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猫を抱いて象と泳ぐ みんなのレビュー

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みんなのレビュー508件

みんなの評価4.3

評価内訳

508 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

意外と勘はいいんです(本限定ながら)

2023/06/21 14:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:圭太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

立ち読みをしない主義です。子どものころ、今からは考えられないのですが、団塊ジュニア世代のため、どこもかしこも子どもで満ちて、店員も悪ガキには厳しい対応で、書店でも「汚い手で触らんときや」とか、「立ち読みしたら買うてもらうで」と言われ続けたのが遠因となっているかもしれません。
レビューで先入観を持つのもいやなので、書店をうろうろして、気になった本を買うのがいつものやり方で、これもそうして出会った一冊です。
本書は、とにかくタイトルに惹かれました。何の話か想像しようとしましたが全く果たせず、関心が急速に高まり購入しました。

読んでみて、大正解でした。タイトルの意味を考えながら読み始めたのですが、すぐに物語世界に導かれ、いつの間にかタイトルのことは頭から離れていたのですが、読了して本を閉じたときに書名が目に入り、そういうことかと思い至りました。

『博士の愛した数式』を読んで、整数論の世界に興味を持ちましたが、今回も本書の影響でチェスを知りたい気持ちが沸き起こりました。

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紙の本

哀しくも美しい物語。

2023/01/27 12:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:m - この投稿者のレビュー一覧を見る

切なくて、哀しくて、温かい。
この物語は慈愛に満ちている。
チェスのルールは分からないけれど、深い海に一緒に潜ることができたように感じました。
多様性、グローバルと広い視点、広い世界で生きることが求められる現代社会ですが、小さな世界で葛藤しながらも幸せに、懸命に生きる主人公やその周りの人物たちの姿に触れ、そういう生き方でも良いんだと、なんだか少しホッとしました。

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紙の本

最高傑作

2023/01/11 08:04

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投稿者:かのま - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルを読んだ時、不思議な気持ちを覚えました。タイトルの意味するところがわかった今、非常に納得しています。切なさと寂しさが漂い、なんも言えない読後感を味わいました。このテーマを長編としてまとめる筆力に脱帽です。この本は我が家の永久保存版として、定期的に読み返し、細かい描写まで味わい尽くしたいと思います。

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電子書籍

小川洋子さまの(個人的)最高傑作

2022/08/14 22:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M.B.S.L - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終わった後に脳裏に浮かんだのは「美しい」という一言でした。主人公(リトル・アリョーヒン)の一生が、選びぬかれた言葉で語られています。それは例えて言えば一遍の壮大な詩です。物語で印象的に描かれる人物たちは皆「弱い人」、つまりこの世界の片隅にひっそりと、誰からも気づかれることなく生きている人たちで、彼らは大きな声を持ちません。これは小川先生ご自身が語られたことで、小川先生の作品に共通するものなのですが、この作品ではその傾向が極めて顕著に顕れています。なにせ、人物名が出てこないのです。「リトル・アリョーヒン」というのは主人公が操る人形の名前で、「ミイラ」というのは主人公にとっての少女の呼び名で、他に出てくるのといえば「マスター」、「祖父」、「弟」、「老婦人」......。どれも、特別でないものです。でも、これが物語の静謐さを醸しています。
 この物語は、チェスを軸にしたものではありますが、チェスの知識は不要です。この本の主題はあくまで人物であり、チェスの技巧ではありません。だから、誰でも味わって読むことができます。かなり独特な内容なので、小川先生の作品が好きでないともしかしたら「面白くない」と思う方もいるかもですが、どうか味わって呼んでください。魂で、こころで、感じてください。声を潜めて「リトル・アリョーヒン」のさえずりを聞いてください。その繊細さに震え、その美しさに息をするのも忘れるでしょう。
 この作品は、決して難しくはありません。堅苦しさではなく、寧ろ「やさしさ」。声を持たない人の声をきちんと拾ってくれるという安心感。そして、その「声」を宝石のように丁寧に扱い、そっと守ってくれる美しさ。そういったものがすべて混じり合い、協奏曲を奏でています。「ナツメヤシの種でできた世界一小さなチェスセット」も、しっかりと存在感を放てます。
 私は、いまこの時代に生きていることを感謝しました。この作品は洗練されすぎている。言葉に無駄がないのです。なんだか、超越的存在が私達にくださった恵みのようにすら思いました。この本は本当に読んでよかった。この心の震えを、もっと多くの人に感じてもらいたい。ぜひ、手にとってください。そして、最後の響きまで味わってください。この本は、私の過去一〇年の読書生活で出会った中で最高の作品です。私が小川洋子先生のファンになったきっかけです。作者様のすべてが凝縮された、とても濃密な物語です。どうか、どうか心を震わせてください。

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紙の本

天賦と欠落

2022/05/07 19:33

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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

チェスのかつての天才プレイヤーの名をとってリトル・アリョーヒンの名で呼ばれる天才少年。だけどそれは彼自身を呼ぶ名前ではない。かつてポーの小説「メルツツェルの将棋指し」に登場する「トルコ人」と呼ばれた自動チェス人形を再現したものの名前であって、少年はその人形としてのみ人に知られているのだ。天才的な才能を持ちながら、対面で人間と対局できないために、彼はそうして世界との接点を持っている。
対局相手だけでなく、幼い頃から家族と、チェスを教わったバスの運転手以外との交流を持たずに育った、純粋にして孤独な魂の持ち主ということになる。純粋な思考遊戯に没頭できるという特殊な才能と、それと引き換えのような、なにかしらの欠落を抱えた少年の物語でもある。そこに成長の軌跡というものも見られることはなく、チェス人形のサポート役や、人間チェスの駒を務める女性たちの身の上にも考えが及ぶこともない、本当に永遠の少年のままだ。
たぶんちょうど適切な時期にチェスと出会い、その才能を見い出した人と出会えた幸運があったために、チェスによって生きていく術を得ることができた。チェス人形としてチェスを指す役割に没頭していれば生きる糧を得ることができ、過去の思い出に浸って過ごすことができれば、彼にとっては十分なのだが、凡人、俗人は純粋でばかりはいられない。やはりこれは、リトル・アリョーヒンという存在によるおとぎ話なのだろう。
チェス人形という設定自体、1990年代以降はコンピューターの実力が人間を超えているので、中身が人間かどうかという謎も懐古的なロマンの部類だ。そういう中で描かれる、彼の精神風景が豊かでみずみずしいこと、その小さな宝石のような世界の清冽さは印象的だ。それほど純真とは言えない身としては共感や憧れやも持てないとしても、才能と出会いがあれば安寧な生活が得られるとしたなら、羨望を感じる。

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電子書籍

さすが小川洋子さん!

2021/10/25 11:41

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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る

『博士の愛した数式』もよかったですが、この作品もまたすばらしいです。読み終わっても、数日余韻が消えません。

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紙の本

良い小説

2021/01/29 18:53

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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

この人の本は2冊目。アリョーヒンという伝説のチェスの名手を模した人形を操ってチェスを挿す11歳で生長をやめた少年「リトル・アリョーヒン」。それに「ミイラ」「ポーン」「マスター」「老婆令嬢」という個性的というか非人間的な小説世界。グロテスクでさえある道具立てで、チェスという世界で繰り広げられる抽象的な遊びを言葉で紡ぎ出すというのがふさわしい。べたべたせずひんやりとした独自の世界だ。でもぎすぎすとした不快感はない。一筋縄ではいかないが、少年と「ミイラ」と読んだ少女の言葉少なく不器用な恋愛はほろりとさせられた。

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紙の本

☆5つ通り越して満点の星空

2020/11/09 21:59

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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

小川洋子さんは何を読んでも面白いがこれは群を抜いて傑作だと思った。孤独と絶望と救いと、それからまた絶望と。チェスなんて1ミリもわからなくても楽しめる美しく幻想的な世界

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紙の本

果てしなく広がるチェスの海を泳ぎ切った先には...。

2020/09/13 22:58

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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

<猫を抱いて象と泳ぐ>のは、果てなく広がるチェスの海。読了して思ったのは、チェスは、白と黒のチェッカー模様の海に泳ぎいで、対戦相手と美しい詩を編んでゆく静謐なゲームなんだということ。いままでチェスのことなんて考えたことはありませんでしたが、その奥に潜むものは深く興味深い。それは、慎み深く賢く生きたひとびとの証のようでもありました。
物語は、未知の国から伝えられた寓話のような雰囲気をまとって読者をひきつけ、そうこうするうちチェスという知らなかった世界のその真の意味を淡々とあるがままに提示する。小川洋子さんは、なんとすごいことをやってのける作家なのだろうか...と、ただ思う。

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紙の本

小川洋子ワールドは浸った者がち

2019/01/24 22:17

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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

小川洋子という作家は、「ミーナの行進」で女の子とカバを通学させて、今度はこの作品でチェスを指す人形を操る男の子を登場させた。いつもとんでもない人がっ登場する。ミュンヘンオリンピックの男子バレー準決勝に夢中になり、デパートの屋上遊園地に現れた象に夢中になる。鳩を肩にのせたミイラやバスに住むマスターもカバにまたがるミーナと遜色のないインパクトがある。この人の作品に登場する人たちのなかには「そんな人いるわけないじゃないか」といった人がたくさん登場するが、読んでいるあいだはまったく気にならなくなる。チェスの駒のことが少し理解できたことも収穫

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紙の本

人の心の傷が響いてくる

2018/05/16 13:52

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投稿者:あんみつこむすめ - この投稿者のレビュー一覧を見る

小川さんの小説は、あまり晴れ晴れとした爽快感よりは、
じめじめとしたしんみりする雨の日のような内容が多くて、
この小説も、チェスが軸としありながらも、
白熱のチェス戦はほとんどなく、
じわじわと心に染み込むような人物たちが強く印象に残りました。

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紙の本

盤面から広がる

2017/09/07 06:18

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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

小さなチェスのゲームから、壮大なスケールで描かれる物語が感動的でした。孤独な天才の心が伝わってきました。

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紙の本

大人向けの童話のような静謐さ

2017/06/21 22:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

11歳の身体のまま成長を止めたチェスプレーヤー「リトル・アリョーヒン」の静かで慎ましい生涯を描いた作品です。小川洋子さんの作品らしく、静かで、少し世間からずれていて、それでいて温かい登場人物と世界観で落ち着いて読むことができました。

チェスのルールをある程度知っていた方がすんなり読めますが、チェスのルールを知らずに読んでみたかった気もします。

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紙の本

勝負を超えたチェスの海

2017/01/30 15:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひまわりまま - この投稿者のレビュー一覧を見る

少年は幼いころからすでに失われてしまったものに愛着を持つ素質があった。デパートの屋上にいたという象について、家と家に挟まれたままの少女、チェスを教えてくれたマスターとその愛猫。それらの共通点は「大きくなり過ぎたこと」。少年は少年の姿のまま年齢を重ね、チェスの海へと没頭していく。単なる勝ち負けではない、その足跡に芸術性を感じるのは3月のライオンにも描かれている。その領域にまで到達できない私たちはいったい何を言えるだろう?少しでも垣間見ることができる幸運に浸りながらページを進める1冊。後半を彩る淡い恋が切ない。すれ違うゴンドラのシーン、すべての音が消えて永遠にも感じる一瞬のすれ違いを、確かに私は見た。

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紙の本

とっても好きな作品です

2015/11/21 09:17

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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

小川氏の作品はほぼ読んでいますが、その中でもこの作品はとても気に入っています。主人公の名前がロシア風なので、最初読み始めた時、横文字の覚えにくい人物がたくさん登場するのかな~と思いますが、そんなことはありません。しならくするとすぐにストーリーに引き込まれていきます。ぜひ、ご一読を!

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