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じっくり
2016/02/04 00:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
雨の地方都市。守屋路行はユーゴスラヴィアから来た少女・マーヤと出会う。2か月後の別れまでの謎に満ちた時間。ファンタジックに、ミステリアスに展開する物語。途中、蘊蓄が過ぎたり、世界史の教科書みたいな部分があってダレたが、ラストに至ってゾクッとする感慨。凄い作家だ。「真実の10メートル手前」でヒロイン・太刀洗万智に興味を抱き、「王とサーカス」へ。太刀洗のルーツが本書だと知って購入したが、随分、得した気分。台詞の一言ずつ、細かいフレーズまで注意して読むことが肝要。
良い本です
2024/08/31 15:24
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
やや退屈な日常と謎とも言えないような謎解きが続き、終盤とやるせない結末は、見事です。さすがは米澤穂信さんです。
旧ユーゴスラビア
2019/07/31 17:22
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
知識としては知ってても、なかなか理解はできないですよね。
その難しい部分を青春ミステリーに組み込んでしまうところが、作者の力量。
すばらしいです。
よかった~
2019/01/09 11:19
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「王とサーカス」がずっと気になってたけれど、解説を立ち読みすると・・・
ちょっと散財かな?って思ったけれど、買って帰って正解でした。
クールで、笑顔が下手な万智の高校時代。やっぱり一筋縄ではない人でした。
結末が哀しすぎて
2018/05/31 19:54
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『さよなら妖精』は、米澤穂信の高校生もの。
「古典部シリーズ」でわかっているけど、この人が描く高校生はおもしろい。
部活動は弓道部というのも、この人らしいひねり方。
ちょっと偏屈な女の子もおもしろい。
「妖精」と表現してしまうのは安易に流れる気がしましたが、この彼女には「妖精」というコトバがふさわしい。
でも、この話は結末が哀しすぎて、ちょっとつらかったのです。
突きつけられる現実
2015/09/18 12:54
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校三年生だった守屋路行と大刀洗万智は、雨宿りをしていた来た少女マーヤと出会う。ユーゴスラヴィアから来た彼女、マリヤ・ヨヴァノヴィチを旅館を経営する白河いずるに紹介し、下宿先を確保したことで、彼女が帰国するまでの二ヶ月間、文原竹彦を含めた4人の高校生との交流が始まった。
マーヤは日本の当たり前に興味を持った。それも、お客さんに見せる一面ではなく、住んでいる者だからこそ知ることが出来る深い一面を知りたがった。そんな彼女の問いに答えるべく、守屋路行は頭を働かせる。
マーヤが故郷へ帰ってから一年、守屋路行と白河いずるは喫茶店で再開していた。互いにマーヤに関する記憶の残滓を持ち寄り、彼女がどこへ帰ったのかを明らかにするためだ。一年前から、ユーゴスラヴィアは内戦に突入していた…。
日本の日常の風景の中に異邦人が見つける謎と、その異邦人が残した謎に挑むことで日本とは異なる日常を思い知らされる高校生の姿を描いている。マーヤの生きる日常には、守屋が想像する日常があるとは限らないと言うことを彼に現実として突きつける、当たり前の残酷さもある。
この終わり方が物語として最適かどうかは分からないが、現実とは時に唐突に思いもよらぬ解をもたらすということを、これ以上もなく明確に示しているとは言えるだろう。
いちごタルトも、トロピカルパフェもおいしいけれど、思いこみの空回りする主人公の本作をこそ推したい。
2007/05/01 00:06
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「いちごタルト」に手を出してから、作者の描く物語世界に徐々に魅せられつつある。その描く舞台が中学や高校であったりすることもその魅力の一つであろう。なんだかんだいっても、学校生活の占める割合は、未だに大きいのだから。できることであれば、そこが楽しく思い出深いものであってほしいのである。
和やかな雰囲気を期待して手にした本書も、(飛騨の高山だろうか)地方都市の高校3年生を登場人物とした青春劇である。ユーゴスラビアから来た少女マーヤと出会うことで、かれらの日常が少しさざ波だち、ものの見え方も少し変わりだす。しかし、そんなささやかな物語は途中で反転する。彼女が帰国する前後から、「ユーゴ内戦」が幕を開けるからである。そんな祖国にあえて帰る彼女、彼女の安全を心配する主人公たち。そして、「どの国」の出身かも明かさないまま帰国するのである。そう、時代は1991年。
こうした物語設定に対して、bk1評では評価が二分されるようだ。確かに、思い上がりと紙一重の主人公守屋の思いこみは読んでいて気分のよいものではない。ひょっとしたら、自分がユーゴスラビアに行くことで彼女に何かできるのではないか、とは感傷的な思いこみに過ぎない。しかし、似たような時期に、大なり小なりそんな思いをもったことがたいていの人にはあるのではないだろうか。ましてや、そんな出会いがあればこそ、である。いや、自分を変えてくれそうな妖精との出会いを夢想することもあっただろう。そんな主人公と作者とを私は肯定したい。
ところで、本作は時代を扱ったミステリーとしては一点ミスがあったように思われる。「ユーゴスラビア」は、当時の日本の高校生にとって身近な国ではなかったろう。得られたとしても世界史や地理で学ぶような知識程度だろう。しかし、1991年の高校3年生には、意外によく知られた国名ではなかったか? 彼らが小学校高学年のとき、1984年の冬季オリンピックはユーゴスラビアで開催されていたのである。カタリーナ・ビットが舞い、トンバが跳んだ。そして、黒岩がこけ、北沢が銀メダルを穫ったサラエボオリンピックを、多くの日本人がテレビで見ていたのではなかったか。
1978年生まれという著者にはこれはちょっときつかったとしても、もし、そこに私がいたならば、そんな好奇心を彼女に向けていたことと思う。
ユーゴスラビアの悲しい運命
2006/11/26 19:08
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
1991年、日本の地方都市に暮らす普通の高校生守屋路行・太刀洗万智・白河いずるの前に、ユーゴスラヴィア人マーヤが現れます。彼女は父親について来日。しかし父親とは離れ、日本で2ヶ月間暮らすことを決めています。
彼女がユーゴの共産党幹部のトップクラスの父親を持ち、特権階級に暮らす人間であることが示唆されますが、守屋たちはそもそもユーゴがどこにあるのかさえ、知らない一般的な日本人。
あまりにも人生への決意や取り組みの違うマーヤですが、貪欲に素直に日本の文化を吸収していき、清々しい。そこにはユーゴに生まれ、さらに特権階級に生まれた意識の高さが窺えます。しかし、ユーゴ共和国の運命を予感させるように、章ごとに年月が刻まれるのが悲しい。
結局、ユーゴの6つの共和国のうち、どの国が自国であるかを明かさずに帰国した彼女が、内戦に巻き込まれていないかどうかを守屋たちは心配します。たった2ヶ月の思い出をたどるなかで、彼女の国を推理する、いわば地理学的ミステリー。
けれど日本の若者向きのミステリーではユーゴ共和国の複雑な民族感情にまで踏み込めなかったのでしょう。また、本書が出版された2004年では明らかになっていることも、1991〜2年の設定のこの小説ではどこまで描けるか——という論点もあります。ややミステリーは不満でしたね。
しかし物語はマーヤの鮮やかで強く、けれどどこか奥ゆかしさをもっているセルビア人らしさ(私は、彼女はセルビア人だと思いました。マーヤはユーゴスラヴィア人と主張するでしょうが)を丁寧に描き、一方で守屋のただユーゴに行けば何かが変わるという低い次元の意識——日本人一般の意識——との対比はうまい。そこを読み取るだけでも価値がある一冊です。
ベルーフシリーズの派生元作品
2015/12/31 20:41
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投稿者:east - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤さんの作品は、古典部シリーズと満願を読んでいました。
ふとした拍子に新作、真実の10メートル手前(2015年12月)が発売されることを知り、購入。
クールビューティさながらの主人公・太刀洗万智に魅了され、シリーズの派生元である本作を購入しました。
本作は2004年2月発売のシリーズの派生元です。
高校時代の太刀洗万智の同級生を主人公にし、ユーゴスラビア出身のヒロイン、太刀洗万智との関係をユーゴスラビアの歴史を絡めてミステリーに仕上げています。
ベルーフシリーズに興味がおありなら、本作ではなく、王とサーカス、真実の10メートル手前を先に読むことをオススメします。
太刀洗万智の新たな一面が読めて満足でした。
ボーイミーツガール
2020/08/31 08:31
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投稿者:yu_ki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーではありますが、何事にも興味を持てなかった少年・守屋が、好奇心旺盛なユーゴスラヴィアの少女・マーヤと出会い-からはじまる青春の色合いが強い作品でした。根幹の謎は、マーヤはどこに帰国したか?この推理は結果としては演出的なものだったのですが、A国は安全で、B国は内部紛争と、大半置いてきぼりをくらっていました。守屋とマーヤのやりとりと決意にグッときて、太刀洗のギャップに驚いて。守屋が頭の回転がにぶいと評した、白河のアドバイスは的を射ていたのですね。おもしろかったので、米澤さんの他の作品も読みたいです。
遠い距離感
2017/10/24 04:27
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユーゴスラビアの少女と日本人高校生の交流には心あたたまるものがありました。両国間の物理的な距離とすれ違う想いに胸を打たれました。
憶えてますか?
2016/05/19 20:12
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユーゴスラビア連邦共和国のことをどれだけの人が憶えているだろう。
ましてやそこで1991年に起こったことを。
ミステリーとして書かれていますが、
ミステリーと聞いて普通に思い浮かぶような
物語ではありませんでした。
あくまでもフィクションですがこの作品の
背景にある出来事は現実にあったことなのですよね。
日常にかまけて自分以外のことに
無関心である事、無知を恥じない事を
突きつけられた作品でした。
ミステリではなく青春群像
2017/01/08 19:23
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投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎の外国人少女と、彼女に巻き込まれた少年少女が織り成す青春群像。
全体にミステリっぽく話は進みますが、ミステリではないので注意です。
淡々と
2025/03/31 22:42
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投稿者:みっく - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体的に淡々とした印象があるミステリ小説。予想通りの結末に、ああやっぱりねという感想で終わってしまった私はたぶん冷たいんだろうな。
苦さと切なさ
2024/09/14 21:54
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投稿者:忍者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎と推理もありつつ、青春の苦みや切なさを描く、これまでの米澤先生の作風に加えて、本作では、異国の少女を介したマクロ的な視点も合わさって、米澤先生の作品でありつつも、新しい境地を開いていったような、そんな感じがしました。