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沈黙 改版 みんなのレビュー

文庫 第2回谷崎潤一郎賞 受賞作品

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みんなのレビュー832件

みんなの評価4.3

評価内訳

810 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

問わずにはいられない

2006/03/27 19:42

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 神は存在するのかしないのか その答えは誰も知らない。もしいるのなら聞いてみたいことがたくさんあるが、1番知りたいのは あなたが沈黙を守るその理由。戦争・内戦・混乱が絶えないこの地球をなぜ人間に任せておくのですか? それとも それこそが 神がいない証拠なのだろうか?

 話の舞台は島原の乱が鎮圧されて間もない日本 隠れキリシタン達を描く。
神の存在を問うこと自体 背教を意味する。だけど問わずにはいられない 神よ あなたはどこにいるのですか? 神とは一体なんなのか?

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紙の本

沈黙を選んだ司祭もいれば、沈黙を捨てた漁師もいた

2012/02/08 12:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相羽 悠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 遠藤周作『沈黙』(一九六六)はさまざまな沈黙が交錯する小説だ。

 小説の舞台は十七世紀。ローマ教会にある報告が届く。キリシタンへの弾圧が厳しい日本で、布教の柱、司祭フェレイラが信仰を捨てたというのだ。殉教ならともかく、今までも迫害に耐えてきたフェレイラの身に何が起きたのか。若き司祭ロドリゴは恩師フェレイラの変心が信じられず真相を探るため日本へ向かう。かつては信者だった、若い漁師キチジローの手引きで日本に潜入。信者にかくまわれ布教をはじめたが、穏やかな日々はつづかない。追手の手をのがれるべく逃走するなか、ロドリゴの頭の中では同じ問いが繰り返されていた。信者の苦難を見ながら、なぜ神は彼らを救おうとせず沈黙しているのか。その答の手がかりは、意外な場所で再会したフェレイラによってもたらされる。

 悩める若き司祭のそばに卑俗な漁師という配置がいい。偶然の出会いが結びつけたふたりは対照的。ほかの司祭が信仰を捨てたり殉教する状況下で、日本に残された最後の司祭ロドリゴは信者の尊敬を一身に集め、三度まで信仰を捨てて転んだキチジローはだれからも蔑まれる。そして自らの信仰を守るため、片や沈黙を選び、片や声高に主張する道を選んだ。

 恩師の消息を知ることもさりながら、信仰の火を消さないためにも日本に潜入したロドリゴは語学の達人で、コミュニケーション能力も高いようだ。外国人である日本人信者との意思疎通に困っている様子はない。さらに元来、寂しがり屋で、人が好きなのだろう。逃走中、たった一日、人と話せなかっただけで愚痴をもらす。取調べ役人のやさしい言葉に、すぐさま緊張がゆるむ。さぞや布教のため雄弁をふるいたかっただろうが満足に信者とも接触できず、沈黙を強いられる。苦悶する信者の姿を見ながら祈ることしかできない。信者を救うため日本に来たのに、司祭である自分がいることで迫害が強化され信者がより苦しむことになる。よるべないロドリゴはキリストの姿を思い浮かべ、黙想を深めていく。

 苦悩をかかえたロドリゴの沈黙は穏やかさとはほど遠い。なぜあなたは信者を救わないのか。ロドリゴは激しく神に問いかける。キリストの生涯を思い、黙考を重ねる。皮肉なことに、内にこもるロドリゴの悩みを解いたのは、外から聞こえてきたある音だった。黙想の邪魔となる音に彼は苛立つが、その正体をフェレイラに教えられたとき、司祭として、キリスト教徒として、この地で誠実であるため何をすべきか悟る。そのあとは一切の釈明をせずに沈黙を守った。

 他方、拷問が怖くて転んだキチジローは卑小なお調子者として描かれている。はじめは信者であることを拒否していたのに、ロドリゴとの出会いから彼は変わっていく。信者であることをロドリゴのいる牢屋でも口にするし、隠そうとしなくなった。暴力が怖くて役人に脅かされればすぐに踏絵を踏むけれど、信者でいようともがきつづける。何度転んでも、周囲の信者から冷たい視線を向けられようと、ロドリゴに煙たがられてもキリスト教との縁を切ろうとしない。赦しをもとめロドリゴを追いかけまわす。「パードレ、聞いてつかわさい。告悔と思うてな、聞いてつかわさい」キチジローを軽蔑していたロドリゴも、そのしつこさに音を上げて、罪を赦す告悔の祈りを唱えてやる。そして転びつづけたキチジローは生き残った。彼の生き方を卑劣だと非難することは簡単だ。だが、自分の弱さを全面的に認めて、大切なものにしがみつづけたキチジローは心強き者なのではないか。作者が彼に注ぐ目は優しく、キチジローが踏絵について吐き捨てるように言った言葉こそ、本書のテーマに直結することが最後まで読めばわかる仕組みになっている。

 凄惨な拷問がおこなわれるなか、自らの信仰をまもるため人々が沈黙していた時代。息をひそめ子孫に信仰を伝えていった隠れキリシタンもいれば、信仰に忠実でいるため沈黙を選んだ司祭もいれば、沈黙を捨てた漁師もいた。

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紙の本

今こそ読みたい

2023/09/25 22:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る

スコセッシによる映画化で再び脚光があたった形になったが、近年の日本社会について考えるうえでも重要な作品であろう。ある意味では絶望的な気分にさせられるのであるが、そこを見据えねば真の意味で日本社会と対峙することはできないのである。

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電子書籍

神なき世界を描く

2020/04/26 19:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

極限状況下に置かれた、信徒たちの苦悩が壮絶です。最後まで救いの主が現れることのない、リアリズムに徹した作品でした。

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紙の本

島国

2019/05/29 10:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る

今の時代街中特に東京の銀座渋谷など繁華街の外国人の多さ。。。観光客だけではなく労働力としても欠かせない外国人だが昔の日本に訪れた外国人は生活習慣、宗教いろいろ受け入れられていないことだらけだったのだからこの本を読んで考える機会が得られた気がする。

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紙の本

信仰を守ること

2018/05/15 23:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

キリシタン弾圧が過熱する日本。その中で高名な宣教師が弾圧に屈して棄教したという噂が流れ、信仰を守る異郷の信者たちを救うために新たに2人の宣教師が日本にやってくる。宣教師の見た日本人は貧しく、弾圧を受けながらも細々と信仰を守っていた。彼らを襲う数々の試練には目を覆いたくなる。そして主人公である宣教師にも「選択」の時がやってくる。既に棄教していたかつての師から日本になぜキリスト教が根付かないかを聞かされる場面はこの小説の白眉と言える。結局は「転ぶ」主人公。重いテーマである。

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紙の本

わかりやすくわかりにくい

2017/04/22 23:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

思いのほか面白くすいすいと読み進められ、でもすっきりとは理解しきれず・・・
難しいです。
背教の司祭、彼はその後どうなったのでしょう。資料の形で最後に描かれていますが、その文章が読みにくい。当時の資料として描かれているので仕方ないのかもしれませんが・・私には意味が十分把握しにくくつらかったです。

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紙の本

漆黒の闇

2017/02/20 08:29

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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る

司祭ロドリゴの苦悩する場面はまさに息つく暇なく読み進められる。それにしても日本人はひどいやり方でキリシタンを迫害したのだと感じた。

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紙の本

再び感動

2017/02/09 13:12

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投稿者:シューミー - この投稿者のレビュー一覧を見る

大分以前に篠田監督の映画を見て感動したが、今般、スコセッシ監督の映画を見て、原作を読みたくなり購入した。信ずることの偉大さ、難しさを実感しつつ読んでいる。良書。

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紙の本

遠藤文学の原点

2016/05/22 16:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

『海と毒薬』『悲しみの歌』の主人公、勝呂医師にとっての原風景といえる黒い海、そして太鼓のような海鳴りが、この小説にも出てくる。勝呂医師がなぜ黒い海を繰り返し想起したのか、そして何を想ったのか。『沈黙』を読むことで、少し理解が深まった気がする。タイトルの沈黙とは、神の沈黙のことだ。主人公は布教のためポルトガルから海を渡って長崎に来た司祭。歴史上有名な「踏み絵」を材に取り、どんなに苦しく、耐え難いことが起こっても、押し黙ったまま、手を差し伸べない神に疑念を持ち、信仰が揺らぐ瞬間を描いている。「転び」「背教」の汚名を着せられる司祭。だが、その彼こそが神の声に最も近づくさまは劇的である。遠藤文学の原点だと感じた。

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紙の本

信仰という行為への切なさを痛感

2015/09/14 22:59

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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る

「神の平安、基督の栄光」で始まる書簡形式の各章の冒頭部が
不思議な臨場感を生み出し、グイグイと物語の世界に引き込ま
れます。

私自身はキリスト者になり切れなかった者ですが、信仰という
不確かで届かないかも知れない切なる焦がれを追い求める純粋
さに憧憬にも似た感情を持ちました。

クライマックスに主人公の耳に響くイエスの言葉に落涙を禁じ
得ませんでした。

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紙の本

沈黙の意味

2013/11/30 23:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

イエズス会宣教師ロドリゴは、日本での布教活動をしていたかつての師フェレイラが、幕府の迫害に負けてキリスト教を棄教したことを知る。その真実を確かめようと、彼は仲間と日本に渡る。やがて日本で捕えられ、キリスト教を捨てるよう迫られるロドリゴであるが、不思議なことにそれを拒む彼に肉体的刑罰は加えられない。彼を待っていたのは、肉体的刑罰よりはるかに過酷な精神的苦痛だった...
 踏絵-この江戸初期に使われたキリシタン発見のための手段について常々疑問に感じていることがある。そもそもイエスやマリアの像は、キリスト教徒の信仰においてどれほどの重大な意味をもつものだろう。もともと偶像崇拝を禁じていたキリスト教においては、ローマ帝国末期にゲルマン人などの未開人に布教する必要から、聖像礼拝が始まったという。このような歴史的経緯を考えると、聖像とは信仰にとって非本質的なものである。なのに、どうしてキリシタンは、それに足をかけても神への冒涜にはあたらないと割り切り、堂々と絵を踏めなかっただろうか。聖像とはそれほど特別なものなのか。
 このような観点から『沈黙』を読むと、己の信仰への固執が、自分だけでなく他の信者をも苦しませることを知り、棄教を決意した二人の宣教師の行為は、キリスト教信仰をもたぬ自分にはきわめて人道的なものに思われるし、逆にそのような状況にあっても、板きれに描かれたキリスト像に固執して、仲間を見殺しにする方が非道であると思う。神が存在するならば、その神が微笑まれる相手は、このようにやむにやまれぬ理由で信仰を捨てた、外面上の背教者であるはずだ。
 迫害に苦しむキリシタンに対し黙して語らぬ神に、主人公のロドリゴは恨み言をいう。神よ、なぜあなたは私たちの苦しみが死後、贖われると一言告げてくださらないのか、その一言だけで、信仰を貫くことができるというのに...しかし神は何も答えてくれない。これこそが本書のタイトルである神の沈黙であるが、そのような沈黙に人は意味を探ろうとする。そのような問いかけもまた信仰であり、また神の御心なのかもしれない。
 棄教はそんなロドリゴが最後に選んだ道であった。物語は、それを許すキリストの声を彼が聞いたというかたちで終わる。十分あり得る話だと私は思う。

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紙の本

問わずにはいられない

2002/07/23 22:14

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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 神は存在するのかしないのか その答えは誰も知らない。もしいるのなら聞いてみたいことがたくさんあるが、1番知りたいのは あなたが沈黙を守るその理由。戦争・内戦・混乱が絶えないこの地球をなぜ人間に任せておくのですか? それとも それこそが 神がいない証拠なのだろうか?

 話の舞台は島原の乱が鎮圧されて間もない日本 隠れキリシタン達を描く。
神の存在を問うこと自体 背教を意味する。だけど問わずにはいられない 神よ あなたはどこにいるのですか? 神とは一体なんなのか?

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1997/07/29 23:27

投稿元:ブクログ

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2010/08/15 14:34

投稿元:ブクログ

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