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商品説明
私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた。それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは…。【「TRC MARC」の商品解説】
『1Q84』から7年――、
待ちかねた書き下ろし本格長編
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
【本の内容】
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紙の本
着想のおもしろさ
2024/05/08 09:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えんぴつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹作品に最初に出逢ったのは「羊をめぐる冒険」だった。面白い!と一気に読んだが、あれよあれという間に、村上春樹は当代きっての人気作家となった。ハルキストという人たちが現れ、ノーベル賞発表時期には騒ぎが起きた。この騒動は、不思議であった。おそらく、出版社の目論見もあり、裏での画策もあるのだろうと、私は冷ややかにみていた。
消極的にではあるが、私は結果的に村上春樹は随分読んできた。時にシュールな発想に、これは何だと思いつつ。
本作の「騎士団長殺し」という表題はまさにこれは何?だった。村上ならではの音楽が流れ、オペラのシーンが見えるようだった。騎士団長、顔ながの出没等、「絵」が見えてきた。日本画というところが秀逸だ。
この作品のベースに見え隠れするウィーン、クルスタルナハト、トレブリンカ・・・そして南京。
村上は「穴」に何を託そうとしているのだろう。ねじまき鳥・・・でみえていたノモンハン・・・・。真正面からは書きはしないが、「猫を捨てる」で彷彿とするあの時代の悲しみ。
終わり方がなんだか中途半端だと感じるのは、これもまた村上作品らしいことなのかもしれない。
騎士団長は言うだろうか、「諸君、これは、あらない」と。
紙の本
表紙を開き、目次のあの書体を目にしたとき、遠くにかすかに見えたあの灯台の光にまた出会えたような感動を覚えた。 日本が誇る村上春樹の世界、ここに。
2021/11/09 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
2011年の秋頃。突然、本が読めなくなった。
その2~3年前から、体調は良くなかった。
だましだまし仕事を続け、上手く休みながら切り抜けているつもりだった。
外回りにいくといっては、図書館で借りた本を片手に一人旅をしていたこともあった。
だが、その本が読めなくなった。年間で50~100冊の本を読んでいたのに。
あんなに大好きな小説が読めない。
心の病は、脳の病気だという。
ならば、自力でなおすのは無理だ。きちんと治療を受けよう。
心療内科の門を叩くハラが決まった。
例外的に、ベイスターズやプロレスについての本は読めた。
趣味の本は読むのが楽だったからだ。
そんなとき、「1Q84」が文庫化されるニュースを目にした。
小説を読みたい!
図書館では2000人待ちだとか。
ならば、買うしかない。
数年ぶりに書店に足を運び、「BOOK1前編」を手に入れた。
読めた。小説が読めた。実に得難い喜びだった。
青豆と天吾の物語に、魅了された。
その後紆余曲折があり、良き病院、医師、カウンセラー、多くの仲間、そして家族の支えがあり、心の病は寛解した。
本書は、その「1Q84」以来の長編書き下ろし作。
表紙を開き、目次のあの書体を目にしたとき、心の病で苦しむ中、遠くにかすかに見えたあの灯台の光にまた出会えたような感動を覚えた。
物語は、主人公の肖像画家の語りで淡々と進んでいく。
学友の雨田政彦の好意で、ひとり住むことになった狭い谷間の入口近くの山の上の家。
そこで物語は繰り広げられていく。
深くて幅広い知識と教養。
人間の内面を掘り下げようとする探求心。
人と人の出会いがもたらす奇跡のような出来事。
日本が誇る村上春樹の世界、ここに。
この本を読めることこそが、幸せの一つだ。
紙の本
イデア
2019/08/22 19:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔は村上春樹さんの小説が大好きでしたが、最近はあまり楽しめません(たぶん「ねじまき鳥クロニクル」あたりから)。
本書を遅ればせながら夏休みに手にとってみました。しかし、やはり「のれない」感じ。私が変化についていけないということでしょうか。
紙の本
活字中毒のくせに初村上春樹。
2019/04/20 20:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっと固い作風をイメージしていたのでユルくて驚きました。
最近翻訳古典ばかり読んでいたせいもあってか、物凄く読みやすかったです。
肝心の作品ジャンルが分からないまま読み始めたため(2部を未読の今も分からない)
「騎士団長」が出てくるまではホラーなのかとひやひやしながら読んでました。
彼(?)が出てきた途端に180度印象が変わってしまいました(良い意味で)
紙の本
冗長
2018/05/20 18:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たぬきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく物語がはじまらない。物語への導入が延々とつづき、盛り上がりがない。いったいどれくらいの長さの作品になるのかわからないが、それにしても長すぎ
紙の本
ほどほど
2017/11/09 17:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて村上氏の作品を読ませて頂きましたが、妙なワールドでした。でも続きが読みたくなってしまいました。
紙の本
吸い込まれるように読んでしまう
2017/10/01 18:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで村上春樹氏の作品はほとんど読んだことがなく、小澤征爾氏との対談集が面白く、初めて小説を読んでみました。
さすがはノーベル文学賞候補と言われるだけあり、吸い込まれるように読んでしまいました。
作品からは、村上氏が多くの文学、音楽、美術に深い造詣を有していることがわかります。
紙の本
村上春樹作品
2017/08/25 18:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹が村上春樹の作品を書いた、という印象。よく言えば、安定感であり、まさに読者が求めているものを書いてくれた。悪く言うなら、どこかで読んだような感覚を拭えない、というところだろうか。両方を感じた上で、面白かった。
紙の本
騎士団長
2017/06/02 21:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シロー - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上作品初挑戦。
内容とか難しいのかなと思ってたけどすらすら楽しく
読めました。第2部も読もうと思います。
紙の本
蓋は開けられた
2017/05/30 05:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹のこの長編小説は総ページ数にして1000ページを超えているが、ありがたいことに第1部と第2部に、ほぼ500ページずつに分かれている。
ただこの第1部と第2部は何か独立しているかといえば決してそうではない。
やはりこの長編小説は1000ページを超える作品として、全体を評価すべきものだと思う。
それでもやはりありがたいことに、第1部第2部それぞれにサブタイトルがついていて、そのあたりをヒントに(この難解な小説にはたくさんのヒントがいる)読むのも悪くない。
まずこの第1部にはこんなサブタイトルがついている。
「顕れるイデア編」。
そうなると、イデアとは何だと考えたくなる。その答えは第2部に出てくる。
「イデアは観念であり、観念は姿かたちを持たない。ただの抽象的なものだ」。
それが、第1部では顕れるのだ。
長い作品の主人公は肖像画を描くことを生業にしている画家。
ある日、妻から離婚を宣言され、傷つき、自ら家を出てしまう。彼がたどり着いたのは学生時代からの親友の父親の住居。
この父親は日本画家として名を馳せた人物だが、今は高齢で混濁した意識で施設に入っている。
主人公はその住居で「騎士団長殺し」と名付けられた一枚の絵を見つける。
まるで、その絵に誘われるようにして起こるさまざまなこと。
第1部の終り近くにこうある。
「うまく説明のつかない様々なものたちが、この家の中で私をじわじわと捉えようとしていた」。
それは読者も同じ。
主人公に近づく免色(めんしき)という不思議な人物。
そして、その男のもしかしたら娘かもしれない少女の登場で、物語は間違いなく、動き出す。
もう蓋は開けられたのだ。
紙の本
炸裂、村上ワールド
2017/05/24 00:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は、妻に別れを言い渡されて家を出、小田原に近い山荘に暮らしている。職業は肖像画家と言っていいが、生計の足しに、子供や女性を対象にした絵画教室の講師も務めており、生徒である中年女性と肉体関係もある。山荘の持ち主は同業の友人だが、彼の父親は、将来を嘱望された洋画家でウイーン留学の経験もありながら、ヒトラーの侵攻を機に帰国し、一転、日本画に宗旨替えした。その山荘の中で主人公は、友人の父が描いたと思しき「騎士団長殺し」という絵画を屋根裏に発見。さらには免色と名乗る不可識な人物と出会うことによって、奇妙な世界に引き込まれていく。相変わらず比喩が多く、パーレンも多様、周りくどい文体もそこここにあるのだが、何より表面的に楽しむもよし、掘り下げて読むもよし、これが村上ワールドなのだろう。昨今の芥川賞作家あたりとは、根本的な力の相違を感じざぜるを得ない。後編に期待大。
紙の本
ちょっと
2017/05/19 12:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待して2部を購入しました。書名も、意味深なので期待していたのですが、中身は
Great Gatsby をかなりコピーした内容。 正直なところ新鮮味に欠けた小説だと思います。
紙の本
楽しい春樹ワールド
2017/04/10 20:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えるべっく - この投稿者のレビュー一覧を見る
みんなの書評の評価は低いようだが、
いえいえ楽しい春樹ワールドです。
タイトルが「騎士団長殺し」なので
ドンジョバンニを何回も聞き直した。
結局、ドンナ・アンナの声しか残らず、
騎士団管区長はよくわからなかったが。。
あいかわらす、登場人物は
ハミガキをするように、交わるし
騎士団長もそうだが、
メンシキさんも負けず劣らず謎だし、
どんどんページが進む。
後編が楽しみです。
紙の本
何か不思議な感じが
2017/03/30 17:40
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミックぱぱ - この投稿者のレビュー一覧を見る
淡々と進んでいるようで、気がつくと緊張感が高まっている。そんな不思議な手触りでした。
紙の本
これからどうなっていくのか楽しみである
2017/03/23 15:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ちに待った村上春樹の新作である。ぐいぐいと読者を引っ張っていく筆力はさすがである。最初から不思議な話であるが、第1部の終わりの方の展開は特に意外である。これからどうなっていくのか楽しみである。