけ離れたドラマの世界。もちろんそこを受け入れたうえで、読めるんですね、非常に楽しくワクワクしながら読めます。その世界の中でうごいている人たちの「人間臭い」部分、主役以外も際立っています。続きが気になって読み続ける、なんていう体験を「小説」で実感したのって、久しぶりのような気がします。
発端は、「居場所」を失った行天と、主人公が出会うところから、ですが、便利屋という仕事をしている多田においても、実は「居場所」があるようなないような状態であって...水商売の女性や、10代のヤクザ、親に愛されない(と感じている)子ども、「居場所」を探している、探しながら生きている人たちが登場します。その中で、主人公はこれまで捨てきれずにいた「過去」を受け入れ、乗り越えられるような心情に移っていく。居場所を見つけにいくような準備が整いつつあるような状態まで「帰って」きます。
特に「心の病」って、時間が解決する、っていう簡単なものじゃなくて、やっぱり残るもの。それを「忘れようとする」のか「受け入れる」のか。受け入れたうえで、次に進んだ方がいい。多分完全に捨て去ることはできないのだから。妥協ではなくて、「次」の一歩を踏み出すために受け入れること、簡単ではないけれども、そう考えるべきかと思う。 どんなに苦い経験であっても、それは「今の自分」を構成している一部であるのだから...
まあ、こんな読み方をする必要もなく、シンプルに「娯楽」として読めば十分に楽しめると思います。著者の本は2冊目ですが、小説は初めて。軽快で、「続きが気になる」気持ちにさせてくれるスタイルはひきつけられます。多分、これから何冊か読んでいくことになるかと...本作のDVDは、見ないと思います。今読後のイメージのままでとどめておきます。

【ことば】不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはないと思う。どこで踏みとどまるかは北村クンが決めることだ。

主人公多田も、行天も、「内側」に問題を抱えている依頼者(あるいはその関係者)に対して、本質的な「言葉」を投げています。堅苦しくなく、嫌味でなく。この「ことば」を意識しながら読み進めるのも、面白い。

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紙の本

男二人、面白い作品です

2015/09/23 08:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろべぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、基本設定と話の運びがユーモアたっぷりで、登場人物が豊富で、ポンポンと話が進み、面白い小説です。確か、本屋大賞を受賞したんですよね。
読みやすかったです。三浦しをんは作品ごとに作風が変わるので、それがとても楽しみでもあります。
まほろ市は「町田市」で現実の市の様子が作品で描写されているのがなんとも楽しみです。これって三浦しをんが住んでいるからですよね。
主人公の便利屋の多田と冬の日に再会した高校の同級生・行天。便利屋家業はドタバタで笑えますが、二人の過去が徐々に開かされてきます。男二人、これからどうなるのだろう? と思いましたが、続編が出ているのですね。そちらもさっそく読みました。

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紙の本

架空の世界からの静かな励まし

2008/10/28 08:34

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

友人が「これは地元のM市をモデルにした話だから」と言って
貸してくれた。

M市は、私が幼稚園から高校卒業までいたところ。

方向音痴の私でも、市内は町の単位まで名前を覚えていて、
作品の中で微妙に名前が変わっていても、
すぐにどこのことを言っているかわかる。

かつていた市のすべての町名が分かるわけではないけれど、
一呼吸置いて、そうか・・・とニンマリしてしまうような感じだ。

どこにでもありそうな便利屋のちょっと翳のある店主と
ふらっと現れたかなり変わり者の元同級生が主人公。

主人公たちが卒業した「まほろ高校」は、
どうも私の母校をモデルにしているらしい。

人称は三人称で、便利屋店主の視点で語られる。

脇を固める人物たちも、変人揃い。

私の周りにはこんな人たちにはいないと思うのだが・・・。

でも、妙にリアリティーが感じられる。

変な人たちだと油断していると、たまに、深いことを言ったりする。

帯にも使われている結びの言葉が、私は、結構好きだ。

「今度こそ多田は、はっきりと言うことができる。
幸福は再生する、と。
形を変え、さまざまな姿で、
それを求めるひとたちのところへ何度でも、
そっと訪れてくるのだ。」

いろいろあったけれども、
それでも生きていけるという
静かな宣言に思えるから。

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紙の本

タバコの煙が充満している小説

2007/02/28 17:00

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふじつぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

便利屋を営む多田と高校時代の同級生・行天。
ちょっとダークな過去を持つ二人の男とそれを取り巻く人間模様の物語。
読み終えた時にじわ〜っとあったかいものが心に残ったものの、以前テレビドラマで観たような設定と流れが、
直木賞受賞作にしては新鮮味に欠け、パンチ不足という印象。
適当なようでいてきっちり人とかかわっている、そんな二人の間にしだいに漂ってくる男臭い友情は
女にとって羨ましく、読んでいて心地よかったです。

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紙の本

とんでもない男にふりまわされる男

2006/04/20 11:53

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まほろ駅前にある多田便利軒の多田は、ある日かつての同級生である仰天(これが名字なのである)に『転がり込まれる』。一晩だけ、と言いつつ、お人よしの多田は結局仰天にいつかれることになる。かといって、仰天が悪い男というのでは、毛頭ない。実際、多田と組んで仕事をするうちに、仰天は多田にはできない判断をして多田を救うことが何度もある。例えば預かりもののチワワを、娼婦にやることを多田はよしとしないが、仰天は「本当に犬を必要としてくれている人が適任だ」と言ってその娼婦にチワワをやる。この判断は適切だったが、この結果仰天は娼婦の彼氏気取りのチンピラに関わることになり、そうなるとなったで平気でチンピラを挑発して自らが腹を刺されたりもする。結果、多田は多大なる迷惑を被る。一事が万事、このようで、いい働きをしたと思えば迷惑なこともする、そしてそれを全く気にしない。飄々とした男、それが仰天である。そして、それがかっこいい。
 多田と仰天との間には学生時代の因縁めいた話もある。しかし、それをここでは明かすまい。ただ、それは、この連作中編集においてひとつの謎となっており、作者の話運びの巧さを感じさせるものである。
 最後に、仰天の基本ラインはとぼけたキャラクターであることを、再度ここに主張しておこう。そしてそれが真面目な多田とのいいコンビになっていて、笑える場面をいくつも作り上げている。それがこの作品の最大の魅力だ。

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紙の本

読めば判る「まほろ市」

2016/09/24 04:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る

舞台は、勿論架空の「まほろ市」だが、私の住んでる街を、モデルにした話。 この著者さんも住んでいらしたらしい。 だから読みすすめたら「ああ!」とニャッとした。 何か、この土地の「におい」を巧みに吸い上げている。 ここに棲む「魚」としては「水」をもらった感がある。 まっ、かなりのドメスチック感があるので何か、B級グルメっぽさはいなめないが、ジモピーとしては「住めば都」の感も、たっぷり味わえる一冊。 当然、この作品の「映画」も映画館へ行って観た。

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紙の本

最近は、この手の評価をすることが多いんですが、このオハナシも三浦しをんでなくても書けるんじゃあないか、って思います。それにイラストと登場人物が全くマッチしていないし・・・

2006/05/13 22:41

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

まずブックデザインがいいです。文春の軽装本史上一二を争うデザインじゃあないでしょうか。基本的には新潮社のクレストブックのパクリなんでしょうが、もちろんそれを超える部分があります。まず、前康輔の写真ですね。よーく考えればユーモラスなんでしょうが、一見、アヴァンギャルド。前衛してます。
で、次が色合いですよ。全体の基調となるオレンジ、というか朱色というか、それがじつに心地よい。私はかってにイタリアン・オレンジなんて読んでますが、インテリアにつかってもいいような暖かさです。そして本のタイトルと著者名の入れ方。五文字づつきれいに並べて4CM角の正方形の中にきれいに並べる。そのときの字体が、レイアウトを意識してるんですね。装幀は大久保明子。本文イラストは下村富美。
目次 〇 曽根田のばあちゃん、予言する、 一 多田便利軒、繁盛中、二 行天には、謎がある、三 動く車は、満身創痍、四 走れ、便利屋、 四・五 曽根田のばあちゃん、再び予言する、五 事実は一つ、六 あのバス停で、また合おう、の六章+ボーナス章二つの構成。
で、これだけみると何?って思うんですが、実際に目次を見ると、これがまたデザインされてるんですね。ただし、惜しむらくは全て三浦が仕組んだことじゃあないんで、字数が合わずに中途半端ではあるんですが、句点までいい感じ・・・
で、イラストとミスマッチングなんですが、主人公と言っていいのはどう読んでも三〇代で気力もなんにも感じられない二人の男、多田啓介と行天春彦です。二人に共通しているのは、同じ都立まほろ高校に通っていた(実際、同級生だった)、ともに結婚して子どもをもうけた、でも今は一人暮らし、金、殆どなし、彼女、なし、という点でしょうか。
で、舞台となる“まほろ市”ですが「東京の南西部に、神奈川に突き出すような形で存在する。」「地方に住む祖母は、何度言い聞かせても、「神奈川県まほろ市中町一丁目23 多田啓介様」という宛名で手紙を送ってくる。」。
「私鉄箱根急行線は、まほろ市を縦断して都心部へとのびている。まほろ市民はこれらを「ヤンキー輸送路」と呼ぶ。そして、まほろしの夜は「東京に遊びに行くべ」といいながら、六本木には足を伸ばす度胸のない田舎物であふれる。」とまあ、なんていうか東京の下妻、っていうか、違うんですけどそういう場所です。
で、その駅前に店を構えるのが多田便利軒です。電話一本でどんな仕事でも請負います、というマイナーな職業、一種の隙間産業ですね。でもそれなりにやっていけるのは競争相手がないこともあるでしょうが、やはり田舎(東京なんですが)の人たちのノンビリした風土というか心の持ちようなんでしょう。
で、バスが間引き運転をしてるんじゃないかと、疑心暗鬼にとらわれている老人のためにバス停で運行状態をチェックしているのが便利軒の経営者の多田で、その彼の前に姿を現したのが高校時代の同級生の行天です。多田自身は全く個性のない人間ですが、行天はあまりに個性が強いです。なんたって高校の三年間、学校で一言しか発しなかったというんですから。
で、その一言を言わしめたのが多田で、それがある意味トラウマというか、二人の間に微妙な力関係を生むわけです。で、バツ一同士がひょんな事から共同生活を始める、っていうか多田がひたすら問題先送り方の人間であるため、ズルズルと暮らし始めてしまう。ま、ここらをどう読むかでこの作品への評価が大きく変るんじゃないでしょうか。
ちなみに、私は珍しく三浦のこの作品を娘に回さなかったのですが、その理由は、たとえイラストでイケメンに描かれていようが、小説中の多田・行天はショボイ中年にしか思えないこと、二人の性格があまりにウザクて、三浦にしては珍しくユーモアが空回りしていること、などからです。

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紙の本

まほろ市は「倭は国のまほろば」の「まほろ」だろう。千葉大学文学部教授の三浦祐之先生の著書『口語訳古事記』によれば「マホロバはマホラマとも言いもっともすばらしい地のほめ言葉」とある。

2008/07/09 14:40

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

まほろ市。東京都下南西部にある最大の住宅地、神奈川県と川を隔てて隣接している。いかにもモデルがありそうなのだが………、どこか現実離れをして蜃気楼のようにもやもやと歪んだところのある著者が作り出した空間である。ちょっと町の外に出れば農家があるのだが、市内は歓楽街、電気街、書店街、学生街があってスーパー、デパート、商店街、映画館、そして銭湯までもがそろっている。そんな町が現実にあるかもしれないと思わせながら、夜にはヤンキーがあふれるとなれば私の知っているいくつかのベッドタウンには該当しそうもない。まして駅裏は昔の青線で昼間から客引きの女が立ち、客を引き入れる平屋がひしめき合っているのであるから、これはどうとらえても虚構の空間である。平穏な日常生活の隣りあわせで猥雑と暴力と狂気が同居している。なんとなく今の日本の縮図であるかのようで風刺的表現なのだろう。

便利屋の多田啓介に仕事を依頼する人たちも全員が普通ではない。ちょっとずれている。物忘れがひどくなって病院生活をしている孤独なおばあちゃんをその息子を装ってお見舞いに行く。私にも要介護の母親がいるが、この依頼主はひどく親不孝な奴だと思うのである。いや、そうではなくやはり親孝行を表現する現代人の一つの工夫なのかもしれない。元農家の大地主からは一日中バス停前でバスの運行を監視し、間引き運転がなされているかを確認する依頼だ。この依頼主だって悪い人ではなさそうだが、偏執狂的で薄気味が悪い。私の家にはペットのトイプードルがいるが、ペットのチワワを留守の間と彼に預けて夜逃げしてしまう依頼主だってどこかゆがんでいる。新しい恋人ができたのでいま付き合っている男と別れるための手伝いにしたってそうだ。自称コロンビア人の娼婦・ルル、そのルームメート・ハイシー、ルルのヒモ・シンちゃんなどもとてもまともな人種とは思えない。ところがまほろ市はこの異質なところを異質なものと感じさせないでそのままに彼らを抱きこんでいる。
多田啓介だけが日常的といおうか常識的人間である。だからこうしたちょっとゆがんだ事態に直面したときに「怒りを感じるほど理想には燃えなかったが、むなしさを覚える程度には、自分の職業に誇りと愛着」を持ちつつ、つまりほどほどに軽快なリズムで毎日を送っているのだ。そして彼の下に高校の同級生であった行天春彦が無一文の状態で転がり込んでくる。高校三年間で指を切り落とした際に「痛い」と口にしただけであとは沈黙を守り続けた変わり者である。このとんでもなく非常識な人間と常識人間の多田啓介が掛け合い漫才よろしく非日常的依頼主たちを相手に飄々として生きていくおかしさを描いている。そういう生き方にあるほろ苦さを垣間見せる。

物語は便利屋稼業エピソードの積み重ねで進むが、ラストに複雑にねじれた出生の真相を下敷きにした親と子の問題が重要なテーマとして浮かび上がる。それは依頼主・北村周一の悩みでもあり、行天の問題でもあり、実は主人公の多田啓介にも重たい過去がある。
昔からよくあった大衆ドラマで生みの親か育ての親かとか出生の秘密は隠したままがいいのかといったおなじみのテーマであるが、現代的にかなりひねって三者三様の人間ドラマが描かれ読ませる作品として完成している。

「この作品は現代版のお伽話ですね。昔々あるところにではなく、今の今あるところに………で始まる。ひねった出生へのこだわりがあるようで、実は著者はどんな家庭に生まれたんだろうと首をひねったんですよ。」
と、冗談で私は初対面の三浦教授に話しかけた。先生は古事記、風土記など古代文学の研究家であり三浦しをん氏のお父上である。ひとしきり雑談をしたあと娘さんの作品の話になった。
「ちょっと軽すぎますね」と三浦教授。
「最近の芥川賞・直木賞もそうですが、ベストセラーに親子ものが多いですね」と私。
「ああいうのは苦手です」とのことだった。
このところ続いた親子もののベストセラーを挙げて
「三浦しをんはこの流行のさきがけだったと思います」と言ったら
「本人が聞けば喜ぶでしょう」とにっこりされた。

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紙の本

便利屋は便利な題材だ。

2007/05/28 11:09

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投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

便利屋を題材にするのは反則でしょう(*`н´*)ノ
なんせ、便利屋ですからね。物語の進め方も、素材も、なんでもあり。
その中に一つ中心となる問題やオチがあるのは想定内。
結果的に言えば、これがなんで直木賞をとったか分かりません。
確かに、ラストの爽快感はこのズルさを許せるほどの力があるとは思いました。
物語の進み方、登場人物の魅力。確かにあります。最初から最後までおもしろかったです。
でも…これはなんか反則!!!!

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