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しゃばけ みんなのレビュー

文庫 第1回吉川英治文庫賞 受賞作品 第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞 受賞作品

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みんなのレビュー909件

みんなの評価4.0

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/09/11 13:53

置き去りの哀しさ

投稿者:AQUIZ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 江戸が舞台の時代物であり、出自通りに人ならぬ妖達が罷り通る和製ファンタジィであり、広義の安楽椅子探偵ものである(実質は、椅子に座るも侭ならぬ病床探偵であるが)。
 古典推理小説の様式を雛形とすれば、あらかた規格外揃いとなりそうな近年のミステリの体裁に近い構造となっている。
 しかし、当シリーズの本質は「置き去りの哀しさ」ではないのだろうか。
 探偵役たる主人公、一太郎は、両親始め、現代社会に置き換えれば大企業である店の一同、揃いも揃っての溺愛が過ぎ、布団に沈んでいるような少年である。
 幼時の一太郎は、今と変わらず寝付いてばかりで、家の回りで友だちと遊ぶにも不自由する有様。家族は誰も優しく、その気になれば贅沢三昧もできる裕福さ。しかし、どこへも行けない。大人になれず死ぬのだろうと、もはや絶望も恐怖も薄い。寝床の中に置き去りにされて、明日の無い一太郎。
 計らいあって、虚弱ながらも長らえた一太郎は、彼を愛する多勢の妖の助力を得る。
 まず、大方の人間に妖の存在は認識されない。
 この構図は、事実とは異なるが多重人格者の物語と重なって見えるのだ。
 水夫を従え、家業を取り仕切ることができる偉丈夫。
 容姿端麗で博学、彼に任せられた店である薬種商を切り盛りできる才覚。
 時に人をからかい、皮肉も云えば、良き同居人とも云える派手好みの男。
 好き放題に、自由に、転げ回ることのできる身体。
 布団に押さえ込まれたまま、一太郎は妖らに逆恨みもしない。自分の一部であるかのように。そうあれば、と思う力や特質が彼らにはあって、しかし、すべてが自分に都合良く運びはしない。
 出会いと別れは、自室から離れられない一太郎ばかりが受け身になって起こるように感じられてしまう。置き去りの哀しさ。手足となり、目となり、耳となる妖らは、決して彼の道具ではないが、心の支えでもある。
 そして、置き去りが約束されているのは、一太郎では実はない。
 いずれ彼が、亡き祖父のように一切を棄てても良いと思えるものに出会い、病も切り抜けて天寿をまっとうしたとして。
 彼を取り巻く妖らは、百年も千年も生き続けるのだ。
 積み重ねるほどに散らばった時の残骸は広がることを知っているのに、こぞって一太郎との関わりを積んでしまう妖ら。
 人外の威力ではない。あっけなく失うことを知り、それでもなお彼を愛そうとした妖らこそが強いのだ。

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低い評価の役に立ったレビュー

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/06/29 19:07

次々と襲われる薬種問屋の謎。身体の弱い廻船問屋の若旦那一太郎が、妖たちの力を借りて事件解決に乗り出すファンタジー時代小説。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品は、妖たちが見え、彼らに守られている身体の弱い廻船問屋長崎屋の若旦那一太郎を中心とした物語である。
物語を牽引していくのは、長崎屋の薬種問屋を任されている一太郎が、次々と襲われる薬種問屋の事件を、妖たちの力を借りて解決するというミステリー。
物語を創りあげているのは、肯定的に描かれた妖たちと彼らを見ることが出来る一太郎であり、ファンタジー要素の強い作品となっている。


宮部みゆき作品に「震える岩」「天狗風」「あかんべえ」「かまいたち」などの霊や妖が登場するものがあるが、こちらは霊や妖たちは怪異な存在として位置づけられており、その世界は異なる。


廻船問屋長崎屋の若旦那であり、薬種問屋を任されている一太郎は、身体が弱くすぐに寝込むために、両親や、手代の姿を仮りて一太郎を守る二人の妖たちに過保護に扱われている。
にも関わらず、思うところあって夜に家を出た一太郎は、その帰り、人殺しに行きあたった。
薬の香りに惹き付けられたその殺しをした男は、薬を寄こせと一太郎を執拗に追い始める。
一太郎は、鈴の付喪神・鈴彦姫と火の妖怪・ふらり火によって窮地を脱したが、数日後、命をあがなう薬をくれと薬種問屋にやってきた男に襲われた。

物語の始まりは、一太郎が出くわした人殺し。
それにまつわる数々の謎が物語を引っ張っていく。
○首から血を流して死んでいたはずが、首を切り落とされて発見された大工
○大切な大工道具がバラバラに売り払われていたこと
○次々と薬種問屋だけが襲われること
○薬を欲しがり薬種問屋を襲う男が別人であること
など不可解な謎から、身体の弱い一太郎が妖たちの助けを借りて、事件の解決に乗り出す。

このように、妖が肯定されている物語の世界と、ミステリーによる物語を展開させる手段は魅力的なのだが、この作品を手放しで楽しめないものが散見される。
○物語の展開に関わりの少ない、とりとめのないやり取りが多い
○一太郎の身体の弱さが、何度も細かく描かれている
○一太郎の親友で菓子屋の栄吉の、菓子作りの下手な様子が何度も描かれている
○次に行うべきことが分かっているのに、それに手をかけない展開の遅滞
○会話の冗談が作者の頭の中でしか成立していないように感じる
○一太郎が「妖の考えは人間とはずれている」と思っていることは、単なる意見の相違に過ぎない
など、作品づくりの甘さによって、ミステリーにも集中できず、妖と一太郎が創り出す世界にも集中できず、全体的に間延びしたような印象を受けた。

あらすじや物語の設定が魅力的であるだけに残念。
短編にしたら内容が取捨選択されて、物語がシェイプアップするのではないだろうか。

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909 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍

すごいな

2023/12/04 18:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みぽこぽこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

随分前に読んだけど、また読みたくなって。
シリーズの最近発売されたものを読んでから、ふと1番最初に戻ってみた。
やっぱり、これがシリーズの中で1番面白い。
それがデビュー作なんてすごいな。

最近の話は、比較的穏やかで血生臭くなくて、可愛らしい。私は、このデビュー作のような、妖と人間が馴れ合っていない方が好きかな。

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紙の本

しゃばけシリーズの記念すべき第一回目の本

2023/05/08 14:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公が頭は良いが最弱の体の弱さ。
それを助ける仲間はほとんどが妖たち。
それが推理小説になっていて目が離せません。一気に読み切ってしまいました。

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紙の本

年齢問わずお薦めの1冊

2022/08/24 21:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ルリノツキ - この投稿者のレビュー一覧を見る

しゃばけシリーズの1作目は面白くて何度も読み返しました
ぼろぼろになったので買い直した作品です
思い起こしてみると
このしゃばけが出た以降、妖を取り扱う作家が(漫画家も含め)格段に増えました
それ以前は妖という呼び方がメジャーではなく、
お化けや妖怪などと呼ばれることが多かったです
そういう意味でもこの作品は
賞を取ったり、映像化、漫画化されたりしていったことは
非常に納得のできることです
内容は江戸モノ、妖モノ、ミステリーモノではありますが
現代人の考えや思いと重なることが多く
大変読みやすい本です
大人の方は勿論、中高生にもお薦めです

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電子書籍

妖怪もの

2022/01/04 20:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

しかし、捕物帖の要素もあります。捕物帖っていっても、安楽椅子探偵の一太郎ですが……。全体的にどこか、水木しげるの世界も投影されているようですね。賞を取った作品だけのことは、あります

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紙の本

癒されます

2021/10/28 23:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

発売当初から気になっていたもののなかなか時間に余裕がなく読めずにいましたがやっと念願叶って購入!
シリーズの始めの話しということで、若だんなの若だんなたる所以や妖達との関係性がわかりやすく描かれており、あっという間に読み終わりました。優しくてまっすぐな若だんなが、悩んだり寝込んだりしながらも前に進んでいく様子にこちらも励まされます。コロナ禍のあれこれや思うようにならない日々の雑事に荒んだこころを癒してくれる一冊です。

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紙の本

楽しめた

2021/01/31 08:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

同じ著者の『けさくしゃ』を以前読んで全然面白くなかったのですが、新潮文庫100冊に入っていたので読みました。こちらは意外と最終版まで謎が謎のままで、結末が気になりましたし、『けさくしゃ』と違って著者が読者を無理やり楽しませようとするあざとさがなくて、素直に楽しめました。

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紙の本

不思議

2020/08/30 22:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぱあ - この投稿者のレビュー一覧を見る

若旦那や若旦那を取り巻く妖怪たちとの日常がとても面白いです。謎解きとかもあって、読んでて飽きない内容です。
若旦那が可愛いです。

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紙の本

悪しき執念、非行と化す。

2020/04/06 20:10

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

痛快なミステリードラマでした。読み物として楽しめます。一気に読みきってしまいました。
 さて未読の方に配して・・。昔から、言葉には言霊、物にも物怪、と言います。物にだって霊魂が宿っているという思想。個人的には何となくそう感じます。例えば車。私が今乗っている車は大学4年生の時に新車で買って現在で23年になります。途中10万キロ走行の頃にエンジンのオーバーホールをし、現在に至っています。大切に乗る気持ちを忘れずにしていますが、過去に何度か他の車に目移りした事がありました。その時決まって車の調子が悪くなりました。逆に讃えると走りが快調で、エンジンが軽々しく回り、加速が滑らかに伸びやかになりました。気のせいではあるでしょうけれども。
 この本の話は私にとってそれを彷彿とさせました。とはいえ、自己の欲望を手段を選ばず自分勝手な行為に換えて他者を巻き込むのは非ざるべきです。
 本書を通して著者は何を訴えたかったでしょうか。大切な事が幾つかあると思います。それを見出だす事が最大の醍醐味だと思われます。

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紙の本

妖怪ファンタジー

2019/05/11 21:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る

江戸の町を背景にしたミステリー仕立ての妖怪ファンタジーで、ヒットの要素が詰まった大江戸人情推理帖。
 病弱な大店の若だんなの一太郎は、生まれた時から妖怪たちに守られて暮らしています。そんな一太郎が殺人現場に出くわすところから物語は始まります。その後、不可解な連続殺人事件に発展し・・・。そもそも、一太郎を何故妖怪達は守っているのでしょうか。そして、徐々に明らかになる一太郎の出生の秘密。日本ファンタジーノベル大賞受賞も納得の快作でした。
 既にシリーズ化されていますので、毎月1巻毎読んでいこうかなと思いました。

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紙の本

ミステリ要素たっぷりで、妖の世界が覗ける時代小説。

2018/09/13 12:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Buchi - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリ要素たっぷりの時代小説。
舞台は江戸日本橋の大店。しかも数多の妖(あやかし)が登場してくるのですから、普段の江戸の生活を描いたものとは違います。妖しい世界も見せてくれるので、面白くないわけがありません。
虚弱な若旦那一太郎が主人公。妖である手代二人に育てられ、守られています。しかも、妖が見える一太郎には数多の妖や付喪神が周りに集まってきます。そして、一太郎を慕い大切に思っています。当の一太郎は体は弱いが人として芯の通った気概の持ち主で、問題や下手人に立ち向かっていく姿にとても好感が持てます。

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紙の本

妖が普通の存在として扱われる不思議な世界は実に興味深い

2017/05/23 23:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

妖が普通の存在として扱われる不思議な世界は実に興味深いのだが、妖の社会実態そのものが余り描かれていないためまだピンとこない。若旦那中心の流れで、なかなか本題に収斂しないもどかしさも気になった。連続する不可解な殺人事件が「妖になりそこねた」=「なりそこない」によるものらしいと推測してからの展開は速やかで楽しめた。そして、若旦那が実は人間と妖との間に生まれたという誕生の秘密が明かされてお仕舞。まだ、面白さが十分に伝わってこないけど、もう少し妖の世界を覗いてみたい気持ちにさせられました。

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紙の本

シリーズ読み返し中です

2017/04/29 20:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

今になって読み返してみると親切すぎる説明的なセリフが多いですね。それでも 体が弱くて世間知らずだが 芯はしっかりな若だんなと周囲のみんなの魅力がいっぱい!

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紙の本

ようやく、しゃばけ

2016/12/30 20:29

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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

江戸で大きな廻船問屋の若旦那の一太郎が、夜に手代に内緒で出かけ、殺人者とに遭遇したことから、次々事件が起こる。虚弱な一太郎は、大切に育てられ大概外出を禁じられる有様。すぐに疲れ寝込むことが多い。妖の姿がわかり、佐助と仁吉の手代もまた妖。妖怪と話を普通にする一太郎は、一体何者?
本屋に行くたびに、「しゃばけ」のことが気にかかっていた。面白いです。シリーズなので楽しみ。

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紙の本

ほろりと楽しめました

2016/11/09 13:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なか20 - この投稿者のレビュー一覧を見る

何となく手に取った本。そんなに期待してなかったけど、あっという間に読めました。

江戸時代の話だけど、難しくなく
体は弱いけど、心が強い若旦那と、それを守る妖たち。
ちょっぴり考えさせられたり、ほろりとしたり
笑ったり、最後はスッキリ。

短編だけどつながっていて、読みやすいです。

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紙の本

ドラマ以上に

2016/09/28 10:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PPM - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前、ドラマが面白かったので読んでみたのですが、ドラマよりも面白かったです。
2巻目も購入決定です。
江戸時代の、何度も死にかけている体の弱い若だんなと、その周りにいる妖怪たち(人間として生活してるものもいる)のお話です。
物の考え方のちがう妖怪たちぶっ飛んだ行動も面白いですし、体はよわっちいのに心根は一本芯の通ってる頭の良い若だんなにも好感が持てます。
つづきが楽しみです。

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