サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

「e-hon」キャンペーン 本の購入でe-honポイントが4%もらえる ~7/31

「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 270件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2006/12/21
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/492p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-509011-9
  • 国内送料無料

紙の本

百年の孤独 (Obra de García Márquez)

著者 G.ガルシア=マルケス (著),鼓 直 (訳)

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底な...

もっと見る

百年の孤独 (Obra de García Márquez)

税込 3,080 28pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

紙の本
セット商品

ガルシア・マルケス全小説 10巻セット

  • 税込価格:28,050255pt
  • 発送可能日:購入できません

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。【「BOOK」データベースの商品解説】

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく100年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家に受け継がれた孤独の深淵。20世紀後半の世界文学を力強く牽引した怒濤の人間劇場。〔1999年刊の再刊〕【「TRC MARC」の商品解説】

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

ジュンク堂

みんなのレビュー270件

みんなの評価4.4

評価内訳

紙の本

文学的評価が高い作品です

2023/10/22 08:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:通りすがり - この投稿者のレビュー一覧を見る

文学的評価が高い作品で「おすすめ文学100選」など検索すると、必ず上位に来る作品です。
なので、一度は読んでおいた方が良いかなと思う作品ですね。

内容は、中世と近代が入り混じったような不思議な世界観。
魔法のような描写があるかと思えば、近代的な機械や銃なんかも登場する。
こういうのをマジックリアリズムというらしいです。

あとは同じ名前の人物が沢山登場して、誰が誰だか分からなくなるw
この辺りはラテンアメリカ文学にありがちな難解なところが顔を出します。

読後感は、何とも言えない喪失感があります。
過去の思い出が走馬灯のように流れ、その町の記憶が蜃気楼のように消えて行く様を見ているような感じでした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

読みづらいが

2023/10/12 10:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

入植者一族の何代にも渡る歴史を書いた一種の大河小説である。索引 や 家系図を見ながら出ないと読めないほど登場人物の区別がつきにくい作品である。文体 語り口も独特で決して読みやすいとは言えないが、不思議な やや麻薬っぽいような魅力がある。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

圧倒的な情報量と重厚な物語

2023/10/11 08:25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読むのに一週間ほどかかりましたが、それくらい情報量が多く、かつその情報一つ一つが後の物語につながっていく重厚感のある物語でした。
最後の文章を読んだときに、一気にその情報が昇華された感じも与える傑作。
しかし、もう一度読むかと言われると疑問符がつく。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

熱帯雨林のような暗さと生命力を感じる物語

2021/06/27 12:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る

過去と未来、現実と非現実、この世(此岸)とあの世(彼岸)を行ったり来たりしながら綴られる、南米のある場所(どこかはよく分からない)を開拓して”マコンド”街を興し、そして街と一緒に消えていった開拓者一族の物語です。
さまざまなエピソード(血生臭いものから不可思議なものまで)が盛りだくさんの物語なのに、その語り口は極めて静かです。鬱蒼とした深い森独特の、生命の気配に満ちた暗さ、時折響く「ギャー」という得体の知れない鳴き声に破られビクッとさせられる静けさ、そうしたものがこの物語の通奏低音となっています。
登場人物一人一人が、並外れて濃い家族への愛情や情念、情欲、野望を持っているのに、「家」というものに強く支配されて生きているのに、それらが共有されることなく深い”孤独”を抱えながら消えていきます。それはまるで多様な種が互いに絡み合い競争しながら繁り、そして朽ちていく熱帯雨林のようです。特に一族と街が崩壊していくときの早さといったら、熱帯の無慈悲なほど旺盛な代謝を思わざるを得ません。
ガルシア=マルケスの本は初めて読みました。決して読みにくくはないのに(訳もいいのでしょう)、すいすいと読み進むことができない。藪漕ぎのようにちょっとずつ読んでいる間に、蔦に絡め取られるような不思議な読書体験でした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

百年の孤独

2021/03/22 14:54

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ラテンアメリカ文学の傑作にして、世界文学の、そして20世紀文学の傑作でもある、ガルシア・マルケスの長編小説。
近親相姦により「豚の尻尾」の生えた子どもが生れないように、という心配から生まれ育った村を離れ、新たな村「マコンド」を開拓したホセ・アルカディオ・ブエンディアとその妻、ウルスラ・イグアラン。この二人の間に生れた子どもたちが成長して子どもを作り、ブエンディア家はマコンド村とともに発展していくが、その発展にも拘わらず、不幸や悲劇が「影」のようなものが付きまとい、やがて100年がたって一族に「豚の尻尾」が生えた子どもが生れ、マコンド村は風とともに崩壊してしまう。
どれだけ発展しようとも、いい事が起ころうとも、なぜか心が躍らないのは、やはりこの一族の歴史には「孤独」が付きまとっているからではないかと思った。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

蜃気楼の町

2020/05/04 16:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

架空の町マコンドの誕生から消滅までを描いた小説。騙りの奔流のような奇怪な出来事が最初から最後まで立て続けに起こり、こじんまりした現実らしさを押しやってひたすらに幻惑される。似たような名前の人物が複数、それも何代にも渡って登場して来るが、その異様な人物たちは何かに憑かれたように懸命に生きる。抒情以上に叙事的で神話的。グロテスクで猥雑。抑制よりも過剰。辻褄合わせより幻惑。面白いというより、行き過ぎた満腹感で、読後はどっと疲れるし読み終わってぐったりした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

たまらん

2020/01/04 16:55

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る

これはたまらん。
題名だけはずっと知っていて、いつか読みたいと思っていた本をついに読みました。
この世界観はたまらなくいいですね。
ただどっぷりと浸れる幸せ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

読み終えた満足感がすごい

2019/01/25 23:54

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

雑誌・考える人の「海外の長編小説ベスト100」に選ばれた不朽の名作に挑戦。近親者の結婚が多いために「豚のしっぽがある子供を産まれること」を恐れて、生まれ故郷を捨ててマコンドに移り住んだブエンディア家の100年間の興亡を描いた作品。たびたび家系図を見直さないとよくわからなくなる似たような名前がたくさんでてくるので少し疲れるが、それ以上に読み終えた満足感がすごい。ブエンディア家の個性的な面々も強烈な印象を残すが、ジプシー・メルキアデス、トランプ占いのピラル・テルネーラ等おかしな人(いかれた人)がたくさん登場し飽きることがない。すべてが無となった結末にそっと本を閉じた。すばらしい作品。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

一族と個と、物語を持たないわたしの孤独

2019/01/05 21:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:丸焼きちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

とりつかれる本、をほとんどの人が一生にかけて一人一冊は持っていると思う。自分にとってはこの本がそれ。
年末から年越しにかけて、一冊本を読むのがここ数年の習慣なのだが、この本だけはとりつかれたように、紅白も年末のごちそうも、初売りさえも放り出して、貪るように読み続けた。とにかく、次々と飛び出すブエンディア一族の者たちが持つ、一癖も二癖もある物語の数々から目が離せない。先祖の誰かと同じ名前の娘が、息子が、生まれて死に、物語を繰り返していき、その果てに一族の滅亡とひとつの村の栄枯盛衰が重なりあう。わたしという個の物語は、結局一族の誰かの物語の繰り返しなのかもしれない。背負うべき一族や血を持つ何者かにとっては。
読み終えて、一族の物語を持たない現在を生きる、無数のわたしたちの行方をふと考えた。どこにでもいける、物語を持たないわたしたち、はどこにいくのだろう。きっと、わからないなりにどこかへといくのだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

決して読みやすくは無かったけれども

2016/02/28 12:18

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る

まずは、一段落が長すぎて読みにくいことこの上なかったです。
原典に当たっていないので著者を批判するわけにはいかないと思いますが、役者ももうすこし読みやすさに注力して頂きたかったと思います。
内容は、読みにくい文体と比較して非常の面白い内容でした。
日本の小説には無いジャンルだと思います。
家族と国家の百年間の歴史をこういった形で小説に出来るガルシア=マルケスには感動しました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

20世紀を代表する1冊

2015/07/24 03:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

20世紀ラテンアメリカ諸国の小説家がノーベル賞を立て続けに受賞したことにより、マジックリアリズムが大きな注目を集めた。現実と虚構が入り混じった世界には、シュールレアリスムにでてくる精神分析はなく、民間伝承や神話に深く引き込まれていく。その代表作ともいえるのが本書ではないだろうか。固有名詞の乱出や時間の流れの攪乱などに苦しめられるかもしれない。物語のすべてを否定するラストはぜひ多くの人に読んでほしい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

百年の孤独

2013/03/19 09:18

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ホームズ - この投稿者のレビュー一覧を見る

色んな人物が登場し色んな物語が展開されていく、好みの話や読みにくかったり色んな事が楽しめる作品なんだな~(笑)名前が同じ人が多くって世代がごちゃごちゃになってしまったりしましたが面白かった~(笑)アウレリャノ大佐が好きかな~(笑)ガルシア・マルケスの作品は今のところ物語の内容もいいけど読んでいて心地い感じの雰囲気がいいな~(笑)生きてるうちに何回か読み返したいな(笑)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

百年の孤独閲してリラの花

2012/05/18 15:33

11人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

この古き本読み始めて以来我が家に異変相次ぐ
深夜に玄関のベル鳴り柱時計真っ逆さまに落下して柔らかき腹の上をオオムカデ往来す 庭に埋めたる愛犬の夥しきウジ振り払いつつ座敷に飛び込むを懼れて今朝は斎戒沐浴
十二所神社の護符を額に張り付け護摩を焚き畏み畏み加持祈祷
怨敵退散諸霊鎮魂謹んでみたま鎮めの祈りを捧げるなり

山の彼方の空遠く 空の向こうに海がある 
海の向こうから人が来て 人はどんどん人を産む
親の因果は子に報い、子供の因果は孫に来て、
孫の良き血も悪き血も 曾孫と玄孫に流れます 
それでも切れぬ因縁は
巴里にロンドン、ニュウヨオク、
ボストン、東京、リオデジャネイロ、
コマンド、柳河、ローデンバック、
丹波の国の里山の、世界のどこに生まれても、
来孫、崑孫、仍孫、雲孫と 家族大樹は果てもなく
どこどこまでも伸びるのじゃ 
東西南北変わりなく 成さぬ仲でも親は親、豚の尻尾でも子供は子供、
子供を産むのは両親で、二人の親には祖父母あり、
その祖父母には親がいて、親の因果は子に酬い、
奇人変人みな死んで 死んだとおもうたはこりゃ目の錯覚
あれそこに飛ぶ黄色い蝶 真っ赤な雪が降るぞえな 
大きな栗の樹の下で 身の丈十丈の大男 
死んでも見切れぬ夢を見て 色即是空 輪廻転生
一目瞑れば百年で 二目瞑れば千年で 三つ瞑ればスフインクス  
因果は巡る風車 西郷隆盛娘です 
さあさ皆さんお手を拝借 五十六十洟垂れ小僧 
八十九十糞喰らえ 百歳なんてあっと言う間 
万人善人 霊魂不滅 一族再会 倶会一処 
さてもさても
なんのおめえが孤独哉

        百年の孤独閲してリラの花 蝶人

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽くしながら………。」 はなはだ要約が難しいだけに、作品のあらすじを語るとすればこのコピーは急所を突いている。

2011/06/12 18:46

8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「蜃気楼の村」であるから現実にはありえない時空だと私は思い込んでいる。その村に杖のように大きい棒磁石をもったジプシー・メルキアデスが現れ、村中の金属をひきつけてみせる。望遠鏡をみせて遠くのものを近寄せてみせる。ジプシー集団は氷塊(これはその村には存在しないものだった)に触らせる、錬金術の魔法で、あるいは空飛ぶ絨毯で、などなど超絶のワザで村人を驚嘆させるのだ。族長のドン・ホセ・アルカディオ・ブエンディアは彼等のもたらした科学技術に夢中になり、身代をなげうってそれを極め、村の発展を導くことを構想していく。

このイントロに私はスタンリー・キューブリックの記念碑的作品『2001年宇宙の旅』の冒頭シーンを思い浮かべました。猿は宇宙の意思が地球に仕掛けたモノリスに触れて、道具を使い始める。棍棒を武器とし、敵対する部族を制圧する。勝利の雄たけびとともに棍棒を空高く投げ上げると、それが巨大な宇宙船に姿を変える。実に印象的な映像でありました。

それにしてもこのお話、いつごろの時代でどういう場所を想定したのだろうかと気になって、実はそのあとは退屈を覚えながら、読み進めると、120ページあたりで突然「自由党と保守党」が登場。これは現実世界の物語なのかとびっくりさせられました。そう、これは現実世界のお話だと判った。とりあえずは(というのはそんな一筋縄でまとめられるシロモノではない)この物語の「主人公はコロンビア共和国」そのものなのだと短絡的に断定してしまうと、ここからはエンタテインメント並みに面白く読めます。

1499年に,アロンソ・デ・オヘダがスペイン人として初めてコロンビアの地に足を踏み入れ,1509年にはスペインによる征服が開始された。1819年スペインからの独立。物語の冒頭、若き族長のドン・ホセ・アルカディオ・ブエンディアとその妻ウルスラが若人たち300人の村マコンドを立ち上げたのは1850年ごろではないだろうか。

彼の曽祖父は新大陸生まれのタバコ栽培業者で彼女の曽祖父はスペイン人の商人だったことからおそらくこの夫婦は先住民との混血種と推定される。百科事典からえたところだがコロンビアでは先住民と白人の混血(メスティソと呼ばれる)が反ヨーロッパの立場で政治・経済をリードし、精神的には先住民文化に自分たちのルーツを求め、国家形成の進展に並行して国民文化の担い手になったとされている。とすればここに登場する人物はコロンビア形成の象徴的存在として描かれていると推定できる。

さて二代目のアウレリャーノは内乱の軍事主導者になるのだが、その歴史背景を見れば
「保守主義派と自由主義派の武力抗争は19世紀だけで8回を数え、両派の対立は容易に暴力を伴った紛争にエスカレートする傾向が強まっていったが、これが19世紀末の1899年には〈1000日戦争〉という内戦に発展する。」(平凡社世界百科事典)
アウレリャーノの一生はまさにこのとおりなのだ。また物語にある工場ストライキに端を発した政府軍による市民虐殺、物語の後も続いた武力抗争で20万人の犠牲者、そして現代の麻薬戦争………と流血の惨劇を繰り返しながらコロンビアは存在している。

ところでこの作品がコロンビアそのものを描いたものとするのはあまりにも一面的に過ぎる。
「村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人」………であるが、これが途方もなく大勢の人物群でありこれに関わるものたちが加わり、登場人物は膨大にして数え切れない。それぞれのエピソードを適切に記憶するのは至難のワザである。共通して、一族のものたちは、好奇心から、あるとき覚醒し、何かを成し遂げんとする熱狂、そして成功。やがて倦怠と衰退。そして挫折がある。しかしそれだけでは終わらない、改めてエネルギーが発火し、再生の循環が始まるのだ。グルグルと執拗なまでに渦巻き状に回転する狂気の生を送るのである。さらにもう一人に同じような渦が生じ、また一人と幾重にも相互に干渉しながら、また逆流もしながら、相似の渦巻き型人生の詳細が語られる。それらの中心軸は百年の移動をするわけなのだが、読後は百年もの時が流れたとは感じられない。「蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまで」がまるで一瞬であったかのように、そう、「邯鄲の夢」から覚めた余韻がこれなのかもしれない。

登場人物の生殖行動も凄い。そして「ブエンディア一族の運命」には近親婚がある。それは始原的活動力の象徴なのかもしれない。この物語は初代の女主・ウルスラが抱く近親婚のトラウマが発端になっていて、ラストでその運命の帰結が現出することは見逃せない。

まとまった感想を述べるには私には力不足であり、ただ読みながらどんなことを想起したかを述べておこうと思う。

松尾芭蕉『奥の細道』
「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」
「夏草や兵どもが夢のあと」である。
また蕉風俳諧の理念といわれる「不易流行」である。「百年の孤独」の世界、すなわち激変する現代を生きるための大切な人間の軸足ではないかなどとも思い合わせるのだ。

鴨長明『方丈記』
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし 世の中にある人とすみかと、またかくの如し」である。

タイトルは「百年の孤独」であり、たしかに「底なしの孤独」を描いているのであるが、自己確立の裏返しにある「孤独」という西欧的なものよりも、日本人の感覚としては「無常観」に限りなく近い、この世の無常を透徹した人間にそなわる「孤高」に通じているような気がした。

とはいえこの無常観も一面的とらえ方に過ぎないという感覚が残るのだ。
『2001年宇宙の旅』は高度文明の究極に見えた宇宙の覇者としての人類が、ハルと呼ばれるコンピューターに逆襲されるのであるが、あのラストシーン、宇宙に浮かび上がる胎児の大写しのイメージがそれである。

蜃気楼の村マコンドは隆盛を謳歌してのち廃墟と化す。私にはそれで終わりではなく、新たなリサイクルの始まりではないかと思われるのだ。復活があるとすれば、それは万物に優位した人類がこれまで蓄積してきた「智恵」という理性の働きに導かれるものではなくて、ブエンディア一族のこのむき出しの欲望、すなわち生きとし生けるものに共通する「始原の生命力」が原動力となるものではないだろうか。

科学技術の進歩、合理主義の徹底、人類の理性が成し遂げた高度の文明社会。永遠と信じたこの恩恵が、あっという間に崩壊した現実に今茫然と立ち尽くしている。自然はもとより、自分たちが作り上げたものすらコントロールできなくなった事実を誰もが認めた。人間の驕りを誰もが認めた。これまでの世界観が一変するあまりにも冷酷な現実を突きつけられた。そしてもっともらしい無常観では今日のメシにはありつけないのである。

『百年の孤独』を今読むべき理由がこのあたりにある。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

桜庭一樹は自ら『赤朽葉家の伝説』について言っていますが、阿部和重の『ピストルズ』、そして西尾維新の小説ですらこのマルケスの作品の影響下にあるんじゃないでしょうか。何度でも繰り返し読むことができ、そのたびに発見がありそうな、孤島に持っていくには最適な一冊です。

2010/05/27 20:18

19人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』に出会っていなかったら、私はこの名作というか奇作を読むことはなかったかもしれません。それほどに『赤朽葉家』は面白かったし、桜庭が『百年の孤独』に寄せる想いは大きいものでした。多分、桜庭作品にほれ込んでしまった読者の多くが、この本の存在を知り、それならば、と挑戦したのではないでしょうか。改訳版の発行が2006.12.20で、私の手元にあるのが 2009.5.15 8刷とあります。さすがロングセラー、着実に読者を拡げています。

それにしても、好きですね、このカバー。ま、全体を見ないでいうのは何ですが、ここだけみれば完全に書の世界。しかも前衛、それでいてどこか古賀な趣がある。このガルシア=マルケス全小説のカバー画はどれも秀逸ですが、角背とややアイボリー入った質感のある紙、それにモノトーンの現代画、そして文字を白、金、銀を使って配する、新潮社装幀室っていうかShinchosha Book Design Divisionの実力を見せつけられる気がします。I think so. 

そのカバー画とデザインについては

Drawing by Silvia Bachli
91.7:without title,1991,"LIDSCHLAG How It Looks",Lars Muller Publischers,2004 through WATARI-UM
Design by Shinchosha Book Design Division 

とあります。

本文のほうですが、正直、あまりに夥しい数の人間が、殆ど同じような名前で登場するので、巻頭の家系図を見ながら読むのが正しいかもしれませんが、私としてはむしろ、同じ名前の人間はたとえ祖父と孫であっても、結局は同じなんだ、というマルケスの意図のようなものが感じられて、あえて混乱したまま読むのがベストではないか、なんて思ったりします。

たとえば、この小説では恐ろしいような大量虐殺が描かれるのですが、それすら被害者の関係者たちすら無かったこととして納得してしまう、あるいはそんな人間はいなかったことになってしまう、いや、ほんとうは虐殺なんか無かったのかもしれない、それはどっちでもいい、多分、マルケスはそう描いてもいます。だから、このお話を克明に、文学的に読み解くことは必要なんでしょうが、最初は混沌のなかに投げ込まれたつもりで読むのが正解だと思うんです。

有り難いことに、というか当然のことにこの本は再読、再々読をしても飽きることはないでしょう。その時にメモを取ったらいい。ちなみに、私は巻末の梨木香歩の解説を読みながら、そうか、そういう人間関係が描かれていたのか、とプロの読み方に感心したものの、でも本当にそう書かれていたのか、といわれると、もしかしてドーデモいいんじゃないか、マルケスは読み解かれることを望んでいないんじゃないか、なんて思ったりもするわけです。

そういう意味で、詳しい人物像をいつものように紹介することが、一回しかこの本を読んでいない私には難しい。ですから、とりあえず記憶に残っている人間について書いておきましょう。

なんといっても小町娘のレメディオスです。もちろん、レメディオスの曾祖母であるウルスラがいますし、レメディオスの父であるアウレリャノ・ブエンディア大佐もいます。もらわれっ子のレベーカや、彼女に嫉妬し結婚を妨害しまくるアラマンタも凄いです。それと嫁ぎ先に来て、自分流を押し通そうとする、レメディオスに一歩譲るものの、それでも比類なき美女のフェルナンダも立派です。そして最後の方に登場する、これまた美女のアラマンタ・ウルスラがいい。

でもやっぱり、小町娘のレメディオスです。だって彼女については最初は
                *
母親の清楚な美貌を受け継いだレメディオスは、小町娘のレメディオス、という名で知られるようになっていた。
                *
といった程度の描写でしたが、それは
                *
 そのカーニバルの女王には、小町娘のレメディオスがえらばれた。怖いような曾孫の美貌をつねづね心配していたウルスラに、それを止める力はなかった。その時まで、アマランタと連れ立ってミサに行くときはともかく、彼女をひとりで外に出したことはなかった。ミサに行くときも、黒いマンテラでかならず顔を隠させた。僧侶に変装してカタリノの店で罰当たりなミサをあげるような、およそ信心に縁遠い男たちまでが、信じがたいほどの美貌のうわさが低地じゅうに伝わり、驚くべき熱狂を呼びさましているいる小町娘のレメディオスの顔をひと目みたいという、それだけの理由で教会に足を運んだ。その願いがかなうまでにはずいぶん時間がかかったが、しかしこの機会を与えられないほうが彼らは幸せであったかもしれない。その大半がそれ以後、二度とやすらかな夢を結べなくなったからだ。それができた男――彼はよそ者だった――も心の平安を失って、汚辱と悲惨の泥沼にはまり、数年後のある晩、レールの上で寝ているところを汽車にのしかかられてバラバラになった。緑色のコールテンの服と刺繍入りのチョッキを着て教会にあらわれた姿を見たときから、彼が小町娘のレメディオスの妖しい魅力に惹かれて、遠方から、ひょっとすると外国の遠い町から来たことを疑う者はなかった。
                *
とか
                *
 実際に、小町娘のレメディオスはこの世の存在ではなかった。
                *
とか、はたまた
                *
 レメディオス・ブエンディアが祭りの女王にきまったというニュースは、数時間のうちに低地の向こうまでひろまった。彼女の美貌がうわさになっていない遠い地域にまで伝わって、その苗字を政府転覆の陰謀のシンボルだと考えている連中の不安を呼びさました。
                *
とかに変化していきます。彼女のエピソードはそれこそ枚挙にいとまがありません。彼女の体臭は男たちを発情させ、彼女の姿みたさに押し寄せた男たちは、家の屋根に登っては転落死するしまつ。女ですら彼女の美しさを否定するものはありません。その小町娘のレメディオスは、それでも並みいる男たちの求愛をあっけなく、というかそっけなく退けて全く気にするところがありません。それはただただ無垢の美しさなわけです。

桜庭一樹の小説がこの影響を受けていることは本人も明言していますが、私が思うに西尾維新ですらその影を抜け出てはいないのではないでしょうか。ついこの間、阿部和重の『ピストルズ』を読み終えましたが、これも同列に扱ってもいい気がします。日本人作家への影響はわかりましたが、『百年の孤独』が海外の作家にどのように読まれ、どのような作品を生むことになったのか、今となっては、そちらが気になって仕方がありません。一生ものの一冊です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。