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他人ごとにしてませんか?
2016/03/04 10:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
この装幀だけでも書店で平積みされているとインパクトがありますが
中身も相当考えさせられます。
物語の時間設定は現代です。
あくまでもミステリーとしてエンターテイメントとして
読んだ人を楽しませるものとして高い完成度ですが、
その中で投げかけられる私たち社会の問題の多さ深さ!
知的障害者とその家族に対する
母子あるいは父子家庭対する
性的マイノリティに対する
基地問題も含めた沖縄に対する
私たち一人一人の理解と寛容性と共有感への
痛切な問いかけ。
今を真剣に考え直すことを迫ってくる作品でした。
愛子には幸せになってほしい
2020/08/06 22:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
容疑者は3人、どの人もいい人そうに思えるので、だれも犯人であってほしくなかった。悲しい結末を迎えた人もいて読んでいて辛かったが、愛子にはこれから幸せになってほしいと願った
人を信じるということは
2017/02/13 13:31
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投稿者:ひさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は、なにをもって人を信じるのだろうか。
社会的立場、経済力、容姿、出自、態度、言葉、、
相手の情報をどれほど得たとしても、最後は、自分の信じる力の強さによるところが大きい。だから、信じた相手に裏切られたとき、人は、深く傷つく。自分に失望し、相手に絶望する。絶望は、時に怒りに変わる。
けれど、人は、本能的に人を信じたいと思う。そして同時に、本能的に自分が傷つくことを避けたいと思う。その狭間で、私たちはもがき苦しんで生きている。
愛じゃないと否定する少年、肯定する読者
2016/10/20 02:22
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻から下巻へ一気になだれ込む。少しずつではあるが男たちの足取り、素性がはっきりしてくる。一時でも関係をもった人たち、信じたいが信じ切れない正直さで男たちを裏切っていく。裏切られたのを分かってか、知らないままか時同じくして千葉の男も、東京の男も姿を消す。そして彼らの真相が暴かれる。ひとつひとつ可能性が潰され、犯人でないことが分かる。すっと幕が下りるように物語にピリオドが打たれる。残ったのは沖縄の男。無人島に残した猟奇的な落書きこそが彼の正体。それを読んだ少年の取った行動。誰もが思うであろう、これこそ愛と。
キーワードは「信頼」そして「再生」
2016/10/01 00:24
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても切ない物語である。人が人を本当に信じるということは難しいことである。そして、そこから様々な悲劇が生ずる。これは推理小説のような内容に見えるが、本質はそこではない。キーワードは「信頼」そして「再生」かもしれない。
人の信の心を問う推理小説
2016/03/28 22:41
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投稿者:さんしろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
血文字の意味、動機など、本流であるはずの八王子事件に関しては謎を残し、その他の3つ(4つ?)の人間物語は終結させるという想定外の結末には、いい意味での裏切られた感が残った。、並行して進むいずれの物語も、人の「信」の心を問うており、日常我々が踏み込む機会の少ないだけに考えさせられた。吉田作品は初めてであったが、このような展開でありながら、読後破綻を感じさせない作者の力量は、さすがの一言。
吉田修一氏が贈る傑作ミステリー、いよいよ完結です!
2020/09/08 10:40
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『悪人』(毎日出版文化賞及び大佛次郎賞)、『横道世之介』(柴田錬三郎賞)、『国宝』(芸術選奨文部科学大臣賞及び中央公論文芸賞)などの名作で知られる吉田修一氏の作品です。同書の内容は、上巻に引き続き、犯人と思われる山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表します。洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまいます。日常をともに過ごす相手に対して芽生える疑いはどんどんと大きくなっていきます。三人のなかに、果たして、山神はいるのでしょうか?犯人を追う刑事が見た衝撃の結末とは一体どのようなものなのでしょうか?吉田修一氏が贈る傑作ミステリー、いよいよ完結です!
怒りは苦い
2016/08/16 14:20
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
冷めたコーヒーを口に含んだ時の苦みが広がった、しかし次の瞬間、豊かな味わいを予感させるような読後感。大切な人と出会った時、今のその人だけがいればいいと思うのだけれど、長い時を一緒に過ごそうとすれば、素性が気になるものだ。信じ切ることの切なさと、信じられなくなる瞬間の残酷さが、心に薄い刃跡を残した。人は怒りを覚えなくては、生きていけないのだろうか。
映画版『怒り』の副読本として、読む。
2016/11/30 02:37
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうも映画のもやもやがおさまらないので、原作を読むことにする。
あ、「もやもやした気持ちのままの映画がイヤ」ということではない。
もやっとした気持ちはあれど、それはそれで受け入れられるとか、むしろはっきりしないことが心地よい映画もある。
でも映画『怒り』は、私の中ではそうではなかった、ということだろう。
あのオチさえ違う形であれば、『横道世之介』は好きな作品として人に薦めたかもしれない。 吉田修一はあたしにとって、「なんだか“おしい”作家」である。
さてこれはどうだったのかといえば・・・先に映画を観てしまったので、特に衝撃は受けなかった・・・というのが正直なところ。
あえてなのだろうけれど、妙に俗っぽい言葉を選んでいる気がして、ちょっと落ち着かない気持ちにさせられた。 リアルタイムのある<ひととき・時代>を切り取ったのかもしれないけど、2016年の終わりに読んだだけである種の“古さ”を感じてしまったから。 ずっと読まれるものにする気はないのか、それとも何十年かたてばそういうことが気にならなくなるのか。
映画では中途半端な感じがした刑事さんに、こういう設定があったとは・・・というのは原作を読んでよかったところ。 同じような言葉を告げても、呼び止められることもあれば去ってしまう人もいる。 そういう理不尽さというか、人の心の不可解さが浮き彫りになる対比として重要だけれども、映画でカットしたのは正解だったと思う(<謎の三人の男>に集中できない可能性が出てくる)。
それにしても、やっぱり『怒り』という感情の正体がよくわからない・・・。
泉ちゃんと辰也くんに関しては、映画の方がうまく処理されていた気がするけど、愛子が家出した理由は原作でしっかり明かされていたので「ダメな子だな、この子は」と思うことができた。
映画と小説とで合わせ技、という感じ。
そのへんも、『悪人』を越えてないかな。
場所と男女がひとつに重なる
2021/05/18 17:57
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京・千葉・沖縄を行き来しながら、バラバラに見えていた事件が繋がっていきスリリングです。顔を変えて逃げ続けていく3人の男と、彼らと関わり合う女性たちの姿も忘れられません。
人間性
2019/10/06 12:18
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すべて終わってみれば、加害者も、社会の中の被害者ともいえなくはない。
けれど、この犯人の行動はやっぱり自己中であり、それ故に特定される。
どれだけ整形しようが、人間性までは変えられないものですね。
信じることって...
2016/07/25 10:48
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投稿者:くまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
他人を信じること、自分を信じること。
どちらもとても単純でとてもむずかしいことなんだ。
世の中に、そして私の中にもあふれている「怒り」や「不信感」を増幅させないために自分に出来ることはなんだろう。
映画が楽しみ
2016/03/15 18:33
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投稿者:ろぺ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年に映画化されるということで、キャスティングも発表になっているので俳優さんを当てはめて読み進めることが出来て、そういう点では面白かったです。とにかく読む価値ありだと思います。
事件現場にどんな意味があったのか
2017/04/15 17:45
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投稿者:sipa - この投稿者のレビュー一覧を見る
上下巻を通してこの話では、約半年間の出来事が語られます。八王子夫婦殺害事件から1年後の2012年夏から、2013年冬まで。
2012年の夏、素性不明の男が現れるのは、千葉、東京、沖縄の3か所。映画の公式HPでは、これらを千葉編、東京編、沖縄編と呼んでいます。この3つの他に、八王子署の刑事が捜査をするパートがあります。こちらは公式HP上では、事件編と呼んでいました。
逃亡中の山神を探して、刑事は東京から全国各地に足を運びます。山梨、大阪、福岡、埼玉、静岡…そして千葉、沖縄にも。
刑事の、捜査以外の私生活についても書かれています。八王子署の独身寮に住み、出かけるのは主に立川や新宿。恋人らしき女性が出てきますが、消化不良のまま話は終わります。
事件の真相についても消化不良な点が多かったと思います。知人が語った山神との会話の中で、経緯らしきものは出てきますが。八王子の事件の現場で山神が行ったことに、どんな意味があったのか。
終盤で、正体不明な3人のうちの1人が山神と分かる瞬間があります。八王子の事件現場と、立川の自宅アパートに残っていたもの。それを思い出して、読者は、山神だ!となると思います。そういう物語的な意味はありますが、動機の面での説明が今ひとつ。
下巻
2016/02/23 21:51
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投稿者:あさり - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰が犯人かはわかったけど、なんだかスッキリしない
でも、実は犯人なんか誰でもよかったのかもしれない
切ろうと思えばすぐ切れてしまえると思っていた、ふわふわした、そんな明らかでない存在を信じるということ。
対して確固たる存在であるはずの家族を信じること、守ること。
なんて難しいんだろう。