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有名な事件ですが、それをどれほど知っているのか、がわかる。
2016/11/29 12:12
9人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「応仁の乱」といえば、だれもが知っている日本史上の事件。日本史の先生には「今の日本につながっているのは応仁の乱以降だ。」と言われたり、京都の人が「先の大戦」といえば応仁の乱を指す、と言われたりする割には、その構造をどれだけ知っているのか、というのは、心もとなかったりする。最新の成果も組み込みながら、新書というスタイルで描いているところがすごい。
応仁の乱の歴史的意義が分かったような気がします
2017/05/14 14:34
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
応仁の乱はなぜ起きて、何を残したのか。終章にコンパクトにまとめてあります。
つまり、畠山義就の上洛が引き金を引き、山名宗全の介入で、武士の面子を失った細川勝元との全面戦争となりました。さらに多数の大名を各々の陣営に引き込んだ結果、戦局は泥沼化。足利義政の無定見が戦乱に拍車をかけ長期化します。最終的には西軍がなし崩し的に解散し、1477年に形の上では終結しますが、局地戦はこの後もダラダラと続きます。結局、応仁の乱は京都を焼け野原にしただけで、一人の勝者も生まず、参戦大名の没落と戦国大名の台頭を招いたのでした。
とにかく登場人物が多くて、本の序盤で危うく挫折しそうになりました。そこで、細かな点は頭に入らなくても気にせずに、主要人物(畠山氏、将軍、山名と細川等)の動きだけは押さえながら読み進めました。諦めずに最後まで読んで良かったです。応仁の乱の歴史的意義が分かったような気がします。終章の末尾に書いてありますが、戦乱の時代をしたたかに乗り切り、詳細な記録を残した経覚と尋尊のお陰で、応仁の乱の詳細な経緯を知ることができました。
視聴率は取れずとも、畠山義就あたりを主役にした大河ドラマを作ってほしいと思いました。
アプローチのユニークさ
2016/11/07 22:20
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るしあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前著の評価が高かったので、期待して購入しましたが、期待以上の素晴らしい作品でした。応仁の乱を取り上げた本はいくつか読んでいますが、大和国守護としての役割をもった興福寺、その国衆からのアプローチはユニークで、とても感心させられました。僧侶の日記はこれまでも取り上げられているはずですので、ある意味オーソドックスな研究手法なのかもしれませんが、応仁の乱に関する一般向けの本ではこのような紹介はなかったように思います。これまでの人物評にとらわれず、冷静かつ多角的に登場人物を描く著者の筆致に感銘を受けます。室町時代ファンとして大満足の作品が1つ増えました。
読み応えあり
2017/06/13 15:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ZATO - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本で義務教育を受けた人であれば、誰もが名前くらいは聞いたことがあるであろう「応仁の乱」。しかし、戦国時代の契機になったということ以外はほとんど知られてない。そんな「応仁の乱」について、その前後の経緯も含めて詳細に記したのが本書です。
奈良の興福寺の二人の僧侶の記述を基本に据えつつ、多くの登場人物、その立ち位置や関係性の変化などを丹念に記述している本書は、新書版にもかかわらず読み進めるのに根気が入り、読み応えがあるとも言えます。
読み進めるに連れ、その全体像が繋がっていき、「応仁の乱」の歴史上の位置付けも明らかになってきます。少なくとも日本史ファンであるなら、ぜひ手に取ってみたい1冊だと思います。
なぜか大ヒット中の話題の一冊です
2017/03/31 11:19
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aratakadowaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
興福寺大乗院門主の視点から見た応仁の乱、という建てつけになっていて、京都でのいわゆる教科書的な応仁の乱の説明と共に、それとリンクする奈良の国衆の動き、門主の座を巡る暗闘など、さまざまなサブストーリーが絡み合う中世の空気感を感じることができるテーマを扱いながら、新書らしくちゃんとわかりやすくもなっています。なぜ大ヒットになっているのかはよくわかりませんが、歴史好きの人にはオススメの一冊です。
複雑怪奇な大乱の全貌
2016/12/23 01:57
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
教科書には必ず載っているが、詳しくその内容を説明できる人はほとんどいない応仁の乱の姿を描いた良書。
利害関係が調整できずにズルズルと長引く戦乱に、将軍として意外にもその役割を果たそうとする足利義政などストーリー性のある内容だった。
応仁の乱って何だったのだろう
2023/07/24 15:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史好きでも、この応仁の乱ではてこずる方が多いのでは。
いろいろな出来事が入り乱れ、ややこしいことこの上ない。
東軍だった者が西軍に行ったり、また、その逆だったりと、その時の状況でクルク立場が変わってくるのも分かりづらくする一因ですね。
権力という欲のとめどない発露の結果がぐちゃぐちゃにこの乱を長引かせたようですね。
もう少し日野富子を擁護してほしかった
2020/09/12 19:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
応仁の乱と言えば覇気の無いダメ将軍・足利義政の無節操と、彼を尻に敷く鬼妻・日野富子の息子への溺愛が生んだ、不毛の戦争、しかも180年の戦乱を招いた近代以前の日本史上最悪の事件と思っている人も多いだろう。本書は当時の一級資料を残した経覚と尋尊がトップを務めた興福寺を中心とした、斬新な視点からこの大乱を問い直している。乱の原因・経緯から乱後の動きや乱中の人々の生活まで、教科書に植え付けられたイメージがことごとく覆される良書である。願わくば悪女として断罪され続けていた日野富子を、実際は夫や息子や幕府の窮地を救うために奮闘していた面を強調してもっと積極的に擁護して欲しかった(いくつかの冤罪は晴らされているが)。
何というか、地味。
2020/03/02 16:17
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投稿者:姫路ねこ研究所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
応仁の乱。室町幕府の形骸化そして戦国時代がここから始まる・・・と歴史の授業では習う。京都の人は、先の戦さ、というと、太平洋戦争ではなく応仁の乱のことを指すらしい。。。
ということを、日本人の多くは知っている。じゃあ、実際にはどんなことがあったのだろうか?そもそも、東軍と西軍、どっちが勝ったのだろうか?
大和国を支配する興福寺や土豪たちの内部抗争から、大和守護畠山家内の家督争いに発展する。そして時の将軍義政、次期将軍候補で弟の義視、管領細川勝元、勝元の舅・山名宗全たちの派遣争いへ。権力者たちの思惑が各地の守護や守護代たちを巻き込み、越前、播磨での紛争にも発展する。その後は京での疱瘡流行をきっかけに、補給路を確保した東軍が有利に傾く。山名宗全・細川勝元の死を経て、最終的には1477年、東軍が勝利する。。。
乱の後も幕府内の争いは続く。将軍職は足利義政の子、義尚→若くして死後に義視の子、義材へと引き継がれる。そして1492年、日野富子らは明応の政変で、堀越公方足利政知の子を義澄をして将軍に擁立。こののち義材側と義澄側、2つの将軍系統の覇権争いとなり、戦国時代が本格的に幕開けをする・・・
というのが流れのようだ。きっかけと終わりがわかりにくく、人の流れが複雑なので、時系列ごとに図示しなければ理解が難しい。そして、応仁の乱にとどまらず、明応の政変まで記載することで、後の戦国時代への流れをつかむことができる。そして、応仁の乱のことをよく知らなかった理由もわかった。
惹きつけるものが少なく、地味なんだわ。始まりは奈良県内そして大阪府東部の小競り合い。当事者の思考は自分の領地や肩書を保持すること、魅力的かつ革新的な人物も不在。大将たちが死んでも終わることなくズルズルと続く。そして何が変わった?何も変わっていない。
ということを、丹念に読んでいけば理解ができる、良書であった。
室町
2019/05/06 06:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
室町時代の大乱を紹介し世間に興味を広げるきっかけを作った本。当初から最後までかかわった人物に焦点を当てることで分かりやすくなっている。
ほんと室町幕府って、わけがわからない
2019/01/26 23:18
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の帯に書いている「戦国乱世の序曲とも評されるが、高い地名とは対照的に、実態は十分知らされていない」という文は、ほとんどの私を含む歴史好きに共通な認識で、私などは「意志も虚しく(1467年)応仁の乱」という語呂合わせと、西軍が山名宗全、東軍が細川勝元だという知識に、大河「花の乱」に登場した義政のダメっぷりしか印象になかったのだが、管領家の畠山氏や斯波氏だけではなくて、細川氏までもが身内同士の争いに疲弊して没落していったという過程が丁寧に説明されている。
戦国時代の始まりの謎
2018/12/25 12:26
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投稿者:しゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまりよく知らない応仁の乱についての本が、人気なので手に取った。
知らなかった経緯、様々な登場人物の思惑、などが理解できる。
応仁の乱とは何だったのか
2018/11/16 01:06
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投稿者:Carpaccio - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を聞いたことのない人はいないであろう日本史上の大事件、応仁の乱について一般人向けに解説する良書。
明応の政変を戦国時代の始まりとする近年の研究結果を踏まえた上で、応仁の乱が及ぼした影響の大きさを再評価している。一般人向けとはいえ、ある程度の知識が無ければ読了は難しいかもしれない。しかし、歴史好きや日本史について多少の知識がある人なら問題なく楽しめるだろう。
充実した新書です
2017/08/27 15:30
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投稿者:ルイージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者も言う通り戦国や幕末に比べてあまり人気の無い応仁の乱だけど、本書は史実を丁寧に分析していてしかも人間模様が描かれていて、ドラマとして読んでも十分行けそうな気がした。そこらへんの軽佻浮薄な新書版とは大違い、値段以上の充実した内容で、夏休みの読書にもオススメです。
応仁の乱
2016/11/04 20:19
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iwasabi47 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前著『戦争の日本中世史』で終盤一気に叙述されていた応仁の乱。こちらでは当該政治史の再検討と同時代の興福寺の二人の僧に残した日記から視点から成り立っている。自己利益から二つに割れていた大和の衆徒・国民達が外部の勢力に翻弄されると団結するところで書物が終わるが、まさしく『一揆の原理』(未読)なのかなと。防御兵器(堀・楼の発達)が戦争を長引かせたとの説は館から城の変化なのか。この続きとして『天文法華一揆』読み直して見た。