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高い評価の役に立ったレビュー
51人中、48人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2019/08/23 04:18
境界知能と犯罪と
投稿者:AKHT - この投稿者のレビュー一覧を見る
粗暴な行為をする人の心理について、仮説検証の一助として購入。個人的にはかなり収穫のある本でした。
本書の基本内容は「不法行為をする人の中に高い割合で知的障害者が存在し、現在の日本ではその人たちは知的障害として扱われないことによって、彼ら彼女らに真の支援が届いていない」ことを著しています。
論旨の焦点は「認知機能の低さ」で、学童時期にこれが放置されたまま成育したために種々の問題が発生することを説いています。問題に関して、不法行為を行う側だけでなく、不法行為を行う人を相手する健常者(と言って良いのかな?)の側についても多くの言及が為されており、むしろ健常者側の無知と無理解が引き起こす問題について丁寧に描かれています。
主に「境界知能」という概念に基づき、養護施設に入所するほど重度の知的障害を持っていない「軽度知的障害者」が、障害があることを健常者に気づかれずに、誤解され、嫌われ、排除されるという実態を浮き彫りにしています。特に学校教育における発見の難しさと対応の不手際を解説しているところが肝です。
また、学校教育において「社会性」教育が完全に欠如しているとの指摘は現代日本社会の本質を突いています。
或る人が「(知的障害者は)能力が低いから生きていく上で困難や問題が起こるのではなく、少数であるから、つまり多数の能力水準に合わせた社会の中で生きるから困難や問題が生じるのだ。」と言っています。本書の論旨とは異なりますが、本質は同じだと思います。
本書の観点から言えば「IQ70の人がIQ100を基準として作られた社会で生きることは非常に難しい。なので、時にIQ70の人の行為がIQ100の人にとって犯罪となる。」でしょうか。
著者自身の体験と知見に基づき、非常に平易な文体で書かれており、いかにも知的障害者を相手にしてきた人だと感じさせる語り口です。レビュワーの中にはこの語り口をくどいと感じる人もいるようですが、同じ語句を思い出したように繰り返す手法は学習指導法として効果的な指導法の一つであり、既知の理解から新しい理解を導くことを図っていることが見て取れます。
最後に、本書の内容を「知的障害者を攻撃・排除する理由づけ」にする人が出ないことを願います(認知の歪みを有する人が読むと、そのように読めてしまう危うさがあるので)。
低い評価の役に立ったレビュー
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2019/09/05 21:18
もう一歩踏み込んで・・・
投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ケーキが等分できないとか、図形が模写できないという事例はショックでした。しかし、そこからもっと個別のケーススタディーを期待したのですが。第7章で学校での対応策などの提案がなされていますが、冒頭のケースのような子どもたちはコグトレ等を通じて認知能力や脳のワーキングメモリーはどの程度改善されるのか、再非行率は抑制できるのかなどが、具体的でなくモヤモヤします。学校で毎朝5分のコグトレを、ともありましたがこれで状況が改善できるなら、筆者をはじめ関係の方々は苦労されていないのではとも思ってしまいます。
電子書籍
犯罪
2019/09/03 15:27
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
非行少年たちに対して、しっかりとした教育を受けさせることが犯罪などにかかわる前に、救うことにもなるかもしれません。
紙の本
悩む
2022/08/13 01:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
境界にいるからこそ、たやすく犯罪に利用されてしまうだけなのか、彼らの元々の性質がどうなのか、考えさせられます。
紙の本
もう一歩踏み込んで・・・
2019/09/05 21:18
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ケーキが等分できないとか、図形が模写できないという事例はショックでした。しかし、そこからもっと個別のケーススタディーを期待したのですが。第7章で学校での対応策などの提案がなされていますが、冒頭のケースのような子どもたちはコグトレ等を通じて認知能力や脳のワーキングメモリーはどの程度改善されるのか、再非行率は抑制できるのかなどが、具体的でなくモヤモヤします。学校で毎朝5分のコグトレを、ともありましたがこれで状況が改善できるなら、筆者をはじめ関係の方々は苦労されていないのではとも思ってしまいます。
紙の本
何が原因でこうなったのか
2021/08/21 22:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯罪を犯した非行少年たちを観察して考察した作品。
彼等の特徴を、興味深く解説してくれています。他人との関係が作れない、結果を想像できない、自分の感情を抑えることが出来ない、などなど、普通の人が成長する中で、身につけていくことが出来ずに成長してしまっている。これは、教育が悪い、親が悪い、環境が悪いのかな。親はその子と兄弟姉妹に限定できるから、説得材料にはなるだろう。でも、それとて、親に責任を負わせて済む問題かなあ。それと、すぐに教育や環境のせいにする人たちや本人がいますが、私が思うのは違うよなあということだけ。
直近で『高学歴モンスター』を読んでましたので、この違いは何でしょうか。学歴だけじゃないかと思ってしまった。
あと、”境界知能”の話は面白かったです。これは、これから、当事者からの逃げ口上に使われるだろうなと思う。でも、当事者がその言葉を口にした途端、私は同情しない。
紙の本
考えなきゃいけないこと
2019/10/16 18:12
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JUN - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯罪者の多くは何らかの障害を持っていることが多い。
この文章を見て驚いた。
単純に[暴力的だから]、[頭が悪いから(悪いことを判断できないから)]と考えていた。
それが、知的障害により先のことを考えられない、感情を止められない、という弊害には全く及ばず。
自分の考えの浅はかさも、知的障害なんじゃないか?と冷や汗をかいた
聞く力が弱い
→本当は聞き取れてない(わからない)のに、言われるのがイヤで分かったふりをする
→ふざけてる、嘘つきと誤解される
この文章を見て思ったのは育児にも使えるのではないかということだ。
3歳の子供を持つ親として、改めて向き合っていきたい
紙の本
非行少年と接する一助となる本
2019/12/22 14:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
素直に、読んで良かったと思いました。この本を読んでいるかどうかで、非行少年、学校で落ちこぼれている少年と接するときの対応が変わると思うので、そういう少年と接する職業の人はぜひ読んでおくべきと感じました。
紙の本
学べることの大切さを再確認
2020/01/13 00:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塾長やまさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルと合わせて中を読んで購入。
学べることは、人の形成に大きく影響するし、
学べないということはその背景の多くを
大人が作っていると反省もする。
子を持つ親なら一度は読んでおいた方がいいと思う。
紙の本
ケーキ
2020/01/05 21:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで、改めて知らないと言うことの恐ろしさを感じた。世の中の犯罪の多くが、犯罪を犯した本人にもどうしようもないところで起きているという事実にただただ驚きました。
紙の本
おかしいという人もいるけれど・・・
2022/03/09 21:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
視点という面では、一つ参考になるかと思います。氏が提唱するコグトレだけで認知力?が上がるとは思いませんが、どうすれば気づけるようになるか、という視点で考えていくのは面白いと思います。
紙の本
為せば成る、と言えない。
2021/08/30 11:49
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
出来ないのはやる気が無いからだと、言われ勝ちだ。しかし世の中ではやる気や自尊心があってもどう思考し、行動したらよいか、思い付かない人、動けない人がいる。
何故なのだろう。児童精神科医で医療少年院での勤務経験から著者が解説、また問題の解決についての提案の書。
紙の本
知らなかった非行少年たちの現実
2021/02/02 23:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uruuduki - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本が出て、1年半以上になる。
タイトルの「ケーキが切れない」とはどういうことだろうかと思いながら、見過ごしてきた。実際に読んで、こんなに身近な問題かと改めて知った。
非行により、少年院に入る前に、何故手を差し伸べることが出来ないのかと、問題の根深さを思った。
この中で褒めて指導することにも触れているが、実際、褒めてだけ指導するのは、知能に問題がないとされる子供でも、大人になってから問題を抱えるようになる。
褒められないと行動が出来ない、しないといった大人がいるのである。著者の宮口氏が言っているように、問題の先送りをしているだけなのだ。
況してや、非行により少年院に入った子供たちだ。問題と向き合う為のトレーニングもされずに褒めるのは、問題が無かったかのような状態になりかねないだろう。
以前、勉強が分からないという子供に「どこが?」と訊いて重大だと思ったことを、この本を読んでいて思った。
「分からない所が分からない」という返答の、問題の大きさだ。
過去では「置き去りにされた子供たち」だ。その時の問題が、この本の中で繰り返し語られる、境界にいる子供たちなのではないかと思うと、いかに深刻な問題かと思う。
紙の本
悪いのは誰?
2021/01/09 12:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯罪自体は絶対的にいけない事で、それは絶対的に悪である。
が、しかし、障害云々となると、果たして‥。
被害者の立場からすると、そんな事は「一切関係ない」となるのが一般的な感情であると思う。
しかし、加害者に反省できない障害があるとするなら、一体誰が悪いのだろう。
産んだ親なのか、SOSに気付けなかった幼少期の幼稚園なのか、認知しながら問題生徒の先送りをした学校の先生なのか。
強いて言えば、サポートしきれていない、受け皿の小さい現代社会のせいかもしれません。
紙の本
ショックでした
2021/01/07 19:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Qた - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯罪者の多くが障害を持っている。幼いうちにケア出来ていれば、事件を起こさなかったかもしれないと思うと、考えさせられました。
紙の本
ますます困難になる社会福祉の現実を憂う
2020/08/16 16:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
目から鱗の事実。非行少年らと向き合った著者が明かす数々の証言。支援が必要な人のところに届かない現代社会の闇を見た気がする。さて、これから私たちはこの現実とどう向き合っていくべきなのか。社会福祉、社会的包摂、かつてはそこそこ可能だった相互扶助が崩壊し、既に多様化しつつある社会について課題解決の一助に想いを馳せた。
紙の本
犯罪への見方が変わった
2020/05/26 08:46
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投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで殺人や窃盗のニュースを見ていると、
サイコパスだとか、同じ血の通った人間じゃないなど
思っていたけど、
発達障害や知能障害といった病気をもった犯罪者もいるということを特に学んだ。
特に、知能指数としては、特に問題ないと診断されている人こそ問題を起こしやすいこと。
育った環境や経験から人格形成がなされていく、
その分かれ目は小学二年生だなんて早すぎる。その後の人生の方が長い。社会から見放されて生きづらく生きている人はこの世にどのくらいいるのだろう。
表面上では見えずともそういった人はたくさんいる。
私にできることなんて微々たるものだろうけど
本書を読んで学んだことは、
固定観念や決めつけに縛られない事。